はかりきれない世界の単位

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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422701073

作品紹介・あらすじ

人間は、何ごとも測らずにはいられない生きもの。「猫がひと跳びする距離」から「日光のなかに浮遊する塵の量」、さらには「宇宙の誕生から消滅までの時間」まで、およそ測れそうもないことを推し量ろうとすることで、科学も文化も発達してきました。知らない単位を使ってみると、世界の見え方だって変わるのです。この本では、近代化とともに使われなくなった、人間味あふれるちょっとおかしな単位を50紹介しています。イラストは、日下明氏の作品。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙と中のイラストを描かれている「日下明」さんの作品を最近とても気に入っていて、
    それで借りてみた一冊。
    単位の話なんですが、理解しきれないまま捲ってました。

    カラットって1粒の豆の重さなんだ。

  • 「測る」「計る」「量る」。
    それは人が社会生活を営む上で、なくてはならないもの。
    切符の値段は営業キロ、擬制キロ、なんてもので決められているし、お菓子作りでは大さじ小さじ、カップ一杯など。
    でも、そんなものばかりが「はかり」の単位じゃない。
    例えば......。

    トラサレーヌ
    なんだか異国のお姫様のよう!
    ロクサーヌ、カトレーヌ、なんて!
    でもこれはインド、しかも古代インドの単位。
    「格子を通して入ってくる日光の光線に浮遊する塵の量」(8頁)だって!

    スポットアーヴストンド
    「唾が飛ぶ距離」(14頁)
    先日上司がトラブル対応で出てきたとき、「唾が飛んだんですけどー!」といちゃもんをつけられていたが、そんなとき、この単位を使ってみたら......。
    火に油を注ぐだろう!

    五劫の擦り切れ、ギャラクシー、アラトゥン、そんな長い長い時間もあれば、髭秒、リークシャー、盲亀浮木、そんな小さな小さな単位もある。
    どちらもなんだか胸がときめく。
    ミクロの世界も、マクロの世界も、見えない世界という共通点が、魅力的。

    でも、「小さい」人間に、腹の立つことを言われたら、同じように心の狭い私はこう言い返してやりたい。
    「あなた、ムゲセゲね!」って。
    ダメかなあ。

    本書はいつもの、高橋源一郎氏のエッセイで紹介されていたもの。

  • ◎はじめに
     モノサシがなければ、時間や位置や長さは何で測ればよいか。
     答えは「空」と「からだ」だ。
     しかし、「からだ」には個人差がある。人は時間をかけ工夫して、単位の基準を作った。
     本書では「まっとうではない」単位や「使われなくなった」単位を紹介する。 
     そこに、科学や文化の落とし物や忘れ物が隠されているかも。

    ・気になる日本の単位
    「片食」…食事の回数※夏目漱石
    「ユカワ」…原子物理学で使う長さの単位、フェルミと争ったことも。←今はどちらが使われているのかな?
    「馬草鞋」…馬の草鞋が擦り切れるまで※ロシアの文献にのみ記述が残っている

    ・気になる外国の単位
    「トラサレーヌ」インド…日光のなかに浮遊する塵の量
    「ダグ」ヤップ島…ココヤシの実を基準にした体積の単位
    「クローシャ」インド…牛の鳴き声が聞こえる距離
    「カッツェン シュプルング」ドイツ…猫がひととびする距離
    「ブーク」シベリア…トナカイの角が見分けられる距離
    「王の前腕」ペルシア…ペルシア王の腕の長さ

    〇カラットが豆の単位だったとは!
    〇ケプラーがワイン職人に頭にきて定めたというエピソードに笑った
    〇自然科学的なものよりも、国や民族的なのをもっと知りたいと思った
    〇満足しきれないのは、著者の罠かも

  • 見たことあるような単位はもちろん、見たことない単位も興味深かった。核による殺傷単位であるメガデス、これを聞かなければいいのだが…

  • 近代化とともに使われなくなった単位を紹介した絵本。
    cmとか共通の単位がないときは、それぞれの国の文化によって使いやすい単位があったんだな。

    「ハナゲ」に爆笑。
    「長さ1cmの鼻毛を鉛直方向に1ニュートンの力で引っ張り抜いた時に感じる痛み」ってw
    ネットで拡散された痛みの程度を表す単位らしいけど、特に認定はされていないってw

  • 単位のもとになっている色々なものにビックリ。ハナゲを引っ張る痛さとかハエのペニスの長さとか。
    日下明さんのイラストが大好きです。やわらかい色使いが優しく言葉を包み込んでいます。今作品では「ギャラクシー」の絵が良かったです。

  • 知っていても使う機会はないかもしれないけれど、思わず読めるぐらいの説明なのでついつい読んでしまうそうです。
    [NDC] 609
    [情報入手先]

  • 聞いたことのある単位もあったけれど、大半は初耳でした。私も自分用に単位を発明したいです。

  • 609
    「人間は、何ごとも測らずにはいられない生きもの。「猫がひと跳びする距離」から「日光のなかに浮遊する塵の量」、さらには「宇宙の誕生から消滅までの時間」まで、およそ測れそうもないことを推し量ろうとすることで、科学も文化も発達してきました。知らない単位を使ってみると、世界の見え方だって変わるのです。この本では、近代化とともに使われなくなった、人間味あふれるちょっとおかしな単位を50紹介しています。イラストは、日下明氏の作品。」

  • 時代や文化や環境によって、いろいろな単位が必要になるものなんだなぁ。

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著者プロフィール

米澤 敬(よねざわ けい)
1955年1月、群馬県前橋市出身。北海道大学理学部卒。1979年より工作舎に参加。現在、工作舎編集長。工作舎出版物をはじめ、企業パンフレット等、編集制作物は多数。著書に『mineralium index』『B─plastic beatle─ビートルズの遊び方』などがある。

「2017年 『はかりきれない世界の単位』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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