不思議で美しい石の図鑑

著者 :
  • 創元社
4.07
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本棚登録 : 347
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422440019

作品紹介・あらすじ

華麗なる瑪瑙やジャスパー、妖艶な模様石、風景を宿す石や化石・隕石など、自然の奇蹟が堪能できる、スーパー・ビジュアル図鑑。世界的瑪瑙コレクターとして知られる著者秘蔵の名品約380点を一挙公開。

感想・レビュー・書評

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  • 瑪瑙、ジャスパー中心の著者の石コレクション。
    石に秘められた美しさは、宝石とは異なる魅力がある。
    採集した石を切って磨く。
    すると、そのごつごつした石から想像もつかない世界が出現!
    まさしく「不思議で美しい石」なのです。
    流線型、縞模様、重なる円、小さな鍾乳洞、風景、雷光・・・。
    人の想像力を超える、自然の偶然によって生まれた模様と色彩。
    恐竜の糞や化石も、珪化した姿は実に美しい。
    そんな美しく幻想的な石たちを目で愛で、楽しみました(^^♪

  • 図鑑を眺めるのが好きな子供でした。珍しい貝や石の標本に見入ったり、絶滅した氷河期の動物に思いを馳せたり…我が家にはアンモナイトの化石入りの石板のテーブルが今もあります。

    こちらは図書館でパラパラと流し読みした程度ですが、大小の丸い粒や複雑な曲線で構成された断面は、医学書で見た臓器の断面写真に酷似していて驚きます。

    縞瑪瑙はさながら腫瘍のある患部のようですし、インクルージョンのある瑪瑙は脳のスライド、オーシャン・ジャスパーは細胞の組織写真…セブタリアン・ノジュールの写真なんてドクターから「これがあなたの…」と取り出された時点で死を覚悟するような禍々しさ。グロテスクです…

    美しいと感じたのはセラフィナイト、ラブラドライト、また風景画のように層をなした瑪瑙(風景石)

    小学生のころ読んだ「石の花」に出てくる孔雀石(マラカイト)は想像したより不気味、菱マンガン鉱(インカローズ)はチークにしたいような紅色。
    9割が瑪瑙(ジャスパー)の写真だったので他の石も見たいなー。

  • 図書館で拝見し、載っていた写真のひとつに一目惚れしたため購入しました。
    重厚でまさに図鑑といった趣です。
    めくるだけでわくわくとした気分になってきます。
    中身としては全体的に瑪瑙が多く、たくさんの鉱物を見たい!という方にはあまり向かないかなといった印象です。
    写真が多く大ぶりで綺麗なので、図鑑としては十分楽しめると思います。

  • <めくるめく色彩と造形の煌めき>

    『不思議で美しい石の図鑑』というタイトルだが、石を網羅的に分類して整理した本ではない。
    登場する石の大半は、瑪瑙やジャスパーと呼ばれるもので、鉱物学的には「不純物を含んだ多く含んだ石英」で一括りにされ、宝石にも分類されないものである。
    その意味で、石について鉱物学的にまとめた、総覧的・学術的な図鑑ではない。ある種の「不思議で美しい石」を集めた、1つの魅惑的な世界への水先案内人となる本である。

    瑪瑙は、宝石の下のグレードである貴石より低い、「半貴石」というランクに属する。石英中の酸化鉄などの微量成分が熱の作用などでさまざまな色や模様を生み出す。多様な色彩が層上に織りなす形と色のハーモニーは息を呑むほど美しく、見つめるほどに吸い込まれるような奥深い世界が広がっている。
    一見、何の変哲もないような石の内側に、秘められた美が眠っていることもある。

    産地ごとに、特徴的な模様があることもあり、そうしたものは地名を冠した名称が付けられる。
    古代には、その不思議な美しさから、護符として使われていたこともあるという。

    本書の中で、最も目を惹く1つは、まるで森や山河などの風景を写し取ったような風景石(パエジナ・ストーン)だろう。
    17世紀には、こうした石が数多く蒐集され、珍奇なもので飾り立てた「好奇心のキャビネット」(「驚異の部屋」(ヴンダーカンマー)の家具バージョン)にも使われたりもしたという。
    風景石にはまた別の展開もあって、フラクタル理論から、実際の樹木と風景石の樹状構造の共通点が論じらてもいるそうだ。これは、『かたち』http://booklog.jp/users/ponkichi22/archives/1/4152092408の主題にもつながっていく話なのかもしれない。眩暈がするようだが、本当に理論的に証明されていくのであれば非常に興味深い。

    著者の本業は書籍の装幀であるそうだが、瑪瑙の世界的コレクターとしても名を馳せているという。子どもの頃はまったく石に興味などなかったが、長じて、瑪瑙や風景石の画像に強く惹かれたのだという。美術的な観点から石の世界に引き込まれたのであり、鉱物学は最近学び始めたのだそうだ。
    しかし本書中の解説は十分におもしろく(おそらくは鉱物学の専門家が書いたのではないために余計親しみやすくもあり)、石の画像と併せて不思議な世界へと誘ってくれる。
    収録された写真の石は、ほとんどが著者のコレクションであるというのもすごい。

    石の写真には番号が振られており、巻末に産地等のまとめがある。語句の索引もあり、「図鑑」としても工夫が感じられる好著である。


    *あとがきの最後の一文が洒落ている。

    *小型犬、チワワの産出地として知られるメキシコ・チワワ州は縞瑪瑙の一大産地でもあるのだそうだ。

    *中学の時、美術で、曲線を等高線のように密に描き込んで美しい模様を作ろう、みたいなお題があったんだよなぁ・・・。ラインアートとでも言えばいいのか。瑪瑙の縞を見ていたら思い出した。

    • usalexさん
      著者の本業にもご注目!
      この本の著者が装丁した本の中には、私のお気に入りも多数あります!?
      著者の本業にもご注目!
      この本の著者が装丁した本の中には、私のお気に入りも多数あります!?
      2012/05/08
    • ぽんきちさん
      usalexさん
      コメントありがとうございます(^^)。
      おお。そうなのですか。それは見たい!と検索してみたのですが、著者・訳者等に比べ...
      usalexさん
      コメントありがとうございます(^^)。
      おお。そうなのですか。それは見たい!と検索してみたのですが、著者・訳者等に比べて、装幀者って検索で知るのが難しいですね。本業がまとめて一覧になっているサイトには行き着けませんでした。

      *山田英春さんご本人のサイトには辿り着いたのですが、本業よりも石のことについてが多く(^^;)、ほんとにお好きなんですねぇ。

      アマゾン等で何冊かは見たのですが、よろしければお時間のあるときに、お気に入りのものをご教示下さい。
      2012/05/08
  • 石の断面図の写真がたくさん載った図鑑。
    美しいものや、絵画のようなものも。
    石は芸術品だった。

  • サイエンス
    写真

  • <閲覧スタッフより>
    豹柄の石。水墨画のように見える石。花のように見える石。海の底の景色みたいに見える石。何に見えますか?
    --------------------------------------
    所在記号:459.038||ヤマ
    資料番号:10239765
    --------------------------------------

  • 石の断面があんなに綺麗だなんて思いませんでした。
    それも、なめらかな曲線だけじゃなく
    一閃のような亀裂や水面のような円の重なりなど
    石好きは見てて飽きない本です。
    写真、どれも素晴らしいです。

    どのようにジオードができたかも説明がついていて
    勉強にもなりました。

  • これが石なのか、と思うほどに美しい石の写真がたくさん載っている図鑑です。天然のものとは思えないほどに鮮やかな極彩色のものから、石の中に絵画があるように見える模様まで多種多様で、必ず惹かれる石に出会えると思います。写真集ではなく図鑑を名乗っているだけあり、石に関する知識も充実していて満足できる一冊です。
    (建築学科 B3)

  • ほとんどが瑪瑙……。確かに綺麗だけど、期待はずれかな……。

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著者プロフィール

山田 英春(やまだ・ひではる):1962年東京生まれ。国際基督教大学卒。ブックデザイナー。古代遺跡・先史時代の壁画の撮影を続けている。石の蒐集家でもある。著書に『巨石──イギリス・アイルランドの古代を歩く』(早川書房)、『不思議で美しい石の図鑑』(創元社)、『石の卵──たくさんのふしぎ傑作集』(福音館書店)、『インサイド・ザ・ストーン』(創元社)、『奇妙で美しい石の世界』(ちくま新書)、『風景の石パエジナ』(創元社)、編書に『美しいアンティーク鉱物画の本』(創元社)、『奇岩の世界』(創元社)などがある。

「2023年 『ストーンヘンジ 巨石文化の歴史と謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山田英春の作品

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