ハマれないまま、生きてます こどもとおとなのあいだ (あいだで考える)

  • 創元社 (2024年5月17日発売)
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本 ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784422360171

作品紹介・あらすじ

シリーズ「あいだで考える」

不確かな時代を共に生きていくために必要な
「自ら考える力」
「他者と対話する力」
「遠い世界を想像する力」
を養う多様な視点を提供する、
10代以上すべての人のための人文書のシリーズ。



「『大人になる』ってどういうこと?」「私、何歳になっても『大人になった』気がしない」──いま、子どもと大人の境界はますます曖昧になっている。本書では、子どもにも大人にもハマれないまま生きてきた著者が、自らの内なる「子どもと大人のあいだ」を見つめ、そこにうごめく性と暴力、死への衝動や生きることへのあがきを正直に、時に飄々と描く。そして幼少時から周囲の求める「○○らしさ」と闘い、やがてフェミニズムとキリスト教に出会い、言葉と思想を獲得してきたプロセスを語りだす。子ども/大人の二分法を超えて、「ひと」のありようを問う1冊。(装画:ミロコマチコ)

感想・レビュー・書評

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  •  創元社の「あいだで考える」という叢書の1冊。
     栗田隆子さんという著者ははじめて。こどもとおとなのあいだで、うまくハマれない50年の人生。
     そうですよねと頷きながら読み終えました。そうなんですよね、家族も仕事もそれなりに、うまくハマって生きてきたのですが、こころのどこかに、栗田さんにうなづく屈託があって、70歳を越えました。創元社、がんばれ!
     https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202506300000/

  • [特設サイト]シリーズ「あいだで考える」 - 創元社
    https://www.sogensha.co.jp/special/aidadekangaeru/

    栗田隆子さんインタビュー① 運動内の分断あれこれ - Don't overlook harassment at university(2023年2月8日)
    http://dontoverlookharassment.tokyo/2023/02/08/kurita1/

    栗田隆子「『働けない』をとことん考えてみた。」 | ウェブ平凡 web heibon
    https://webheibon.jp/hatarakenai

    【シリーズ「あいだで考える」】栗田隆子『ハマれないまま、生きてます――こどもとおとなのあいだ』の「はじめに」を公開します|創元社note部
    https://note.com/sogensha/n/nf05a3fc09679

    栗田 隆子(@ryukokurita) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/ryukokurita/

    書籍詳細 - ハマれないまま、生きてます - 創元社
    https://www.sogensha.co.jp/productlist/detail?id=4765
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    (yamanedoさん)本の やまね洞から

  • 「否定が自分の中に食い込むと、自分の行動を改めるよりも自分自身を消してしまおうとしてしまう。」

    心当たりがありすぎて頭を抱えてしまった。

    このままでいいとは思えないけど自分が変われると思えない、それならいっそ、と思ってしまう気持ちはとてもわかる。

  • 久々にここまであからさまに偏っている人の本を読んだ。やはりフェニミズムは反社会性と結びつきやすい構造である。なぜなら今の常識を疑うことが出発点だから。
    だけど、それが新鮮であり気付かされるところもあった。人生は自分の歩き方、泳ぎ方を見つけることであり、らしさにハマることではないと教えてもらった。
    常識から外れることは生きにくいことでありハマりにくいことであるが…。
    振り幅によるけど、そんなスタンスは生きて行く上では必要なチカラなのかもしれない。

  • 大好きなシリーズ。
    筆者の幼少期からの「ハマれない」体験や、その当時の心をつまびやかに記しています。ここまで曝け出していいのかと思うとともに、曝け出されている危うい感覚とか思いとかが、ふたをしてみないようにしている自分の奥底にもいるんじゃないかな?という何だかヒヤヒヤするような、新鮮な気持ちを覚えました。
    考え方やここまでの人生がわたしのそれとは大きく違う方のお話だからこそ、想像力を少し広げてくれる良い読書になったなと思います。ここまでことばにするのって、かなり体力も心もけずったんじゃないかなぁ。

  • タイトルだけ見て、「なにか(だれか)を推すということが馴染む人と馴染まない人の違いを考察」みたいな内容かと思って読み始めたため、全然違ってびっくりした。(副題にちゃんと書いてありました。装丁が素敵すぎてよく見てませんでした)

    著者の半生の生きづらさを考察した内容で、雨宮処凛さんの著書と通うものを感じる。

    キャリアを積まず、一人での生活を大事に満足して送る女性の生き方を前向きに捉える作品が届くことで、社会で息がしやすくなる人が大勢いると思った。

    「あいだで考える」シリーズ、もっと読んでみたいです。

  • 何つーか、赤裸々な本だった。初読みの作家さん。16歳の時の自殺未遂から始まり、子どもの時期も周りから浮いているというか、まさにはまっていないと感じ、大人になってもその感じはあると。感受性豊かというか、時代に巻き込まれず違和感をちゃんとキャッチできていたなんてそういうセンスのある人なんだろう。世代が近いから登校拒否や結婚がよしとされてた時代のこともよく分かる。まさに非正規雇用で暮らしてるし。女が未婚のまま生きていられるなんて、私はほんとにいい時代に生まれたよ。

  • 全編を通して、何となく生きづらさを抱えている筆者の気持ちが伝わってきた。
    若い頃、悩みや不安に対する占いやおまじないコーナーのある雑誌を読んで、不安・悩みが存在感していることそのものが救いだった、という。分かる気がする。とかく若い頃はこんなに悩んで不安なのは自分だけなのではないか、異常なのではないかと思いがちなところが私自身を振り返ってもあると思う。でも、自身以外の人も悩み・不安があるんだ、と知るのは確かに救いになりえる。

    自殺未遂が自分の気持ちを表現できた最初のことだったという。言葉にできないから行為で表す。そうするしかなかった著者の生きづらさを感じた。感情を言葉にできることは、当たり前ではなく実はすごいことなのかも知れないと思わされた。

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著者プロフィール

1973年生まれ。大阪大学大学院で哲学を学び、シモーヌ・ヴェイユを研究。その後、非常勤職や派遣社員などのかたわら、女性の貧困問題や労働問題を中心に新聞・雑誌等で発言。
2007年から雑誌『フリーターズフリー』を編集委員の一員として3号まで出版。
2008年、「女性と貧困ネットワーク」呼びかけ人となる。2014年~2017年、「働く女性の全国センター(ACW2)」代表。
共著に『1995年――未了の問題圏』(大月書店、2008年)、『フェミニズムはだれのもの?――フリーターズフリー対談集』(人文書院、2010年)、『高学歴女子の貧困――女子は学歴で「幸せ」になれるか?』(光文社新書、2014年)。

「2019年 『ぼそぼそ声のフェミニズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

栗田隆子の作品

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