翻訳できない世界のことば

制作 : 前田 まゆみ 
  • 創元社
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本棚登録 : 2363
レビュー : 245
  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422701042

感想・レビュー・書評

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  • この本は「その感覚はわかる!」だけど、英語に翻訳するのはちょっと難しい
    という世界の言葉を集めて、ナイスなイラストと一緒に紹介している本です。
    装丁も選ばれている言葉もイラストもいい感じなのでプレゼント用の書籍としてもいいかもです。
    この本の中で私が面白いなぁと感じたいくつかの「世界の言葉」を以下に引用します。

    SAMAR サマル アラビア語
    日が暮れた後、遅くまで夜更かしして、友達と過ごすこと
    GEZELLIG ヘゼリヒ オランダ語
    単に居心地良いだけでなく、ポジティブであたたかい感情。物理的に快いという以上の『心』が快い感覚。愛するひとと共に時を過ごすような。
    MERAKI メラキ ギリシャ語
    料理など、何かに自分の魂と愛情をめいっぱい注いでいる。
    KILIG キリグ タガログ語
    おなかの中に蝶が舞っている気分。たいていロマンチックなことや、素敵なことが起きた時に感じる
    JUGAAD ジュガール ヒンディー語
    最低限の道具や材料で、とにかくどうにかして、問題を解決すること
    HIRAEYTH ヒラエス ウェールズ語
    帰ることができない場所への郷愁と哀切の気持ち。過去に失った場所や、永遠に存在しない場所に対しても
    KOMOREBI コモレビ 日本語
    木々の葉のすきまから射す光。
    UBUNTU ウブントゥ ズールー語
    本来は「あなたの中にわたしの価値を見出し、わたしの中にあなたはあなたの価値を見出す」という意味で、「人のやさしさ」を表す
    WABISABI ワビサビ 日本語
    生と死の自然のサイクルを受け入れ、不完全さの中にある美を見いだすこと
    AKIHI アキヒ ハワイ語
    誰かに道を教えてもらい、歩き始めた途端、教わったばかりの方向を忘れた時、「アキヒ」になった、と言う。
    IKTSUAPPOK イクトゥアルポク イヌイット語
    誰か来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること
    WALDEINSSAMKEIT ヴァルトアインザームカイト ドイツ語
    森の中で一人、自然と交流するときのゆったりした孤独感。
    KALPA カルパ サンスクリット語
    宇宙的なスケールで、時が過ぎていくこと。

    ジュガールとウブントゥが特に気に入りました。
    2017/10/22 11:16

  • 翻訳できない、は上手く1対1に出来ない、くらいの意味です。
    で、元が英語圏なので、そういう事を言い表す適当な語・言い回しが英語にない、という感じですね。
    例えば、ヤガン語「マミラピンアタパイ」は「同じことを望んだり考えたりしている2人の間で、何も言わずにお互い了解していること。(2人とも、言葉にしたいと思っていない)」なのですが、日本語だと「以心伝心」とか「暗黙の了解」という奴なのでは……とか思いました。
    日本語からは「ボケっと」「積ん読」「木漏れ日」「わびさび」がチョイスされていました。積ん読(≧∇≦)

    これ、ラジオとかで5分間番組とかにできそう……
    そしてその方が元の言葉が脳に残りそう。

    訳者・日本語描き文字 / 前田 まゆみ
    デザイン / 近藤 聡、中野 真希(明後日デザイン制作所)

  • 他の言語で言い表せない各国の興味深い単語を取り上げて、絵とちょっとした文章で説明している「絵本」。

    数ページ読んだときには、「もう少し具体的に、他の言語とはどう違うのかとか、用例とか、そういうのがあったほうがいいのに」なんて思ったんですが、ページをめくっていくうちに、あぁ、これは、読んだ人が頭のなかでいろいろな想像を巡らせるためにちょうどいい分量なのかも?と思い始めました。

    そして、この本、一人で読むんじゃなくて、いろいろな国の人達と一緒に読みながら、その言葉について思いついたことを話し合ったりしたら楽しそうだな、とも思いました。

    例えば、ドイツ語の「Drachenfutter/ドラッヘンフッター」。直訳すると「龍のえさ」。でも、意味合いは、旦那さんが奥さんの機嫌を取るために贈るプレゼントなのだそうだ(笑)。
    日本でも、悪いことを隠すために奥さんにおみやげ買って帰るとかあるけど、それを一言で表す単語はないよね。それに、日本では、怒ってる奥さんを表すのは指でツノを作って表したりする。それって「鬼」ですよね。ドイツでは、怒ってる奥さんは「ドラゴン」で、日本では「鬼」。きっと、他の国では違うもので表しているんだろうなぁなんて想像すると面白い。発表しあったら、きっと盛り上がる(笑)。

    アラビア語の「グルファ」。片方の手のひらに乗せられるだけの水の量、という意味なのだそうだけど、なぜこんな単位が必要なのかと考えると興味深い。私達の生活より、ずっと水が大切なものなのかもしれないなぁ、とか考えさせられる。

    へー、と流してしまうようなページ(言葉)もあるけれど、じっくりと考えてみたい言葉もある。こんな言葉を集めることができた著者の方の感性は素敵ですよね。


    イラストレーターでもある著者さんが描いた絵もいい感じ。
    そして、その絵に添えてある日本語の手書き文字が、またステキ。訳者さんが描いたらしい。
    そして、はじめに、本文、あとがき、などで使われている手書き風のフォントがいい味です。このフォント、ほしいっ!

    図書館で借りてきて読んだのですが、この本は、自分で購入して、本棚に入れておいて、たまに取り出してめくりながらニヤニヤするのが正しい付き合い方だと思う。

  • 意思を伝える言葉。この成り立ちに民族差があり、そこに価値観文化に潜む底流の謎がある。日本語からは木漏れ日、ボケっと、侘び寂び、積ん読がエントリー。絶滅が懸念される民族の言語まで幅広く取り上げ、感性に訴えるイラストとともに、言葉で何を表現したいかの独自性、多様性に面白味を感じる。グローバルと対極にあるローカルを大切にしたいとの思いを抱かせる。

  • サウダージってそんな意味だったのね。歌の名前としか認識していなかった。

    「語れないほど幸福な恋に落ちている状態」を何度も経験するってどんな人生なんだろうな。何度も恋に落ちることはあっても、複数回経験するにはそれを終わらせないと行けないわけで、そうなると、幸福な恋とは言えない思い出になっちゃうんじゃないかなあと思うんだけど…。
    大人の世界は色々あるのかなあ。

  • 世界にはこんなに様々な言葉があるんだと思いました(^^)


    中でも気に入ったのは、

    ポロンクセマ(フィンランド語)
    トナカイが休憩なしで疲れず移動できる距離。

    カレル(トゥル語)
    肌についた締めつけるもののあと。

    この辺りは使えるタイミングが限られ過ぎている言葉な気がします(笑)


    あとは

    コンムオーベレ(イタリア語)
    涙ぐむような物語にふれたとき感動して胸が熱くなる。


    本好きにとって
    この言葉に当てはまるような本に出会えることは嬉しいことです(*^^*)

  • 翻訳できないことばをあえての翻訳。笑。
    イラストも可愛くて、眺めるように読む本。
    日本のことば「こもれび」。私も大好きなことば(^^)。

  • 書評で読んでずっと気になっていた本。
    本屋でたまたま面置きされているのを見て「連れて帰らねば…」と思って購入。
    期待通りのいい本だった…。
    作者の感性が素敵。
    日本語からは「木漏れ日」「ぼけっと」「侘び寂び」「積ん読」が引用されている。
    ハワイ語の「アキヒ」=「誰かに道を教えてもらい、歩き始めたとたん、教わったばかりの方向を忘れた時」はそれ分かる〜!!となった。
    作者の言う通り、人間は同じ素材でできている。故に感じることもみんなどこか似ていて、そういう悲しみ、喜び、切なさ、美しさに震える心、その他諸々の言語化されていないものにある国のある文化では、注目し、名前を付ける。
    何に注目するかは培ってきた文化によってそれぞれ違う。
    言語や文化の多様性と受容性。それらを優しいまなざしで描いた本だと思う。

  • 色んな国の言葉に精通していないと作れない本だし、それを訳した訳者もすごい。
    その国が何を重視しているのかが分かって面白い。

  • ハワイ語のakihiは、歩き始めたとたんに教えてもらった道を忘れてしまったことを表現する言葉。この様な、他の国の言葉に訳すのが難しい単語が52語、イラストと共に紹介されています。
    日本語からは「ボケっと」など4語収録。
    それぞれの言葉から、その国の文化が感じられます。(日高門別)

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著者プロフィール

エラ・フランシス・サンダース(Ella Frances Sanders)

必然としてライターになり、偶然イラストレーターになった。現在はイギリスのバースに住んでいる。彼女の最初の本"Lost in Translation: An Illustrated Compendium of Untranslatable Words from Around the World"(邦題:翻訳できない世界のことば)はニューヨークタイムズのベストセラーになり、二作目の"The Illustrated Book of Sayings: Curious Expressions from Around the World"(邦題:誰も知らない世界のことわざ)とともに、8カ国語に翻訳されている。ホームページ:ellafrancessanders.com そのほかのソーシャルメディアにも出没。

「2019年 『ことばにできない宇宙のふしぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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