イタリア・ルネサンス 古典復興の萌芽から終焉まで (創元美術史ライブラリー)

  • 創元社 (2023年11月16日発売)
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本 ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784422701516

作品紹介・あらすじ

創刊!「創元美術史ライブラリー」

世界の美術を通じて
学びを深める
教養・啓蒙書シリーズ
〈口絵有、図版多数〉

*

文明が発達するはるか以前から、
人間は生きるための道具として
モノをつくってきました。
社会が形成されるにともない、
やがて時の権力者や富裕層がパトロンとなり、
信仰や権力を象徴する絵画や彫刻、
工芸、建築といった造形芸術が発展します。

それらはいつの時代も、いわば「鏡」として
社会のあり様をあざやかに映し出しています。
美術の興りとその流れをたどることは、
当時の社会状況を理解するというだけでなく、
いにしえより続く人間の営みを見つめ、
様々な価値観にふれることでもあります。

本シリーズは、幅広い時代と地域を舞台に、
誰もが知る巨匠から知られざる革新的な作家まで、
その豊かな創造性によって生み出された
多様な美の世界へと誘います。

*

【第1回配本】
『イタリア・ルネサンス
--古典復興の萌芽から終焉まで』

レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、
数多の芸術家たちが登場し、
傑作群が生み出された時代、ルネサンス。
中世を経て、古代ローマ・ギリシャの思想と
芸術が再興した背景には何があるのか。
なぜイタリアで芽吹き、
いかなる発展を遂げ、衰退していったのか。
封建社会の崩壊から
自治都市国家の形成、メディチ家の台頭、
国家間の戦争といった社会の動きを軸に、
近代に至るまで長らく規範とされた
ルネサンス美術の本質に迫る。
〈口絵有、図版多数〉

感想・レビュー・書評

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  • 美術と社会の両面からルネサンス全体を眺める本。
    類書は多数あるが、入門書を今買うならこれがベストと思えるほど素晴らしい。
    知識ゼロでも読める敷居の低さと、解説のほどよい質と量が合わさり欠点が見当たらない。

  •  ルネサンスは如何にして興り、如何にして廃れたのか。ルネサンス以前から歴史を概観しつつ、具体的な芸術作品に触れてその変遷と特色を解き明かします。

     自分は今までルネサンスには漠然とした懐古趣味程度の認識しか持っていませんでしたが、読後かなり認識が変わりました。
     以前読んだ『サピエンス全史』に文明には不可逆性があると云うような事が書かれていましたが、その意味で間違いなくルネサンスは歴史的なターニングポイントだったのだと思います。人類は農耕を始めた時から狩猟民族に戻れなくなったように、或いは資本主義社会が資本主義以前の文明に退行出来ないように、芸術もまたルネサンス以前には戻れない。而してルネサンスは単なる懐古趣味や退行では決して有り得ない。或る種の温故知新であったのでしょう。

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著者プロフィール

池上 英洋(いけがみ・ひでひろ):1967年、広島県生まれ。東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。現在、東京造形大学教授。専門はイタリア・ルネサンスを中心とする西洋美術史・文化史。『レオナルド・ダ・ヴィンチ――生涯と芸術のすべて』(筑摩書房)で第4回フォスコ・マライーニ賞を受賞。『西洋美術史入門』(プリマー新書)、『西洋美術史入門〈実践編〉』(プリマー新書)、『パリ 華の都の物語』(ちくま新書)など著書多数。

「2024年 『自分につながるアート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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