はかりきれない世界の単位

  • 創元社 (2017年6月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (112ページ) / ISBN・EAN: 9784422701073

作品紹介・あらすじ

人間は、何ごとも測らずにはいられない生きもの。「猫がひと跳びする距離」から「日光のなかに浮遊する塵の量」、さらには「宇宙の誕生から消滅までの時間」まで、およそ測れそうもないことを推し量ろうとすることで、科学も文化も発達してきました。知らない単位を使ってみると、世界の見え方だって変わるのです。この本では、近代化とともに使われなくなった、人間味あふれるちょっとおかしな単位を50紹介しています。イラストは、日下明氏の作品。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙と中のイラストを描かれている「日下明」さんの作品を最近とても気に入っていて、
    それで借りてみた一冊。
    単位の話なんですが、理解しきれないまま捲ってました。

    カラットって1粒の豆の重さなんだ。

  • 「測る」「計る」「量る」。
    それは人が社会生活を営む上で、なくてはならないもの。
    切符の値段は営業キロ、擬制キロ、なんてもので決められているし、お菓子作りでは大さじ小さじ、カップ一杯など。
    でも、そんなものばかりが「はかり」の単位じゃない。
    例えば......。

    トラサレーヌ
    なんだか異国のお姫様のよう!
    ロクサーヌ、カトレーヌ、なんて!
    でもこれはインド、しかも古代インドの単位。
    「格子を通して入ってくる日光の光線に浮遊する塵の量」(8頁)だって!

    スポットアーヴストンド
    「唾が飛ぶ距離」(14頁)
    先日上司がトラブル対応で出てきたとき、「唾が飛んだんですけどー!」といちゃもんをつけられていたが、そんなとき、この単位を使ってみたら......。
    火に油を注ぐだろう!

    五劫の擦り切れ、ギャラクシー、アラトゥン、そんな長い長い時間もあれば、髭秒、リークシャー、盲亀浮木、そんな小さな小さな単位もある。
    どちらもなんだか胸がときめく。
    ミクロの世界も、マクロの世界も、見えない世界という共通点が、魅力的。

    でも、「小さい」人間に、腹の立つことを言われたら、同じように心の狭い私はこう言い返してやりたい。
    「あなた、ムゲセゲね!」って。
    ダメかなあ。

    本書はいつもの、高橋源一郎氏のエッセイで紹介されていたもの。

  • ◎はじめに
     モノサシがなければ、時間や位置や長さは何で測ればよいか。
     答えは「空」と「からだ」だ。
     しかし、「からだ」には個人差がある。人は時間をかけ工夫して、単位の基準を作った。
     本書では「まっとうではない」単位や「使われなくなった」単位を紹介する。 
     そこに、科学や文化の落とし物や忘れ物が隠されているかも。

    ・気になる日本の単位
    「片食」…食事の回数※夏目漱石
    「ユカワ」…原子物理学で使う長さの単位、フェルミと争ったことも。←今はどちらが使われているのかな?
    「馬草鞋」…馬の草鞋が擦り切れるまで※ロシアの文献にのみ記述が残っている

    ・気になる外国の単位
    「トラサレーヌ」インド…日光のなかに浮遊する塵の量
    「ダグ」ヤップ島…ココヤシの実を基準にした体積の単位
    「クローシャ」インド…牛の鳴き声が聞こえる距離
    「カッツェン シュプルング」ドイツ…猫がひととびする距離
    「ブーク」シベリア…トナカイの角が見分けられる距離
    「王の前腕」ペルシア…ペルシア王の腕の長さ

    〇カラットが豆の単位だったとは!
    〇ケプラーがワイン職人に頭にきて定めたというエピソードに笑った
    〇自然科学的なものよりも、国や民族的なのをもっと知りたいと思った
    〇満足しきれないのは、著者の罠かも

  • 見たことあるような単位はもちろん、見たことない単位も興味深かった。核による殺傷単位であるメガデス、これを聞かなければいいのだが…

  • 近代化とともに使われなくなった単位を紹介した絵本。
    cmとか共通の単位がないときは、それぞれの国の文化によって使いやすい単位があったんだな。

    「ハナゲ」に爆笑。
    「長さ1cmの鼻毛を鉛直方向に1ニュートンの力で引っ張り抜いた時に感じる痛み」ってw
    ネットで拡散された痛みの程度を表す単位らしいけど、特に認定はされていないってw

  • 単位のもとになっている色々なものにビックリ。ハナゲを引っ張る痛さとかハエのペニスの長さとか。
    日下明さんのイラストが大好きです。やわらかい色使いが優しく言葉を包み込んでいます。今作品では「ギャラクシー」の絵が良かったです。

  • 今まで聞いた事ないような不思議な単位、何処か懐かしさを感じる静かで温かみもある挿絵でとても楽しい。

  • 遠い国でも似たような言葉があって、人って同じだな〜

  • 知っていても使う機会はないかもしれないけれど、思わず読めるぐらいの説明なのでついつい読んでしまうそうです。
    [NDC] 609
    [情報入手先]

  • 聞いたことのある単位もあったけれど、大半は初耳でした。私も自分用に単位を発明したいです。

  • 時代や文化や環境によって、いろいろな単位が必要になるものなんだなぁ。

  • そうそう変な単位が単位が生まれるところにあったことないと思ったけど、
    なんだかんだネットで1h○deや1キル○ーという揶揄する単位が誕生するところをみてた

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • タイトル以上のことが書かれてない、この手のシリーズは読んでも虚無に還ってしまう

  • 世界にはいろいろなものごとをはかる単位があるのだなぁと感心?したり、『五劫の擦切れ』って単位だったのか!とびっくりしたり。
    素敵なイラストを楽しみつつ驚いたりふふっとなったりしました。

  • もしかして、もうこの世の誰も覚えていないかも……
    そんな気にさせられる、奇妙奇天烈な”単位”の数々

  • 978-4-422-70107-3
    C0071\1600E.

    はかりきれない 世界の単位
    2017年6月20日 第1版第1刷発行

    著者:米澤敬(よねざわ けい)
    イラスト:日下明(くさか あきら)

    発行所 株式会社 創元社


    あなたの知らない 世にもおかしな 世界の測りかた

    近代化とともに使われなくなった、人間味あふれるちょっとおかしな単位を50紹介。
    新しい物差しを手に入れると、世界の見え方が変わるかもしれません。

    人間は、何事もはからずにはいられないようです。測れそうも無いことを推し量ろうとすることで、科学も文化も発達してきたのですが、この本で紹介する多くの「まっとうではない」単位や、近代化とともに使われなくなった単位いにこそ、科学や文化の「落し物」や「忘れ物」が隠されているのかもしれません。


    ---------------------
    刹那 
    ※仏教の最小時間単位 
    「念」ともいう
    仏典では1刹那は75分の1秒に対応する
    一方、瞬間(inptant)は古代ギリシアの哲学者プラトンによって、時間の中には存在しないと定義されている。


    コイニクックス (choinix)
    ※人がなんとか生きていけるだけという単位

    奴隷に与えられる1日分の穀物量
    古代ギリシアで奴隷に与えれらる1日分の穀物の量で、約1ℓ。
    お米に換算すると5合以上ですが、他のものもふかけつなので、結構きついかも
    古代ローマには、自由労働者の1日分の賃金単位 デーナリウス(denarius)がありました。
    イギリスでは、自由民1家族と使用人を養うに足りる面積をひー度(hid)
    と言います。

    顔面指数
    ※顔の長さと横の比
    人類学で使われていた単位 美容額では横幅を1とした時縦(髪の生え際からかご先まで)1.46がよろしいらしい。
    現在の人類学では頭を上から見た場合の形、頭長幅し指数のほうが重視されている。
    ----------------------

    たくさん わずか ほんのわずか 形容しきれない時間、大きさ などを何とか頑張って表現しようとするときに出たものかしら?
    単位が使われていた時代の暮らしを想像することができて楽しかった。イラストも雰囲気がぴったりで楽しめました。

  • 【資料ID】  97171196
    【請求記号】  609/Y
    【OPAC URL】https://opac2.lib.oit.ac.jp/webopac/BB50061808

    「刹那」とは仏教の最少時間単位のことだそうです。このように今でも使われる単位もあれば、近代化とともに使われなくなった単位も紹介されています。単位にはその国や時代、文化、が反映されています。人々が何を大切に生きてきたか・・・時計もGPSもなかった時代に思いを馳せてみてはいかがでしょう。

  • 他人のものさしで世界をはからなくてよい
    ということに気がつく

  • ●全然聞いたことのない単位がたくさんあって面白かった。

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著者プロフィール

米澤 敬(よねざわ けい)
1955年1月、群馬県前橋市出身。北海道大学理学部卒。1979年より工作舎に参加。現在、工作舎編集長。工作舎出版物をはじめ、企業パンフレット等、編集制作物は多数。著書に『mineralium index』『B─plastic beatle─ビートルズの遊び方』などがある。

「2017年 『はかりきれない世界の単位』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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