翻訳できない世界のことば

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感想 : 393
  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422701042

作品紹介・あらすじ

さまざまな場所で話題の一冊!
2019年7月4日にも、メンタリストDaiGoさん紹介で話題!

外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないような各国固有の言葉が存在する。本書は、この「翻訳できない言葉」を世界中から集め、著者の感性豊かな解説と瀟洒なイラストを添えた世界一ユニークな単語集。言葉の背景にある文化や歴史、そしてコミュニケーションの機微を楽しみながら探究できる。小さなブログ記事が一夜にして世界中へ広まった話題の書。ニューヨークタイムズ・ベストセラー。世界7カ国で刊行予定。

感想・レビュー・書評

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  • いやぁ、おもしろい。
    図書館で借りて読んだけど、購入したくなった。
    人にもプレゼントしたくなる絵本。、

    過去にブクログのランキングで1位になるなどして、口コミで広がったこともあるらしい。
    今回どこでこの本を知ったのかは忘れてしまったけど、素晴らしい出会いに感謝。

    エッカート・トールという人は「言葉は、真実を、人の心がうつしだすわずかなものに減少させてしまう」と言っている。しかし、著者はそれに賛同せず、「言葉は、わたしたちにとても多くのものを与えてくれる」と考えた。そして、この絵本が生まれた。
    ユーモアの詰まった説明とかわいらしい絵、そして、言葉への愛が満ちている。キラキラ輝く言葉の玉手箱のような絵本。

    「翻訳できない世界のことば」。正確には「世界中の翻訳することが少し困難なその国特有の独特な意味を持つことば」という感じか。

    例えば、イタリア語の「コンムオーベレ」という言葉。「涙ぐむような物語にふれたとき、感動して胸が熱くなる」という意味の動詞。

    スウェーデン語の「フィーカ」
    日々の仕事の手を休め、おしゃべしたり休憩したりするため集うこと。コーヒーを飲んだりお菓子を食べたりして数時間…スウェーデンの風習だそうです。

    追加でWikiで調べたら、…フィーカは「デートでないデート」としての重要な社会的機能を持つ。すなわち、「デート」に行くことは大きな出来事とされるが、「フィーカに行く」(ta en fika)ことはハードルが低くカジュアルな状況であり、それ自体が恋愛の意味を示さない。フィーカで合うことに人々が眉をつり上げることや、「カップル」と疑うことはない。
    とのこと。なんだか素敵だ。

    ピサンザプラ(マレー語)。
    バナナを食べる所要時間…っていったい何分よ?

    ポロンクセマ(フィンランド語)
    トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離。…っていったい何キロよ?

    最も笑ったのは、「クンマーシュペック」(ドイツ語)。
    直訳すると「悲しいベーコン」。食べ過ぎが続いて太ることだそうです。

    「ウブントゥ」(ズールー語)
    「あなたの中に私は私の価値を見出し、私の中にあなたはあなたの価値を見出す」という意味から転じて「人のやさしさ」を意味する言葉。
    →深い!確かに、「やさしさ」ってそういう意味かもしれない。

    ナーズ(ウルドゥー語)
    誰かに無条件に愛されることによって生まれてくる、自信と心の安定
    →あ〜あ、ほしいよね、これ。
    でも、欲張っちゃいけない。

    こんな感じで52語。
    日本の言葉も4語エントリー。
    「木漏れ日」「侘び寂び」はなるほど無難なセレクション。
    しかし「積読」?「ボケっと」?こういうユルいセンスもなかなかいいですね。

  • 読んでいてとても楽しい、魅力的な本。
    イラストレーターでもある著者が若い女性のせいか、どちらかと言うと情感豊かな言葉に偏った気もするが、それでも楽しい。
    翻訳できない言葉の奥に、その国の歴史や文化が垣間見えてくるし、その言葉を使う人々の暮らしに想像を巡らすという楽しみもある。
    その上、手描きの文字とイラストが暖色系で可愛らしい。
    イヌイットの棲み処である「イグルー」も、この著者の手にかかると妙に可愛い。

    日本語からは【木漏れ日】【ボケっと】【侘び寂び】【積読】がチョイスされ、
    その説明には舌を巻いた。
    いやぁ、侘び寂びをこんな風に解釈したことがなかったな。
    【生と死の自然のサイクルを受け入れ、不完全さの中にある美を見出すこと】
    ですと。・・しかも、読むとそんな気になってくるし・(笑)

    ブラジルには【愛する人の髪にそっと指を通すしぐさ】を名付ける【カフネ】という名詞があるという。なんと官能的な!ああ、クラクラしてくる。
    アルコール好きな国民が目に浮かぶ、【ウィスキーを一口飲む前に、上唇に感じる妙なムズムズする感じ】を表す【スグリーブ】というゲール語もあるのが笑える。

    同じく笑ったものは、マレー語の【ピサンサブラ】。
    これは、バナナを食べる時の所要時間であるらしい。大体2分だと言う。
    アラビア語の【グルファ】は【片方の手のひらに乗せられるだけの水の量】だと言うから、灼熱の地でその貴重な水で喉を潤す人が見えてきそうだ。

    傍らに置いてつれづれにページを開き、開いたところを読んで何度も楽しめる。
    イラストの日本語の文字に誤字が多いのが玉にキズ。
    言葉を扱った本なのだから、もう少し丁寧な編集が欲しかった。。

    それでも素敵な一冊だから、友人の誕生日プレゼントにしようかと考え中だ。
    最初と最後に寄せられた著者からのメッセージも、慎ましくてとても素敵。

    • nejidonさん
      けいたんさん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます!

      そうなのです、表紙も素敵なのですが中身も素敵なのですよ。
      難し...
      けいたんさん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます!

      そうなのです、表紙も素敵なのですが中身も素敵なのですよ。
      難しさは感じません。そこはご安心くださいませ。
      ストーリーはないので、開いた場所から読んで楽しめます。
      著者による説明文がとても詩的です。翻訳が良いのかな。
      イラストも可愛いですよ。その意味では女性向けかもしれませんね。
      ぜひぜひけいたんさんにもおすすめです!
      2017/05/18
    • アセロラさん
      こんにちは♪
      「積読」がどう表現されているのかが気になります(笑)同じような事をしている読書家は古今東西いると思うのですが(笑)

      「...
      こんにちは♪
      「積読」がどう表現されているのかが気になります(笑)同じような事をしている読書家は古今東西いると思うのですが(笑)

      「ピサンサブラ」はバナナを食べる時の所要時間!
      こういう概念はネイティブじゃないと難しいでしょうね~。
      でも、だからこそ、興味深い。
      日本で言うと、カップラーメンの出来上がる時間やウルトラマンが地球にいられる時間=3分。というところでしょうか。
      こういう常識も、別に学校で習った訳では無いのに、気が付けば普通に常識として備わっていて、たいていの人とは話が通じるのですから不思議ですね。
      2017/05/21
    • nejidonさん
      アセロラさん、こんにちは♪ コメントありがとうございます!
      たくさんのお気に入りをくださって、ご近所でしたらお礼に何か差し上げたいくらいで...
      アセロラさん、こんにちは♪ コメントありがとうございます!
      たくさんのお気に入りをくださって、ご近所でしたらお礼に何か差し上げたいくらいです(笑)

      「積読」という言葉のチョイスが意外で楽しいですよね。
      日本以外には無いということも面白さ倍増です。
      『買ってきた本を、他のまだ読んでいない本と一緒に読まずに積んでおくこと」だそうです。
      そうそう、こういうこと世界中の本好きさんがやっていそうです!
      「ピサンサブラ」もそうですが、その国の暮らしぶりが見えて来そうで、そこが楽しいのです。
      果たして「積読」で、他国のひとたちはどんな日本を想像したことやら、です。
      もともとはネット記事だったものが大人気となり、書籍化されたそうですよ。
      世界中に素敵な言葉がたくさんあり、それを味わうことが出来る一冊です。
      機会がありましたら、ぜひアセロラさんも手に取ってみてくださいませ。
      2017/05/23
  • 他国語には翻訳できない、その国ならではの言いまわし。
    言葉は訳せなくても、その気持ちは分かるなあという言葉たち。

    美しい情景、素敵な心の持ち方を表すもの。
    ❐MANGATA 
     スウェーデン語「水面に映った道のように見える月明かり」
     日本語でも水の上に顕われる情景を表す言葉は、水面、水泡、澪、水脈…などなどあるけれど、月明かりの道という言葉が出てくるのは美しいですね。

    ❐MERAKI
     ギリシャ語「料理などなにかに自分の魂と愛情を目いっぱい注いでいる」
     心がこもっている、という状態ですね。

    ❐JUGAAD
     ヒンディー語「最低限の道具や材料でとにかくどうにかして問題を解決すること」
     ギリギリの状態ですが、できたら格好いいですね。

    ❐UBUNTU
    ズールー語「あなたの中に私は私の価値を見出し、私の中にあなたはあなたの価値を見出す⇒人の優しさ」
     人権標語にそのまま使えそう。

    ❐NAZ
    ウルドゥー語「だれかに無条件に愛されることによって生まれてくる自信と心の安定」


    その土地ならではの価値観や情景による言葉もあります。
    ❐GURFA
     アラビア語「片方の手のひらに載せられるだけの水の量」
     日本語では少ない量だと思いそうですが、アラビア語だと貴重という意味なのでしょうか。
     「湯水の如く」も日本語だと惜しげなくどんどん使うという意味ですが、アラビア語だと大切に扱うとなりそうな気がします。

    ❐PORONKUSEMA
     フィンランド語「トナカイが休憩なしで疲れず移動できる距離」
     トナカイが出てくるところがフィンランド。どういった場合に使うのだろう。

    ❐PISANZAPRA
     マレー語「バナナを食べる所要時間」
     日本だと「○○でご飯が食べられる」のような言いまわしかと思ったけれど(見事なホームランとかで「これでご飯が何杯でも」みたいな言い方しますよね)、
    「マレーの民話では人喰い鬼は昼間はバナナの木に隠れている」ということなので、うっかりしていると危険だよ、という意味もあるのか??


    身につまされる言葉。
    ❐AKIHI
     ハワイ語「だれかに道をしえてもらい、歩き始めたとたん教わったばかりの方向を忘れたとき」
     仕事でいえば、指示を受けたけれど、完成図や本質が分からないから、具体的なやり方が浮かばないような時でしょうか。

    ❐TIMA
     アイスランド語「時間やお金があるのに、それを潰す気持ちの準備ができていない」
     急に分不相応なものを手に入れてしまったときの戸惑いのようなものか。準備は必要ですね。

    日本語からはこちら。
    ❐KOMOREBI 木漏れ日「木々の葉の隙間から射す日の光」
    ❐BOKETTO ボケっと「なにも特別なことを考えず、ぼんやり遠くを見ている気持ち。日本人が何も考えないでいることに名前を付けるほどそれを大事にしていることは素敵なこと」
    ❐WABISABI 侘び寂び「生と死の自然のサイクルを受け入れ、不完全さの中にある美を見出す」
    ❐TSUNDOKU 積ん読「買ってきた本を読まずに積んでおく」
    積ん読に関しては、とりあえず積んでおく、というダジャレのようなニュアンスだと分かるのだろうか…

    • やまさん
      淳水堂さん
      こんばんは。
      淳水堂さん
      こんばんは。
      2019/11/09
    • goya626さん
      素晴らしい本だ!読みたい。
      素晴らしい本だ!読みたい。
      2019/11/11
    • 淳水堂さん
      goya626さん こんにちは
      いらしてくださってありがとうございます。
      言葉も、イラストも、紹介文も良いですよ☺
      goya626さん こんにちは
      いらしてくださってありがとうございます。
      言葉も、イラストも、紹介文も良いですよ☺
      2019/11/11
  • 【感想】
    世界のさまざまな言語から、翻訳できない言葉を集めて一冊にまとめた本。
    タイトルには「翻訳できない世界のことば」とあるが、正確には、翻訳できないというよりも、その状況を「一単語」で表現できる言語が他にない、という意味である。複雑な状況を明確に定義する言葉、一見使いどころの無さそうな慣用句などがたくさん収録されており、「こんな状況を一言で言えてしまうのか!」と読んでいてどんどん楽しくなってしまった。

    例えば、マレー語の「pisang zapra(ピサンザプラ)」。意味は「バナナを食べるときの所要時間」である。バナナを主食としていない我々からしてみれば、「食べるスピードは人によって違うだろ!」とか「何でバナナ限定なんだ!」というツッコミを入れたくなってしまうが、それは野暮なもんだ。言葉ってそういうものだから。
    そもそも、日本語にも似たような表現がある。「腹八分」がその類だろう。満腹の状態の80%、つまりやや控えめに食べるという意味だが、外国語圏の人からしてみれば「80%は人によって違うだろ!」とか「何を食べるかによって変わってくるだろ!」とか言いたくなるかもしれない。しかし、言葉ってそういうものなのだ。

    言葉(母語)は、それが使われている文化と切っても切れない関係にある。
    例えば、アマゾン奥地に住む少数民族「ピダハン」には、数字を表す概念がない。彼らは非常に原始的であり、実際に見たものしか信じない。それは「論より証拠」の範疇を超えており、文法と思考そのものが「実際に見た」ことしか語れなくなっているのだ。そのため、ピダハン語に未来完了形はなく、「左右」「数字」「色」といった、原風景を抽象化する概念も存在しない。

    言語が文化を規定するならば、様々な「翻訳できない言葉」を眺めるうちに、その国の文化を何となく想像することもできる。
    本書に出てくるヤガン語の「マミラピンアタパイ」。これは同じことを望んだり、考えたりしている二人の間で、何も言わずに、お互い了解していること、である。
    この言葉が面白いのは、2人とも、それを言葉にしたいと思っていないことにある。だから(?)「マミラピンアタパイ」は綴りが不明なのだ。それをわざわざ文字に起こさなくても、2人の間で考えを共有していれば、暗黙のうちにコミュニケーションは成り立つ。
    私はヤガン語を話す人々がどんな文化圏にいるか知らないが、このような言葉を使う人たちは、きっと普段から言葉少なで分かり合っているのではないか。自分の感情を口に出す代わりに、身振りや態度で気持ちを示し、それとなく相手と分かり合っていく、そんな以心伝心によるコミュニティを築いているのではないだろうか。ついそんな想像をしてしまう。

    さて、気になるのは我らが日本代表。
    日本語からは
    ・木漏れ日
    ・ボケっと
    ・侘び寂び
    ・積ん読

    の4つが翻訳できない言葉に選出された。
    「詫び寂び」の概念が外国語に無いのはなんとなくわかるが、それ以外の3つはとても意外。木漏れ日って日本語にしかない表現なのか…と少し驚いてしまった。

    この中で自分が心に染み入ったのは、「ボケっと」のページに書かれた解説文である。

    「日本人が、なにも考えないでいることに名前をつけるほど、それを大切にしているのはすてきだと思います」

    なるほど思ってみれば、日本人は、昔から空間を切り取ったり光を遮ったりして、「間」や「陰翳」を見出すことに情熱を捧げてきた。主役である「物体」や「光」よりも、そこに隠された「無」や「陰」を愛でる。引き算こそが日本の文化であり、それが言葉にも表れている。
    やはり、言葉と文化は切っても切れない関係にある。そう改めて感じた。

    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    【面白いと思った単語集】
    オランダ語「gezellig(ヘゼリヒ)」
    単に居心地よいだけでなくて、ポジティブであたたかい感情。物理的に快いという以上の「心」が快い感覚。たとえば、愛する人と共にときを過ごすような。

    タガログ語「kilig(キリグ)」
    おなかの中に蝶が舞っている気分。たいてい、ロマンチックなことや、素敵なことが起きたときに感じる。

    マレー語「pisang zapra(ピサンザプラ)」
    バナナをたべるときの所要時間。

    スペイン語「vacilando(ヴァシランド)」
    どこへ行くかよりも、どんな経験をするかということを重視した旅をする。

    オランダ語「struisvogelpolitiek(ストラウスフォーヘルポリティーク)」
    直訳すると「ダチョウの政治」。悪いことが起きているのに、いつもの調子で、まったく気づいていないふりをすること。

    ヤガン語「表記不明―マミラピンアタパイ」
    同じことを望んだり、考えたりしている二人の間で、何も言わずに、お互い了解していること。(2人とも、言葉にしたいと思っていない)

    アラビア語「ヤーアブルニー」
    直訳すると「あなたが私を葬る」。その人なしでは生きられないから、その人の前で死んでしまいたいという美しく暗い望み。

    フィンランド語「poronkusema(ポロンクセマ)」
    トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離。(約7.5キロ)

    ドイツ語「drachenfutter(ドラッヘンフッター)」
    直訳すると「龍のエサ」。夫が、悪いふるまいを妻に許してもらうために贈るプレゼント。

    ポルトガル語「saudade(サウダージ)」
    心のなかになんとなく、ずっと持ち続けている、存在しないものへの渇望や、または、愛し失った人やものへの郷愁。

    カリブ・スペイン語「cotisuelto(コティスエルト)」
    シャツの裾を、絶対ズボンの中に入れようとしない男の人。

    サンスクリット語「カルパ」
    宇宙的なスケールで、時が過ぎていくこと。

  • 「リンゴ」=「apple」のように、1語対1語で英語に翻訳できない言葉を紹介する、絵本。

    この概念をひとつの単語にしている言語があるんだ、と興味深い。
    単純翻訳できない言葉の世界を表現する、筆者のイラストも素敵。

    日本語からは4単語がピックアップ。

    「積ん読」という言葉は、日本人としてもおもしろい単語だと思うので、納得のチョイス。

    「侘び寂び」の解釈には、違和感。

    「ボケっと」は「形容詞」となっているが、「副詞」ではないかと引っかかる。

    「トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離(poronkusema)」は、生活習慣の違いを感じる。

    逆に「めちゃめちゃにもつれたケーブルのこと(kabelsalat)」は、国を超えても同じ問題が起きていることに、おかしみがある。

    「バナナを食べる時の所要時間(pisang zapra)」は、どういう場面(文脈)で使うのか、使用例が知りたくなった。

  • 翻訳の不可能性について楽しく味わうなら本書かなと思って手に取ってみた。日本語からは、木漏れ日、ぼけっと、侘び寂び、積読が掲載。

    多和田葉子さんが『エクソフォニー』で語っていた、言語による世界の切り取り方の違いに触れることで、世界がちょっと変わった見え、それ自体が詩である、ということを一冊でたっぷり味わえる。

    私はMÅNGATA(スウェーデン語)、MERAKI(ギリシャ語)、TREPVERTER(イディッシュ語)、RESFEBER(スウェーデン語)、'AKIHI(ハワイ語)、GOYA(ウルドゥ語)、NAZ(ウルドゥ語)、WALDENINSAMKEIT(ドイツ語)が好きでした。

    お国柄が出てるな〜と思うものや、クスッと楽しめる単語も多かった。

  • 大概の物には何かしらの名前がつけられているが、物以外の概念や様子も言葉で表されている。
    地球上にはいろんな民族があり、いろんな言葉を発明している。
    その民族ならではの言葉から、歴史や文化や思想や生活様式を感じることができる。

    日本語のオノマトペも他国語に訳すのはむつかしそうだが、本書で扱っているのは1つの単語で示されるもの。
    チョイスされたのは全部で52の言葉。なのに日本語からは4つも選ばれている。

    ネタバレになるが、2つだけ面白いなと思った言葉。
    ・KARELU 肌についた締め付けるもののあと。 日本語にあっても良さそうですよね。
    ・MURR-MA 足だけを使って水の中で何かを探すこと。 日常的にそんな生活をしているのだなと思う。

    こんなことを考えながら読んでました、という言葉3つ。
    ・UBUNTU Linuxに接したことのある人なら知ってることば。でもこんな意味があったとは知らなかった。Linuxのありかたそのものだ。
    ・WABI-SABI(侘び寂び) 日本人なら知ってる言葉だけど、きっと誰もうまく説明できないのでは。こういう感覚なのかという説明に脱帽。
    ・MAMIHLAPINATAPAI これは"阿吽の呼吸"に近いと感じたが、静と動の違いがあるし、チョット違うか。

    面白かった。絵もシックで優しいし、誰もが楽しめると思います。

  • 翻訳できない世界のことばたちを、著者による新鮮な解釈で味わえる本。
    日本語も4つ、収録!

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    見開き2ページで、1つのことばが紹介されているこちらの本。
    右ページに、ことば、著者によることばそのものの解釈とイラストが、左ページには何語のことばか、ことばの意味から感じた短い感想が書かれています。
    わたしはまず右ページから目を通し、左ページを読んでいきました。

    本書のなかには、4つの日本語が収録されています。
    その解釈を読んでいると、「あれ?この日本語は、こんな深い意味合いを含んでいただろうか…?」と思い、いままで自分は意味を間違えて捉えていただろうか?と不安になりました。
    しかし本編を読み終わったあと、訳者あとがきページの一番下に、「本書で取り上げられている単語の説明は、著者独自の感性により解釈されたものです。」(引用)という文章を見つけ、わたしが日本語の解釈に不安をもった理由がわかり、安心しました。
    そして著者の目を通った日本語がこんな意味に映ること、日本人にとっては当たり前のように使っているこの4つの日本語が、世界の人々からみると「翻訳できない」味わいをもったことばであることに驚きました。

    この本に載っていることばの意味は、すべて“エラ・フランシス・サンダース”という、ひとりの人を通して、伝えられたものです。
    辞書のように“正確な意味”をつきつめつつ読むよりも、著者の感覚的を通してことばを見つめながら読むほうが、とてもしっくりきます。
    ぜひ、「フィーカ」(スウェーデン語)のようなゆったりとした時間のなかで、「翻訳できない世界のことば」という本を、じっくり味わっていただければと思います。

    「さあて、今からフィーカしよ!」

  • 翻訳できない日本語として「木漏れ日」や「わびさび」もあった。
    なるほど、これらが翻訳できないんだ…と思うと世界でもいろいろなことばがあり面白い。

    イラストも癒される。
    何気なくページをめくるのに最適。

  • 絵本のような装丁で情報量は決して多くないですが、ぱらぱらとページをめくる度に柔らかな色彩のイラストとともに新しい発見があります。
    少数精鋭で選ばれた言葉のなか、日本語は最多出場タイの4つが登場しています。作者の琴線に引っ掛かるものがあったのでしょう、中には本好きには耳が痛い単語も…。

    他の言語では訳せない言葉だからこそ、その国や地域特有の光景や文化が言葉から伝わってきます。景色を表現する言葉はつい想像を膨らませ、いつか足を運びたいと思うほど羨ましく感じるものもありました。また、日本固有の言葉に込められた文化や所作も大切にしていきたいと思います。
    ユニークな切り口でまとめられた本。他の言葉ももっと知りたい。

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著者プロフィール

エラ・フランシス・サンダース
イギリス在住のライター、イラストレーター。著書に"Lost in Translation: An Illustrated Compendium of Untranslatable Words from Around the World"(邦題:翻訳できない世界のことば)、"The Illustrated Book of Sayings: Curious Expressions from Around the World"(邦題:誰も知らない世界のことわざ)、"Eating the Sun: Small Musing on a Vast Universe”(邦題:ことばにできない宇宙のふしぎ)がある。

「2021年 『もういちど そばに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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