「盗まれた世界の名画」美術館

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422700366

作品紹介・あらすじ

美術と犯罪-美術裏面史。美術品盗難による被害額は地下経済において痲薬・武器輸出に次いで第3位である。今も多くの名品が世界中から消えている。美術界の知られざる世界を描く驚愕のレポート。

感想・レビュー・書評

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  • 盗まれた名画ばかりを収めた一風変わった美術書。
    ムンクの「叫び」とかゴッホの「スヘフェニンゲンの海の眺め」など多くの名画が盗まれていることに驚く。

    いくら大金を積んでも手に入れようとするコレクター。美術品を盗んで売りさばき大金を手に入れようとする輩。留まるところを知らない人間の欲望とニーズのあるところにビジネスありということだろう。
    今や地下経済では、麻薬、武器輸出についで絵画など美術品の盗品売買が被害額で第3位である。今後、国際的に協調して解決していかなければならない問題だと思う。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 最近では美術作品をテーマにした映画がたまにちらほらと登場する。ドイツ映画の「カスケーダー」などはほとんどマイナーで知られていないが戦時中にドイツがロシアから奪い去った琥珀の間が題材で、最近ではジョージ・クルーニーの「ミケランジェロ・プロジェクト」で戦時中の美術品の攻防を描いたり、ヘレン・ミレンの「黄金のアデーレ」ではクリムトのアデーレの肖像の攻防を描いた作品などがある。

    「盗まれた世界の名画」美術館

    20年前に美術品の盗品に興味を持ち始めてから多くの書籍に手を出してきたが本作は秀逸と言っていいと思う。読んでは検索の繰り返しになってしまうのだが、その時間のかけ具合がたまらなく面白い!ヒトラーが自分の趣向で保存と廃棄を選択していたが、それを多く観ているとその好き嫌いも少しではあるが理解できるような気がします。

  • 閲覧室 707.9||Hou 「芸術」

  • 名画を盗むのは泥棒だけではない。
    侵略、戦争、冒険・・・その他、諸々の事情。
    それを再認識させられた本です。
    返却を求める声、またしても行方不明になってしまったもの・・・そして、
    盗んだ人間が絵の保存を知らなかったらどうなるのか。
    “盗まれた”名画に絞っても、こんなに多様な物語があるのか。
    そして、巻末の行方不明の名画の数々。
    なかなか深い内容で読み応えがありました。

  • 美術と犯罪―美術裏面史。
    美術品盗難による被害額は地下経済において痲薬・武器輸出に次いで第3位である。
    今も多くの名品が世界中から消えている。
    美術界の知られざる世界を描く驚愕のレポート。

  • 資料ID: W0164087
    請求記号: 706.7||H 96
    配架場所: 本館1F電動書架C

  • それ唯一しかない絵画や彫刻作品を盗んだとして、どうやって売却して「現金」に換えるのだろうか?
    もし仮に僕が、ルーブルから一点絵を盗んだとして、それを換金できるとは思えない。なぜなら、僕が、どこかのギャラリーに持ち込んだとしても一点しかないんだから、僕が犯人だってすぐにバレてお縄やん! みたいな。

    もちろん、「この絵が魅力的すぎて所有したくてたまらない....」という美しい理由のケースもあるのはあるみたいだけど、(日本でも弥勒菩薩の指をつい「美しすぎて」折っちゃった学生の事件とか昔あったような。金閣寺的な)
    基本的に金の為に美術品強盗という事件は存在してるわけ。

    その答えがこの本には書いてあるような書いてないような....

    まずなんとなく分かったのは、「学芸員が把握できない程、絵というものは数限りなく存在する」という事。一般人は、有名な絵しか知らないけど、一人の画家は何千点と絵を描いてるわけで、有名じゃなくても何千万ドルの価値があったり、そこまで著名じゃない画家の作品でも何百万ドルの価値があったり。

    そしてだからこそ、古い歴史を持つ大きな美術館は、展示されている作品以外にも地下の倉庫に大量の絵があってその目録が完璧というわけではないという話がすごい。だからなかなか「盗まれている事自体に気づかない」ケースがあったり。

    ...で、素人考えでは「闇ルート」に流れているんだろうなぁと思ってたケド冷静に考えて、「盗品と分かりきってるもの」を(どんな裏の人間でも)買うのだろうか? という疑問。それが、「美術品窃盗事件」は報道されていないだけで多く発生している。という事実。だから著者はメディアに盗品の存在を流す重要性を説いている。(つまり、「モナリザ」は盗まれたから有名なったのか、有名だから盗まれたのかなんともだけど、今、モナリザを盗んだら確実にどんな闇ルートでも売れないのは明白)

    また、ギャングのボスが「自分の寝室のマネの絵を飾りたい」という意味で、盗品の絵画を買うのだろうか? という疑問。そういったケースもあるみたいだけど、「裏取引(麻薬とか)の担保」として絵画が扱われることが多いらしい。でも、これも、いざというときにキャッシュにできる保障があるからこそ成り立つ話の様な気がするけどなー....

    まぁ、ヨーロッパの豪邸、ってか城を僕みたいな日本人が想像すると、いろいろ基本的な概念が違う部分があるのだろうとも思った。(つまり西洋の「壁に絵を飾る」という文化的な素養ともちろん「飾る壁がある」という根底の問題とかも)(個人所有に関する意識の違い)
    だからこそ存在する犯罪なのかも。

    あと、この訳者の訳、下手過ぎじゃないかなー 分かりにくい!

  • 面白かったけど、翻訳が読みづらい。
    こんなにもたくさん絵が盗まれているなんて、知らなかった。
    一人で大切に見ているならまだましだけど、ちゃんと保管してなくて駄目になっていたら絵が可愛そうだ。

  • 私にとって大切なものが他の人にとっても大切であるなど有り得べくもないことだ。でも、そうであれば良いと思ってしまう。
    違法な手段を使ってでも手に入れたいコレクター、闇取引、戦争による略奪。失われたものは戻らない。だから、傷付くことなく、どこかで、在り続けていてくれたら、と思う。それでも、時の流れそれ自体が作品を劣化させてしまう。だからこその保管・管理なのだけれど、たとえそれが望めなくても、無事を願わずにはいられない。
    作品はやはり、魂だと思う。作者のいくらかの魂は、その作品の中に入り込んでいると思うのだ。だからそれは世界に一つしか存在しない。そしてある時その作品に向き合った者が、その魂に惹かれる。それが作品との出会いだ。時間も場所も越えた出会いがそこにはあり、それは市場価値を越えたところにあり、だから、無事を願わずにはいられない。

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