翻訳できない世界のことば

制作 : 前田 まゆみ 
  • 創元社
4.05
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本棚登録 : 2392
レビュー : 248
  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422701042

感想・レビュー・書評

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  • 読んでいてとても楽しい、魅力的な本。
    イラストレーターでもある著者が若い女性のせいか、どちらかと言うと
    情感豊かな言葉に偏った気もするが、それでも楽しい。
    翻訳できない言葉の奥に、その国の歴史や文化が垣間見えてくるし、
    その言葉を使う人々の暮らしに想像を巡らすという楽しみもある。
    その上、手描きの文字とイラストが暖色系で可愛らしい。
    イヌイットの棲み処である「イグルー」も、この著者の手にかかると妙に可愛い。

    日本語からは【木漏れ日】【ボケっと】【侘び寂び】【積読】がチョイスされ、
    その説明には舌を巻いた。
    いやぁ、侘び寂びをこんな風に解釈したことがなかったな。
    【生と死の自然のサイクルを受け入れ、不完全さの中にある美を見出すこと】
    ですと。・・しかも、読むとそんな気になってくるし・(笑)

    ブラジルには【愛する人の髪にそっと指を通すしぐさ】を名付ける【カフネ】と
    いう名詞があるという。なんと官能的な!ああ、クラクラしてくる。
    アルコール好きな国民が目に浮かぶ、【ウィスキーを一口飲む前に、上唇に感じる
    妙なムズムズする感じ】を表す【スグリーブ】というゲール語もあるのが笑える。
    同じく笑ったものは、マレー語の【ピサンサブラ】。
    これは、バナナを食べる時の所要時間であるらしい。大体2分だと言う。
    アラビア語の【グルファ】は【片方の手のひらに乗せられるだけの水の量】だと
    言うから、灼熱の地でその貴重な水で喉を潤す人が見えてきそうだ。

    傍らに置いてつれづれにページを開き、開いたところを読んで何度も楽しめる。
    イラストの日本語の文字に誤字が多いのが玉にキズ。
    言葉を扱った本なのだから、もう少し丁寧な編集が欲しかった。。

    それでも素敵な一冊だから、友人の誕生日プレゼントにしようかと考え中だ。
    最初と最後に寄せられた著者からのメッセージも、慎ましくてとても素敵。

    • nejidonさん
      けいたんさん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます!

      そうなのです、表紙も素敵なのですが中身も素敵なのですよ。
      難し...
      けいたんさん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます!

      そうなのです、表紙も素敵なのですが中身も素敵なのですよ。
      難しさは感じません。そこはご安心くださいませ。
      ストーリーはないので、開いた場所から読んで楽しめます。
      著者による説明文がとても詩的です。翻訳が良いのかな。
      イラストも可愛いですよ。その意味では女性向けかもしれませんね。
      ぜひぜひけいたんさんにもおすすめです!
      2017/05/18
    • アセロラさん
      こんにちは♪
      「積読」がどう表現されているのかが気になります(笑)同じような事をしている読書家は古今東西いると思うのですが(笑)

      「...
      こんにちは♪
      「積読」がどう表現されているのかが気になります(笑)同じような事をしている読書家は古今東西いると思うのですが(笑)

      「ピサンサブラ」はバナナを食べる時の所要時間!
      こういう概念はネイティブじゃないと難しいでしょうね~。
      でも、だからこそ、興味深い。
      日本で言うと、カップラーメンの出来上がる時間やウルトラマンが地球にいられる時間=3分。というところでしょうか。
      こういう常識も、別に学校で習った訳では無いのに、気が付けば普通に常識として備わっていて、たいていの人とは話が通じるのですから不思議ですね。
      2017/05/21
    • nejidonさん
      アセロラさん、こんにちは♪ コメントありがとうございます!
      たくさんのお気に入りをくださって、ご近所でしたらお礼に何か差し上げたいくらいで...
      アセロラさん、こんにちは♪ コメントありがとうございます!
      たくさんのお気に入りをくださって、ご近所でしたらお礼に何か差し上げたいくらいです(笑)

      「積読」という言葉のチョイスが意外で楽しいですよね。
      日本以外には無いということも面白さ倍増です。
      『買ってきた本を、他のまだ読んでいない本と一緒に読まずに積んでおくこと」だそうです。
      そうそう、こういうこと世界中の本好きさんがやっていそうです!
      「ピサンサブラ」もそうですが、その国の暮らしぶりが見えて来そうで、そこが楽しいのです。
      果たして「積読」で、他国のひとたちはどんな日本を想像したことやら、です。
      もともとはネット記事だったものが大人気となり、書籍化されたそうですよ。
      世界中に素敵な言葉がたくさんあり、それを味わうことが出来る一冊です。
      機会がありましたら、ぜひアセロラさんも手に取ってみてくださいませ。
      2017/05/23
  • ブクログでフォローさせてもらってる方の本棚にあり、素敵なレビューに心惹かれ、読んでみました(^^)

    目次一覧をみたら、知らない国のことばがたくさん!
    タガログ語?ヤガン語?イディッシュ語 (?_?)???
    どこの国の言葉だろう、と一気に胸が躍ります。
    イラストも可愛くて、ページをめくるウキウキがとまりません(笑)。

    ああ、この言葉がいう感覚、わかる!使ってみたい(*^^*)と思えるものも。
    中には、「この言葉はどういう状況で使うんだろ?」と思うものもありました。
    例えばマレー語の『ピサンサブラ』。
    バナナを食べる時の所要時間を意味しています。
    「君のピサンサブラはどれくらいかかるんだい?」
    「今日は忙しいから30秒くらいかな!」
    みたいな会話で使うのかな?とか妄想していたら、大体みんな2分なんだそうです。
    ああ、浅はかな私の妄想…。
    未だにどういう状況で使うのか謎のままですが、現地の人にとってはこのバナナを食べる時の所要時間は大事なもので、それを他者と共通認識として持っておくために言語として残したんだ、ということはわかります。
    この本を読んで、住野よるさん『また、同じ夢を見ていた』の一説が頭に浮かんだんです。
    「みんな違う、でもみんな同じ」。
    日本語から紹介されている「ぼけっと」も、きっとどこかの国の人にとっては「?」という感覚でしょう。
    特に何も「してない」のに、ぼけっと「する」って確かに表現として不思議かも。
    でも「ぼけっと」する時間を大切にしている人の気持ちはわかってもらえるのだと思います。

    言葉は便利です。でも時に、人を傷つける道具にもなってしまいます。
    自分の感情を表す言葉を知らず、自分を、自分をとりまく周囲の人をも悩ませることもあるかもしれません。
    でも、それでも言葉によって救われるのだと思います。読書をしていてそう思います。
    言葉を知っていることが、自分を助けてくれる。相手との橋渡しをしてくれる。

    著者の冒頭のメッセージが素敵で、何度も繰り返し読みました。
    本当にいい本だなぁ。
    まさに、「コンムオーベレ」!(*^^*)

    • nejidonさん
      tsukiyomi777さん、はじめまして♪
      いつもたくさんのポチを下さり、またフォローもしていただいてありがとうございます。
      この本を...
      tsukiyomi777さん、はじめまして♪
      いつもたくさんのポチを下さり、またフォローもしていただいてありがとうございます。
      この本をお読みいただけたのですね!
      ねー、面白いですよね。
      言語や習慣・文化のみでなく、もしや思考や皮膚感覚まで世界中違うのではと思いました。
      そしてやはり「ピサンサブラ」ですよね・笑

      続編も出て欲しいなぁと、秘かに思っておりますがtsukiyomi777さんはいかがですか?
      でも取材だけでも相当大変そうなので、著者さんは「ボケっと」する暇もないでしょうね。
      また面白い本に出会えましたらご紹介くださいませ。
      2018/03/13
    • tsukiyomi777さん
      nejidonさん、はじめまして!
      コメント、ありがとうございます(^^)
      こちらこそ、いつもたくさんポチを頂いて、ありがとうございます...
      nejidonさん、はじめまして!
      コメント、ありがとうございます(^^)
      こちらこそ、いつもたくさんポチを頂いて、ありがとうございます(^^)

      実は…(笑)
      昨日レビューを登録した時に、nejidonさんに「読みましたー!」とコメントしようかなと思ったのですが、いちいちこんなことで連絡差し上げて良いものなの!?ご迷惑では!? (^^; と二の足を踏んでしまっていました。
      なので、コメントを頂けてとても嬉しかったのです!!!

      nejidonさんのレビューは温かくて、読むとほっこりするんです。
      この本私も読んでみたいなぁと思ったり、こんな風な見方もできるのかぁと思ったり。
      ブクログ始めて良かったと思える瞬間です(*^^*)

      >『言語や習慣・文化のみでなく、もしや思考や皮膚感覚まで世界中違う』
      確かに!そうかもしれません…!
      何が同じで、何が違うのか、やはり言葉を交わしていかなければわからないことなのですね。
      世界の広さを感じさせてくれる本です。

      「ピサンサブラ」、やはり印象深いですよね!
      調べてみたら、マレーシアではバナナ栽培が世界で最も古くから行われていたそうです。
      大切にされてるんですね。
      いつか使用法をマスターして、日常生活で使ってみたいです(笑)

      私も!続編希望です(^^)
      著者あとがきにホームページ(http://ellafrancessanders.com/)と『質問も受け付け中』と書かれていていたのでラブレター出そうかな?と思ってのぞいてみたのですが、本に掲載されていない言葉&イラストがたくさん掲載されていたのです!
      英語で書いているのでトホホ…とイラストだけ眺めて終わったのですが(笑)、これは、続編期待できるのではないでしょうか(*^^*)

      Nejidonさんのレビュー、これからも楽しみにしています(*^^*)
      どうぞよろしくお願いいたします!
      2018/03/14
  • 偶然聞いていたラジオ。
    【翻訳できない 世界のことば】
    その書名の響きが心に残る。
    図書館で検索をかけたら、ありました!
    貸し出し中だったので、さっそく予約!

    書名だけを聞いたので、どんな本かわからぬまま手に。
    著者は20代の女性。イラストレーター。

    他国の人に説明するのは難しい日本語はたくさんある。
    考えてみると、日本語に限ったことではないよね。
    日本語に簡単に訳せない世界のことばはたくさん!

    この本に掲載された翻訳できない言葉は51。
    知らなかった言語も。

    翻訳できない日本語って何だろう…?
    想像しながら読んでみる。

    この本では4つ。
    『木漏れ日』
    『ボケっと』
    『詫び寂び』
    そして、そして、『積ん読』

    『詫び寂び』は、説明できないと聞くことがあるので、うん、うんと思いましたが、『積ん読』は思いもよらなかった!
    20代の著者ならではの気もする。

    2ページに1語とイラスト。
    楽しみながら読みました。

    この本のカテゴリは何だろう?と思いAmazonを見てみると、”外国語学習法”、”旅行会話集”でした。
    ちょっと無理やり???

  • <イタリアの動詞>涙ぐむような物語にふれたとき、感動して、胸が熱くなる。⇒commuovere コンムオーベレ  イタリア語はわからないけど、本を読んでこういう風な気持ちになるのは万国共通なのね。うれしいことばだと思った。

    日本語の紹介されている言葉は
    <komorebi>木漏れ日と、<TSUNDOKU>積読。
    「積読」!! ははは…おかっしいよ、この本。素敵すぎ。

  • 邦題より原題が素敵だ。

    「Lost in Translation」

     ソフィア・コッポラの監督デビュー作(だったと思う)の映画と同じタイトル。この映画でスカーレット・ヨハンソンを知ってファンになったんじゃなかったかな。そんなところでも好きな映画の一つ。
     外国人が日本で(というか異国で)暮らす中、言葉の通訳で意思の疎通が上手くいかないということをモチーフにして、人と人のコミュニケーションのすれ違い、言葉だけでなく、相手の気持ち、自分の気持ちを伝えあうことですら、送る側受ける側で、けっして同じニュアンスで伝わっていないことを揶揄しているストーリーだった(と理解している)。

     そんなことを思い出しながら、本書で紹介されている51の単語をひとつひとつ眺める。言語の種類は30種類ほど。その言語ではひと言で表現できるが、多言語ではそのニュアンスが伝わらない、あるいは多くの言葉を費やさないと正しく理解してもらえない単語が並ぶ。

     例えば、スウェーデンには「水面に映った道のように見える月明り」をひと言で表す単語(mangata/モンガータ)がある。あぁ、素敵だなぁと思う。なぜ、その言葉が出来たのだろうかと、北欧の長い夜に想いが飛んでいく。バルト海、ボスニア湾には穏やかに波が立ち、月明かりが美しい道を海面に描いているのだろう。
     そしてその思いを補うように味わいあるイラストがひとつひとつの言葉に添えてある。

     そういえばと、ロシアに語学留学した後輩が日々の課題に追われ、寝る間も惜しんでロシアの小説を読み込んでいるときに出てきた未見の動詞を辞書で引いた時、「小さな女の子がスカートの裾を摘まんで片足を後ろに引いて膝を少しまげて会釈すること」という意味と知った瞬間、「んな単語、一生使うかー!」と辞書を壁に投げつけたという話を思い出したりもした(笑)
    (残念ながらロシア語で紹介されているのは別の単語だった)

     そう、言葉は民族の文化、思想だ。
     仏の小説家アルフォンス・ドーデの「最後の授業」で主人公は「一つの国民が奴隷となっても、その国民が自分の言葉を持っている限りは牢獄の鍵をもっているのと同じなのです」と語る。
     そんな”鍵”の数々が、この本の中には素敵なイラストと共に、陳列されている。

     日本語は、何が載っているかと言うと、
    「木洩れ日」「ぼけっと」「侘び寂び」、うーん、ちょっと違うような、というか、もっと他にあるような気もする。もう一つが「積ん読」。これんなんか、「積んでおく⇒積んどく⇒積ん読」というダジャレから来ているというニュアンスが果たして著者である20代イラストレータのEllaは理解していたかな、とちょっと心配になる。
     彼女のサイトはこちら。
    http://www.untranslatablebooks.com/
     素敵なイラストで、それを見ただけでも本書は手に取りたくなる。

     ゆっくりゆっくりと時間のある時に、チラチラと読みながら、その言語を使う人たちが、どんな想いでその単語を生み出したのか、どんな環境にあれば、その状況、感情を、ひとつの言葉で言い表したくなるのだろうかと想像を膨らませたいと思う。

     commuovere(涙ぐむような物語にふれたとき感動して胸が熱くなる・Italian)というほどのことはないが、いろんなことを考えさせてくれる心が豊かになる良書だ。

    ※カテゴリは悩んだけど「詩集」が似合いそう。

  • 本書では世界各国の言語特有の、他言語に翻訳できない(りんご=appleのように1語対1語で訳せない)言葉を紹介している。

    「人間がものを考えるときは言語に頼らざるを得ない、言語で思考するのだ」といったことを何かで読んだことがある。言語は国や文化によって違う。ある人にとっては当たり前の感覚・概念を、他国の人は持っていなかったりする。でも、それを表す言葉を知っていれば、感覚・概念を共有することができる。言葉の奥深さを感じずにいられない。

    日本語の単語は「木漏れ日」、「ボケっと」、「侘び寂び」、「積ん読」の4単語があった。
    「侘び寂び」なんかは、日本人でもうまく説明するのが難しい。でも、言葉からイメージされるものがあって、多くの日本人はそれを共有している。言葉があるから、そのイメージを意識することができ、人と共有することができる。言葉を多く知ることは文化を知ることに繋がる。


    気に入ったものをいくつか書いてみる。
    どれも説明を読めば、「ああ、確かにそういう感覚あるな」と思う。でもその感覚を示す言葉を持っていないので、ふとした時に咄嗟に口に出すのは難しい。
    そうかと思えば、なんでこんな言葉が誕生したんだろうと思うようなニッチなシチュエーションのものもあって面白い。

    ・commuovere(イタリア語、動詞)
    →涙ぐむような物語に触れたとき、感動して胸が熱くなる。
     面白い本を読んだ時、こんな言葉で表現できたら素敵かもしれない。

    ・mangata(スウェーデン語、名詞)
    →水面に映った道のように見える月明かり。
     美しい夜の情景がイメージされる。

    ・pisanzapra(マレー語、名詞)
    →バナナを食べる時の所要時間。
     どんな状況で使うんだろう?

    ・hiraeth(ウェールズ語、名詞)
    →帰ることができない場所への郷愁と哀切の気持ち。過去に失った場所や、永遠に存在しない場所に対しても。

    ・tima(アイスランド語、動詞)
    →時間やお金があるのに、それを費やす気持ちの準備ができていない。

    ・kummerspeck(ドイツ語、名詞)
    →直訳すると「悲しいベーコン」。食べ過ぎが続いて太ること。
     「最近ストレスでkummerspeckだよ」とか使うのか?

    ・ubuntu(ズールー語、名詞)
    →本来は、「あなたの中に私は私の価値を見出し、私の中にあなたはあなたの価値を見出す」という意味で、「人の優しさ」を表す。
     Linuxディストリビューションの名前だと思っていた。こんな語源があったとは。
     
    ・resfeber(スウェーデン語、名詞)
    →旅に出る直前、不安と期待が入り混じって、絶え間なく胸がドキドキすること。
     遠足の前日みたいだ。

    ・drachenfutter(ドイツ語、名詞)
    →直訳すると「龍のえさ」。夫が悪い振る舞いを妻に許してもらうために贈るプレゼント。
     ドイツ人の夫たちの尻に敷かれぶりがイメージされて面白い。

    ・sgriob(ゲール語、名詞)
    →ウイスキーを一口飲む前に、上唇に感じる、妙なムズムズする感じ。
     ウイスキーを飲むことがないのでわからないけど、そういうもの?

    ・kabelsalat(ドイツ語、名詞)
    →直訳すると「ケーブル・サラダ」。めちゃめちゃにもつれたケーブルのこと。
     自分も日常で使えそうな気がする。

    --------------------------------------------------
    前に読んだ『甘えの構造』で、「甘え」という言葉は日本語特有のものだとあった。この言葉が日本人の精神構造に大きく影響を与えていて、日本人はそれを誇ってもいいとまで述べていた。
    「甘え」を英語に訳そうとするとどんな単語があるのか調べてみると、「depend on」、「rely on」、「spoil」、「sweet」、「optimistic」、「underestimate」、「easy」、etc…。多くの単語がある。「甘え」はこれらを一語で併せ持つ、奥深い言葉だ。外国人はこの感覚を持っていない。それと同じように、日本人も外国人の感覚を持っていない。

  • 私たちはいま、伝えることを急ぎすぎるのかもしれない。簡単に伝えられてしまうから。上っ面の言葉だけがどんどんと量産されてあふれて、大事な人を傷つけてしまう。本当に大事にしたい人には、ほんとうにゆっくりと時間をかけて、あなたが大切なんですよ、と伝えたい。

    さて本書は色鮮やかなイラストと短い言葉の翻訳がセットになっていて、一単語につき見開き2ページと、じっくり言葉を味わえるようになっている。

    それぞれがまるで絵はがきのようにすてき。一枚ずつちぎって大切な人に贈りたいくらい。素敵な本です。お家が素敵になること間違いなしのインテリア風の本。

    中身はユーモアたっぷりのあるある!と言ってしまうことから、ああーね、と遠い目になる哀愁系、その言葉いつ使うねんみたいなお国柄ものまで幅広く、心の辞書が豊かになります。

  • 「忘れかけていた何かを思い出すものであったり、または今まではっきりと表現したことのなかった考えや感情に言葉をあたえるものであれば」という始まり方をする本書は、世界の、「翻訳できない」言葉をとりあげるものだが、とりあげている言葉たちのなんと美しいことか。たまに面白いものもあるけど。
    読んでいて、「あー、これは」って昔を思い出したり、今の感情が表現できそうだったりすると楽しいけど、それこそトレップヴェルテルだったり。
    イラスト本で、コメントも相まって楽しくまとまってます。

  • 諸外国の言葉(含む日本語)で翻訳できない言葉を解説する一冊。

    大人向けの絵本のような感じで、日本語も“わびさび”や”木漏れ日”、“積ん読”など入っており、とても面白かった。

  • 忘れかけていたなにかを思いだすものであったり、または今まではっきりと表現したことのなかった考えや感情に言葉をあたえるものであれば、というコンセプト。
    ことばには限界があると同時に、限りない可能性が広がっている。
    いまの自分の気持ちはこれだと感じたり、くすっと笑ったり、その国らしさみたいなものを感じたりして楽しめる。

  • Waldeinsamkeit(ドイツ語)
    NAZ(ウルドゥー語)
    木漏れ日
    BOKETTO
    日本語も良い言葉があるなぁ〜

  • この本は「その感覚はわかる!」だけど、英語に翻訳するのはちょっと難しい
    という世界の言葉を集めて、ナイスなイラストと一緒に紹介している本です。
    装丁も選ばれている言葉もイラストもいい感じなのでプレゼント用の書籍としてもいいかもです。
    この本の中で私が面白いなぁと感じたいくつかの「世界の言葉」を以下に引用します。

    SAMAR サマル アラビア語
    日が暮れた後、遅くまで夜更かしして、友達と過ごすこと
    GEZELLIG ヘゼリヒ オランダ語
    単に居心地良いだけでなく、ポジティブであたたかい感情。物理的に快いという以上の『心』が快い感覚。愛するひとと共に時を過ごすような。
    MERAKI メラキ ギリシャ語
    料理など、何かに自分の魂と愛情をめいっぱい注いでいる。
    KILIG キリグ タガログ語
    おなかの中に蝶が舞っている気分。たいていロマンチックなことや、素敵なことが起きた時に感じる
    JUGAAD ジュガール ヒンディー語
    最低限の道具や材料で、とにかくどうにかして、問題を解決すること
    HIRAEYTH ヒラエス ウェールズ語
    帰ることができない場所への郷愁と哀切の気持ち。過去に失った場所や、永遠に存在しない場所に対しても
    KOMOREBI コモレビ 日本語
    木々の葉のすきまから射す光。
    UBUNTU ウブントゥ ズールー語
    本来は「あなたの中にわたしの価値を見出し、わたしの中にあなたはあなたの価値を見出す」という意味で、「人のやさしさ」を表す
    WABISABI ワビサビ 日本語
    生と死の自然のサイクルを受け入れ、不完全さの中にある美を見いだすこと
    AKIHI アキヒ ハワイ語
    誰かに道を教えてもらい、歩き始めた途端、教わったばかりの方向を忘れた時、「アキヒ」になった、と言う。
    IKTSUAPPOK イクトゥアルポク イヌイット語
    誰か来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること
    WALDEINSSAMKEIT ヴァルトアインザームカイト ドイツ語
    森の中で一人、自然と交流するときのゆったりした孤独感。
    KALPA カルパ サンスクリット語
    宇宙的なスケールで、時が過ぎていくこと。

    ジュガールとウブントゥが特に気に入りました。
    2017/10/22 11:16

  • 他の言語で言い表せない各国の興味深い単語を取り上げて、絵とちょっとした文章で説明している「絵本」。

    数ページ読んだときには、「もう少し具体的に、他の言語とはどう違うのかとか、用例とか、そういうのがあったほうがいいのに」なんて思ったんですが、ページをめくっていくうちに、あぁ、これは、読んだ人が頭のなかでいろいろな想像を巡らせるためにちょうどいい分量なのかも?と思い始めました。

    そして、この本、一人で読むんじゃなくて、いろいろな国の人達と一緒に読みながら、その言葉について思いついたことを話し合ったりしたら楽しそうだな、とも思いました。

    例えば、ドイツ語の「Drachenfutter/ドラッヘンフッター」。直訳すると「龍のえさ」。でも、意味合いは、旦那さんが奥さんの機嫌を取るために贈るプレゼントなのだそうだ(笑)。
    日本でも、悪いことを隠すために奥さんにおみやげ買って帰るとかあるけど、それを一言で表す単語はないよね。それに、日本では、怒ってる奥さんを表すのは指でツノを作って表したりする。それって「鬼」ですよね。ドイツでは、怒ってる奥さんは「ドラゴン」で、日本では「鬼」。きっと、他の国では違うもので表しているんだろうなぁなんて想像すると面白い。発表しあったら、きっと盛り上がる(笑)。

    アラビア語の「グルファ」。片方の手のひらに乗せられるだけの水の量、という意味なのだそうだけど、なぜこんな単位が必要なのかと考えると興味深い。私達の生活より、ずっと水が大切なものなのかもしれないなぁ、とか考えさせられる。

    へー、と流してしまうようなページ(言葉)もあるけれど、じっくりと考えてみたい言葉もある。こんな言葉を集めることができた著者の方の感性は素敵ですよね。


    イラストレーターでもある著者さんが描いた絵もいい感じ。
    そして、その絵に添えてある日本語の手書き文字が、またステキ。訳者さんが描いたらしい。
    そして、はじめに、本文、あとがき、などで使われている手書き風のフォントがいい味です。このフォント、ほしいっ!

    図書館で借りてきて読んだのですが、この本は、自分で購入して、本棚に入れておいて、たまに取り出してめくりながらニヤニヤするのが正しい付き合い方だと思う。

  • 翻訳できないことばをあえての翻訳。笑。
    イラストも可愛くて、眺めるように読む本。
    日本のことば「こもれび」。私も大好きなことば(^^)。

  • 言葉からいろんな国の文化が知れて面白い。
    装丁やイラストが綺麗で眺めているだけでも楽しかった。人に勧めたくなる本です。

  • ありそうでなかった本。ことばを通して旅したくなる本。デザインが素敵な本。

  • とても良い視点、字数、ページは少ないけどいくらでも深く考えを巡らせられる。旅に持っていくのいいかも。

  • 日本語を含むいくつかの国の言葉を解説している本。
    イラストが綺麗でぼんやりと読むのがオススメ。
    個人的にスウェーデン語のフィーカのお茶会的な雰囲気とか、
    ギリシャ語のメラキの母の愛情な感じとか、
    アラビア語のヤーアブルニーのヤンデレ感とか、好き。
    国の特徴的な言葉とか、その国での特有の数え方みたいなのが特にいいと思う。

    あと木漏れ日って訳せないのかって逆に意外に思った。

  • 絵とか装丁とかも凄くないように合ってて何だか小さな幸せを貰える。ただ、こればっかりは一人の作者の限られた知識に限定されずにネットとかで集めたらいいのが一杯集まりそう。

  • 何を言葉にするかは、その国の価値観がすごく表れることが、きれいなイラストと合わせて実感できる。
    たくさんの国の言葉が紹介されていたけど、一番心に残ったのは“木漏れ日”。日本語ってきれいだな、って改めて思えた。

  • 世界にはいろいろなその国独特のことばがあるんだなぁ。日本だって木漏れ日、ボケっと、侘び寂び、積読と。スウェーデン語のfikaとか、ノルウェー語のforelsketとかステキな言葉だな。

  • ノルウェー語のポーレッグはパンにのせて食べるもの、何でも全部。マレー語のビサンザプラはバナナを食べる時の所用時間。フィンランド語のポロンクセマはトナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離。その地域の特徴があっておもしろい。イタリア語のコンムオーベレは涙ぐむような物語にふれたとき、感動して、胸が熱くなる。スウェーデン語のモーンガータは水面にうつった道のように見える月明かり。イヌイット語のイクトゥアルポクはだれか来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること。ポルトガル語のサウダージは郷愁。日本語は木漏れ日、ぼけっと、わびさび。

  • 絵本のようなかわいい本。
    ”翻訳できない世界の言葉”が、見開き2ページで1語紹介されているという贅沢なつくり。

    日本語からも4つ
    …”うん、そうなるほど”という言葉もあれば、
    …ふーん、これか…”という意外な言葉も。

    どの言葉も美しい!
    そして、それぞれの国の文化や人々の心が込められている。

  • その単語一つでなんとなくの意味は伝わるが、いざ翻訳するとなると四苦八苦する言葉が載っている。

    本書に掲載されている単語は翻訳以前に、発音が分からないものも多いが、それはそれで面白い。また元の単語も一緒に書かれている。イヌイット語というものを初めて見たが、面白い文字を書くと感じたため読書ノートに書こうと思う。
    ドイツ語やスペイン語は、英語圏の単語と一対一で翻訳ができるだろうと思っていたが、そうでもないらしい。ドイツ語の翻訳できない単語”Drachenfutter”の意味は笑ってしまう。知りたい人は読んでみて。

    もちろん日本語の翻訳できない単語も掲載されている。それもなんと51単語中4単語! 木漏れ日、ぼけっと、わびさび。そして「積ん読」。
    読書家の皆様が良く使う「積ん読」は、翻訳できないらしいですよ。

  • 世界はなんて素敵なことばで溢れているんだろうってしみじみ思いました。

    さりげなく雑ざる日本のことばに改めて日本語の素晴らしさも感じました。

  • タイトル通り「翻訳できない世界のことば」を絵本テイストで紹介している。

    内容も装丁も良くて文句なし。
    プレゼントにも最適な本。
    ひとつひとつの言葉をじっくり味わいたいし、言葉の美しさを改めて感じた。

    hiraeth(ヒラエス):ウェールズ語
    帰ることができない場所への郷愁と哀切の気持ち。
    過去に失った場所や、永遠に存在しない場所に対しても。

    mamihlapinatapai(マミラピンアタパイ):ヤガン語
    同じことを望んだり考えたりしている2人の間で、何も言わずにお互い了解していること。
    (2人とも、言葉にしたいと思っていない)

    ya'aburnee(ヤーアブルニー):アラビア語
    直訳すると「あなたが私を葬る」。
    その人なしでは生きられないから、その人の前で死んでしまいたい、という美しく暗い望み。

  • すてきなイラストに添えられたことば。
    ことばについてゆっくり考えてみることは、なかなか面白いと気づかせてくれた。

  • ほっこりしたイラスト、穏やかな文字、易しい文章。
    それらだけでも癒されますが、
    やはり“世界のことば”の、ほんの1単語にこめられた、
    不思議な感覚がすごい。
    日本語も少々。
    “積読”が選ばれているのが、なんとも良い♪
    あ、他の言語には無いのか~。
    アラブ語やイヌイット語のように、住んでなければ
    形成されなかった“ことば”、
    人と人との触れ合いを込めた“ことば”・・・
    素敵な気持ちが訪れる本です。

  • 何より面白いのは、これらの言葉たちを感覚的に理解出来るのはそれを母国語とする人だけってことだな。「木漏れ日」の情緒を理解出来るのは日本人だけだったりして。

  • 日本に『積読』という言葉が生まれた理由があるように、ほかの国のどの言葉にも、生まれた理由があるんだろうな。それを考えるだけで、すごく遠くに行ったような気分になるのが不思議だ。
    肌についた締めつけあとを、一言で言い表したかった理由ってなんだろう。どうしてもそれを見せたかった誰かがいたのかなあ。

著者プロフィール

エラ・フランシス・サンダース(Ella Frances Sanders)

必然としてライターになり、偶然イラストレーターになった。現在はイギリスのバースに住んでいる。彼女の最初の本"Lost in Translation: An Illustrated Compendium of Untranslatable Words from Around the World"(邦題:翻訳できない世界のことば)はニューヨークタイムズのベストセラーになり、二作目の"The Illustrated Book of Sayings: Curious Expressions from Around the World"(邦題:誰も知らない世界のことわざ)とともに、8カ国語に翻訳されている。ホームページ:ellafrancessanders.com そのほかのソーシャルメディアにも出没。

「2019年 『ことばにできない宇宙のふしぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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