美童 (アルケミスト双書 闇の西洋絵画史 7)

  • 創元社 (2022年1月21日発売)
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本 ・本 (64ページ) / ISBN・EAN: 9784422701370

作品紹介・あらすじ

第2期【白の闇】篇刊行。
堂々のシリーズ完結!
大好評シリーズ「アルケミスト双書」、
『闇の西洋絵画史』篇、全10巻がついに完成!!
西洋美術の「闇」の側面を浮かび上がらせる、
妖しくも美しい西洋絵画史シリーズ(フルカラー)。

著者は編集者で評論家の〈山田五郎〉。


■著者・山田五郎より
西洋絵画には、
教科書には載せられない「影の名画」もあれば、
逆によく見る名画に「影の意味」が
隠されていることもあります。けれども、
今日の感覚では不健全と思える表現や寓意も、
描かれた背景を知れば納得でき、
見え方が変わってくるはずです。
西洋絵画の本質は、
その最大の特徴である陰影法と同様に、
光のあたる表面だけではなく
闇の側面も見ることで、はじめて立体的に
浮かび上がってくるのではないでしょうか。


■本シリーズの特徴
・1冊1テーマを詳説
・類をみないユニークな切り口
・1冊あたり約70作品を掲載
・コンパクトで瀟洒な造本
・本物の美術の教養に
・ゲームや漫画他、創作のための資料としても


■シリーズ
*第2期:【白の闇】篇
〈6〉天使
〈7〉美童
〈8〉聖獣
〈9〉楼閣
〈10〉殉教

*第1期:【黒の闇】篇
〈1〉悪魔
〈2〉魔性
〈3〉怪物
〈4〉髑髏
〈5〉横死


■まえがき(〈7〉美童)
古代ギリシャの哲学者プラトンは、
肉体的な愛より精神的な愛の方がレベルが高く、
さらに高度なのは特定の人間の美しさではなく
普遍的な美の概念を愛することだと説きました。
彼らが美童を愛した理由のひとつはここにあります。
魔性の女の美が「性の過剰」なら、
美童の美は「性の欠如」。
肉体的な愛の対象になりにくい分、
精神的な愛を注ぎやすいのです。
女性が美童を愛する場合も同じ。
精神的な少年愛に男女差はありません。
とはいえ、猿楽の大成者・世阿弥が看破したように、
美童の美しさは「時分の花」。
成熟しても年老いても変わらず残る普遍的な美こそが
「まことの花」と知るべきでしょう。

感想・レビュー・書評

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          冬読(ふゆどく)
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  • 「魔性の女」に対抗するのは「美童」つまり美少年
    確かに美しいことは解るが自分には、そのような嗜好がないのでそれ以上高いレベルの「精神的な愛」と言われても共感は無い。
    というわけで★三つ

  • ・古代ギリシャの哲学者プラトンは、肉体的な愛より精神的な愛の方がレベルが高く、さらに高度なのは特定の人間の美しさではなく普遍的な美の概念を愛することだと説きました。彼らが美童を愛した理由のひとつはここにあります。

  • ふむ

  •  美童と銘打ちながら、美青年も紹介されている。
     「神話の美童」、《エンデュミオンの眠り》、今しも地上に降り立とうとする月の女神の裸身が美しい。構図も三角形だ。
     フェリェ《ガニュメデス》、変形Xの構図、鷲の羽毛と美童の皮膚の描き分けの妙。
     《ナルキッソス》、カラヴァッジョは名手だが、天上なる美少年を地上的に描きすぎる嫌いがある。
     ブーグロー《濡れるクピド》、この絵は文句なしに好きだ。
     「聖書の美童」、ソドマ《聖セバスティアヌス》、三島由紀夫がこの絵に冷淡なのは何故だろう。お気に入りのグイド・レーニ版に比べて筋肉が少ないせいだろうか。
     「画家の自画像」、やはりありましたパルミジャニーノ《凸面鏡の自画像》、澁澤龍彦も楽しげに紹介していたものだ。
     「美童の絵画史」、ローレンス《マスター・ラムトン》、『ポーの一族』の愛読者には忘れられない一幅。
     ルノワール《猫と少年》、初めて見る絵だ。                                                                                                                                                 

  • このシリーズの中では、ただなまめかしい少年がたくさん出てくるというだけで、知的な側面が比較的乏しい。

  • 闇シリーズがよかったので今シリーズも楽しみにしていました。
    知らなかった絵画でとても好みのものを見つけることができてよかったです。
    ウィリアム=アドルフ・ブーグローの『濡れるクピド』のまぁかわいいこと。
    あとはジュラ・ベンツールの『ナルキッソス』もほっぺのピンク具合とか美しくて好きです。

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著者プロフィール

山田五郎(やまだ・ごろう)
1958年、東京都生まれ。編集者・評論家。東京国立博物館評議員。AHS(英国古時計協会)会員。上智大学文学部在学中にオーストリア・ザルツブルク大学に1年間遊学し、西洋美術史を学ぶ。卒業後、講談社に入社。『Hot-Dog PRESS』編集長、総合編纂局担当部長等を経てフリーに。現在は時計、西洋美術、街づくりなど幅広い分野で講演、執筆活動を続けている。『ぶらぶら美術・博物館』(BS日テレ)、『出没! アド街ック天国』(テレビ東京)など、テレビ・ラジオの出演も多い。主な著書に『知識ゼロからの西洋絵画入門』『知識ゼロからの西洋絵画史入門』『知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠対決』『知識ゼロからの近代絵画入門』(以上、幻冬舎)、『ヘンタイ美術館』(共著・ダイヤモンド社)、『へんな西洋絵画』(講談社)など。

「2022年 『第2期:5巻セット 〈白の闇〉篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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