西洋名画の読み方 (4)

  • 創元社 (2013年9月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784422700298

感想・レビュー・書評

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  • 見たことがなかった絵画を何枚も見せてもらえるのが素晴らしい。
    最初のファブリアーノの煌びやかで豪華な装飾的な聖堂のための絵は、15世紀前半においても国際ゴシック様式(モナコ様式?)を示している。マザッチオやマゾリーノでは、線遠近法がぎらぎらだけどね。フィリッポ・リッピもそう。
    ピエロ・デラ・フランチェスカは、金色を背景にしたり、さわやかであるが華やかな色彩を使っているので国際ゴシック様式を受け継いでいるが、グリッド(方眼)による遠近法も用いている。これらは画家自身の信仰心のなせる業だったが、依頼者にはそうではなかったようだ。
    コズメ・トゥーラやフランチェスカ・デル・コッサ、ヴィット・カルパッチョ、メロッツォ・ダ・フォルリらのイラスト的な細かさは結構好き。
    アントニオ・ポライウォーロの線描の繊細さもいいね。
    多翼祭壇画の詩人と言われたカルロ・クリヴェッリの「蠟燭の聖母」が取り上げられているのは嬉しい。ヴェネト地方生まれ、パドヴァに移り、最後はマルケ地方で活動した。遠近法の法則を知っていたにもかかわらず、地方の顧客の好みに合わせて金地を使った装飾的な伝統的技法によって、豪華な祭壇画を描いた。
    16世紀のソフォニスバ・アングイッソラ「チェスゲーム」のやけに人物の近代的な表情が目を惹く。クレモナ生まれで、フェリペ2世の王女に絵を教えたそうだ。人気の女流肖像画家だったとか!

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著者プロフィール

1951年、兵庫県生まれ。京都大学卒。出版社勤務のあとフリーとなり、企画・執筆・翻訳を手がける。霊能力と超能力の研究には20年の実績がある。著書に『関西ミュージアムショップ』『西洋名画の読み方』など。

「2021年 『お稲荷さんと霊能者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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