殉教 (アルケミスト双書 闇の西洋絵画史〈10〉)

  • 創元社 (2022年1月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (64ページ) / ISBN・EAN: 9784422701400

作品紹介・あらすじ

第2期【白の闇】篇刊行。
堂々のシリーズ完結!
大好評シリーズ「アルケミスト双書」、
『闇の西洋絵画史』篇、全10巻がついに完成!!
西洋美術の「闇」の側面を浮かび上がらせる、
妖しくも美しい西洋絵画史シリーズ(フルカラー)。

著者は編集者で評論家の〈山田五郎〉。


■著者・山田五郎より
西洋絵画には、
教科書には載せられない「影の名画」もあれば、
逆によく見る名画に「影の意味」が
隠されていることもあります。けれども、
今日の感覚では不健全と思える表現や寓意も、
描かれた背景を知れば納得でき、
見え方が変わってくるはずです。
西洋絵画の本質は、
その最大の特徴である陰影法と同様に、
光のあたる表面だけではなく
闇の側面も見ることで、はじめて立体的に
浮かび上がってくるのではないでしょうか。


■本シリーズの特徴
・1冊1テーマを詳説
・類をみないユニークな切り口
・1冊あたり約70作品を掲載
・コンパクトで瀟洒な造本
・本物の美術の教養に
・ゲームや漫画他、創作のための資料としても


■シリーズ
*第2期:【白の闇】篇
〈6〉天使
〈7〉美童
〈8〉聖獣
〈9〉楼閣
〈10〉殉教

*第1期:【黒の闇】篇
〈1〉悪魔
〈2〉魔性
〈3〉怪物
〈4〉髑髏
〈5〉横死


■まえがき(〈10〉殉教)
西洋絵画に描かれるキリスト教の殉教とは、
信仰や義のために甘んじて死を受け入れること。
イエスは信仰のために迫害されたときは
「他の町へ逃げて行きなさい」と教えています。
戦わずに逃げるのも、
逃げ切れなくなれば無抵抗で死を受け入れるのも、
「悪人に手向かってはならない」からです。
つまり、殉教とは決して自分から望む目的ではなく、
あくまで他者や状況に強いられて
やむをえず甘受する結果であり、
もとより教会が推奨するところではありません。
それでも殉教者の多くが聖人として崇敬され、
幾多の宗教画に描かれてきたのは、
人々の罪を贖うために無抵抗で
自らの命を犠牲にした
イエスの受難に重なるからです。

感想・レビュー・書評

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  • キリストの12使徒でさえ覚えきれないので、その他の殉教者は言わんや。聖セバスティアヌスとか聖カタリナあたりは画集でよく見たな。しかしまあ、殉教時の殺され方が、西洋人の残虐性を表していておぞましい。愛人になれと迫られて断ったので殺された?!それで聖人?!不可思議な!そもそもキリスト教は胡散臭い、いや西洋人自体の胡散臭さだろう。

  • 山田五郎さんのシリーズ本。
    美しい本です。全シリーズ揃えたいなと思います。
    殉教者たち。
    有名な人も、名前も知らなかった人も。
    ある種伝説みたいな扱いの人もいます。

  • 「横死」の読後程に落ち込まないのは「殉教」の過程が私には現実離れして見えるから。皮を剥ぐとか腸を引きずり出すとか・・・
    一神教故に殉教があるのでは。私は多神教徒だからあまり励まされないのかなぁ。

    「おわりに」より
    殉教は自発的に求める目的ではなく、受動的に甘受する結果にすぎません。殉教図は同じように理不尽な状況に苦しむ全ての人々を剥げますため描かれたのではないでしょうか。
    人はそのために死んでもいいと思えるほど信じられる何かがあれば、どんな苦痛にも耐えられると殉教図は教えてくれます。

  • 人に対してよくもまぁこんなひどい仕打ちができるものですね
    せっかく神様から与えられた自由意思を自分勝手なことに使うなんて人間はひどい
    しかし自分も同じ人間、ひどいことをし得る可能性が十分ある存在
    不信仰な自分は殉教に招いてもらえない
    つらいですね

  • 聖ウルスラの殉教について知りたく手に取りました。様々な殉教者についてコンパクトに概観できて良いと思います。一方で版が小さいため、肝心の絵の細かな部分が見にくいのがやや残念でした。
    時折キャプションに伺える諧謔がいかにも五郎さんらしいです。

  • 絵が美しく楽しめた。この本に載っているアトリビュートを全部覚えたら、絵を観る楽しみが増すだろうと思うのだが、覚えきれない…。。日本が帝政ローマに次ぐ殉教大国と知り驚いた。

  • ふむ

  •  表1カバーに聖セバスティアヌスを採用しておきながら、本文に三島由紀夫が愛したグイド・レーニ版が無い。有名すぎるから見送ったのだろうか。
     キリスト教が公認されるまでに天に召された殉教者は100万人に及ぶというが、後年、キリスト教はキリスト教で魔女狩りの愚行・蛮行を犯している。
     天使が殉教者を一度は救うのに、二度目の処刑はスルーする事例が多すぎる。
     聖女の殉教図は、何か別の要求から描かれたような気がしてならない。それはともかく、ホセ・デ・リベーラの「聖アグネス」は可愛くて神々しい。
     日本の殉教者が聖者ではなく福者だとは、法王庁も出し惜しみするものだ。

  • 殉教画の現代的意味は、”人はそのために死んでもいいと思えるほど信じられる何かがあれば、どんな苦痛にも耐えられると教えてくれること”とのこと。

  • 殉教したキリスト教の聖人たち一人ひとりを描いた絵画を載せて、業績や殺され方、絵画におけるその聖人の持物や象徴などを紹介している。斬新な視点のコレクション。さりげなく日本で殉教したキリシタンを描いた絵画も載せている心配りも良い。
    ボテロ展に行ったら、聖人を描いた作品があったので、参照できた。

  • [図書館]
    読了:2022/3/26

    殉教って、「自発的に求める目的ではなく受動的に甘受する結果(信仰のために迫害されたときは「悪人に手向ってはならない」から)」というのを初めて知った。

  • ・パリの聖ディオニジオ
     フランス名は聖ドニで、同国とパリの守護聖人。聖パウロの弟子で初代パリ司教となり、ローマ皇帝の命で仲間と共にモンマルトルで斬首刑に。それでも立ち上がって自らの首を運びながら説教して歩いたそうです。最後に墓と定めた場所に聖ドニ大聖堂が建てられました。

    ・聖エラスムス
     イタリア名はエルモで、フォルミアの司教。ディオクレティアヌス帝による迫害で、巻上機で腸を引き出され殉教を遂げました。彼が祈ると嵐や雷が止んだことから船乗りの守護聖人とされ、荒天時に帆柱の先が発光する現象は「聖エルモの火」と呼ばれます。

  • 『白』でいいのかこのテーマ。
    あとがきでは奇麗に〆られているけれど、大半は興味本位…好奇心なんじゃないかなぁ。少なくとも私はそうだ。
    前回読んだ「天使」と比べて、絵画の題材としてはよくありつつ馴染みの薄いテーマなので、知らない絵や事が多くありがたい。江戸初期の殉教者が描かれているなんて思いもしなかった。
    贅沢を言えば、19世紀以降の同テーマを題材にしたものが見たかった。

  • 天使のときも感じたけれど、やっぱりキリスト教にそれほどなじみがないのでこれに載っている使徒や聖人の名前をほとんど知りませんでしたし、どれも同じようで今まであまりよくわかりませんでしたが、ここまで連続してまとめて見ることができると違いが比べやすくてよいですね。
    それにしてもむごい殺し方の多いこと...
    ニコラ・レニエの『聖イレネに介抱される聖セバスティアヌス』が美しくて好きでした。
    ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョの『聖ペトロの磔刑』が磔刑されているところではなく、これからなところが映画をみているようでよかったです。
    おもしろいと思ったのは斬首された後、自分の首を運んだというパリの聖ディオニジオ。

    闇の西洋絵画史全10冊読み終わりました。
    テーマごとに絵画を見ることができると理解が深まる気がするので第3弾もあると嬉しいです。

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著者プロフィール

山田五郎(やまだ・ごろう)
1958年、東京都生まれ。編集者・評論家。東京国立博物館評議員。AHS(英国古時計協会)会員。上智大学文学部在学中にオーストリア・ザルツブルク大学に1年間遊学し、西洋美術史を学ぶ。卒業後、講談社に入社。『Hot-Dog PRESS』編集長、総合編纂局担当部長等を経てフリーに。現在は時計、西洋美術、街づくりなど幅広い分野で講演、執筆活動を続けている。『ぶらぶら美術・博物館』(BS日テレ)、『出没! アド街ック天国』(テレビ東京)など、テレビ・ラジオの出演も多い。主な著書に『知識ゼロからの西洋絵画入門』『知識ゼロからの西洋絵画史入門』『知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠対決』『知識ゼロからの近代絵画入門』(以上、幻冬舎)、『ヘンタイ美術館』(共著・ダイヤモンド社)、『へんな西洋絵画』(講談社)など。

「2022年 『第2期:5巻セット 〈白の闇〉篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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