- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784422311067
作品紹介・あらすじ
――本さえあれば、そこは図書館になる。マドリードの地下鉄図書館からモンゴルのラクダの図書館、電話ボックスを活用した小型ライブラリーや個人宅に設けた夢の図書空間まで、世界中のバラエティあふれる変わり種ライブラリーを紹介。小さなボックスから巨大な建造物、ホテルの中や海岸など、サイズや場所はさまざま。共通点はそこに本があって、読みたい人と届けたい人がいることだけ。全89館を収載した図書館ガイド。
感想・レビュー・書評
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厚さ3センチ弱の正方形の本。
豊富なカラー写真とテキストもぎっしり。そして、かなりの重量感。
そしてその中身がとても素敵だ。およそ本好きな方なら、夢中になるだろう。
ええ?こんな届け方もあるんだ!こんな場所に?と眼を見張るようなものばかり。
そこに読みたい人と届けたい人がいる限り、図書館は生まれる。
世界中の全89館のガイドブック。
マドリードの地下鉄図書館。テルアビブの防空壕のそばの図書館。
サンパウロの図書館タクシー。絵本化もされたコロンビアのロバの図書館。
モンゴルのラクダの図書館。ラオスの象の図書館。
イギリスの、廃棄されそうな電話ボックスを利用した図書館。
ニュージーランドの冷蔵庫の図書館。フィンランドの船の図書館。
テルアビブのビーチ・ライブラリー。キューバの収容キャンプにある収容者用図書館。
多大な費用をかけて造られた公共図書館や大学図書館も登場する。
日本からは成蹊大学の超モダンなプラネット型図書館も。
これらは皆、個性的な図書館を目指したわけではなく、その土地の特性と社会背景等の事情で生まれた知恵と工夫の賜物なのだ。
届いた本を前にした子どもたちの笑顔や、一心に読みふける大人の姿がたくさん載せられていて、こちらも嬉しくなってくる。
本と人とは、こんなにも繋がっている。
本好きな人たちの本にかける思いは、世界共通なんだね。
登録無用、誰でも善意に任せて利用できるという図書館もある。
本は、ひととひととの信頼関係を生み出す力があるのかもしれない。
本の持つ意味を再認識させられる良書。
どの章もテキストを読み終えてから画像が登場するので、ああこれがそうか、と確認しながら読み進んだ。そのテキストが、非常にやさしく温かい。
こうしてレビューを載せている間にも、一生懸命本を届けようとする司書さんたちとそれを待つ人たちがいる。
そう思うと胸が熱くなってくる。何度でも手に取りたい良書。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館のステレオタイプなイメージに縛られない、個性的な図書館を紹介してくれる1冊です。
本を中心にして人々の交流が生まれていることが伝わってくる写真が多くて、一人の本好きとしてうれしくなりました。
ラクダや象、船などの移動図書館や、古い電話ボックスを利用した小さな図書館。
空港や地下鉄で電子ブックを利用できる図書館もあれば、トランクにつめられて旅する図書館もあります。
返却期限はなし。1冊借りたら、1冊返す。
そんなルールで成り立つ、人々の善意に支えられた街角の図書館がすてき。
いろいろな図書館を見て、頭がほぐれたように感じます。
本書にもらった発想のヒントが仕事の中で活きてくることを期待しながら読了。 -
旅で立寄る旅先図書館。象(蒙)や駱駝(ラオス)が本を運んで来る動物図書館。ノルウェーは大型船,バングラデシュやラオスは小舟の水上図書館。ビブリオタプタプは国境なき図書館,初耳。
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街中に建つ立派な公立図書館や大学図書館の伝統的な概念を飛び超えた〝在りそうもない図書館〟が、世界中に存在している。マドリ-ドの地下鉄図書館、フィラデルフィア国際空港図書館、ホテル内図書館など旅先で利用できるもの、動物(ラクダや象、ロバや馬、象)などを使って僻地に本を届ける移動図書館、ボートや筏、方舟、救助船に本を積み込んだ水上図書館、公園、路上、樹木上、酒場、塀の中の図書館(米軍グアンタナモ湾収容キャンプ)など変わり種図書館・・・知識と教養を提供する世界の司書たちの貢献度の高さを知る。
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泊まれる図書館BOOK AND BED TOKYOで、
図書館に関する本を読めるしあわせ…
世界には色んなアイデアがあって、色んな図書館があるんだなぁって思える。
序盤の文章「イントロダクション」と「旅先の図書館」って章が特に面白かった。
空港の図書館、タクシーの図書館、駅の図書館…
動物が運ぶ移動図書館に、ライブラリーホテル。
コロンビアの公園にバス停みたいなミニ図書館が100以上あって、ニュージーランドには冷蔵庫みたいなミニ図書館がある。
こういう、読みたい本を持って帰って、自分の読み終わった本を寄付できるサービスいいよなぁ。
“リトルフリーライブラリー”京都でもできないかなぁ…
とりあえずここに載ってる場所ぜんぶ行ってみたい!! -
世界中の89の図書館のガイドブック
1 旅先の図書館 2 動物図書館 3 小さな図書館
4 大きな図書館 5 ホームライブラリー
6 移動する図書館 7 意外な場所の図書館
と章立てされていて、写真もいっぱい
携帯の普及によって用がなくなった公衆電話ボックスや冷蔵庫、スーツケースが図書館に!
本とわずかな空間・場所と熱意とアイデアがあれば、ありとあらゆる所が図書館になりうることが証明された
武蔵野美術大学やスコットランドのアバディーン大学図書館の目を見張るような大きな図書館には、ぜひ一度行ってみたい
しかし、何よりも私が感動したのは、ロバが運ぶ移動図書館だ
司書たちが村に入り家畜の世話や農作業をしている子どもたちを呼び集め、大きな木の下で授業が始まるのだそうだ
識字率も格段に上がったという
また、モンゴル人作家ジャンビーン・ダシドンドクは20年間、ラクダに乗り、馬や牛・トナカイにも乗り、全国の子どもたちに本を届けたそうだ
「本さえあればそこは図書館になる」と表紙の片隅に書いてある。
まさにその通りの本だった
忘れてはならないのは、そこに本に対する人々の熱い思いがあるということだ -
やっぱり図書館はコミュニティになくてはならないものなのだ、と実感。みんなが本を好きになる。本を読まなくても人が集まる。それだけでも価値がある。
世界には様々な形態の図書館があり、出来るだけ多くの人に本を届けたい人とそれを待っている人がいる。
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世界のユニークで楽しい図書館が、豊富な写真で紹介されている本。
2015年の発行だが、一部電子書籍やWiFiを提供する図書館もあるものの、膨大な蔵書を擁する図書館や紙の本を運ぶ移動図書館(馬や象も!)が今も必要とされ求められていることがわかる。
英国のバーミンガム図書館や元首相グラッドストーンの邸宅と蔵書による図書館などの素晴らしく立派な図書館、タイのリゾートホテルなどのお洒落な図書館もいいが、7章のうち第5章のホームライブラリーが一番興味深かった。
韓国の家庭の階段状の本棚に滑り台が付いたリード・アンド・スライドと、表紙写真にもなっているボースンチェアが上下して上段の本を取ることができるライブラリーが特に素敵。 -
川の上、木の上、ビーチや道端など、そんなところに行ってまで本を読む?と言われそうなところに図書館がある。ほぼ利用者の信用の上で運用されていて、一冊借りたら代わりに一冊置いて帰るところもあれば、返さなくてよいところもある。日本ではまちライブラリーも普及してきたけれど、こんなに緩くない。どこに行っても手元に本があるって羨ましい。カンザス市の図書館の"まさに本棚"な外観は死ぬまでに一度見てみたいもの。
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世界には様々なかたちで本と人がつながることができるように、いろいろな図書館があるなあ。でも、一番興味深いのはやはり個人の本棚、かな。