日本人のこころの言葉 良寛

著者 :
  • 創元社
3.50
  • (2)
  • (1)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 17
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422800554

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 故郷新潟の歴史上の人物と言えば、上杉謙信、河合継之助、山本五十六が挙げられますが、良寛さんも忘れてはいけません。出雲崎の名主の家の長男として生まれながら出家し、岡山で修業を終えた後は、住職にはならず、故郷に戻り小さな庵で暮らした清貧の僧です。本書は良寛さんの歌を紹介しながら彼の生き方を振り返りますが、あらためて気がついたのは、良寛さんは仏教の原点、禅宗の僧の原点に立ち返り、生涯、修行を生業として生きようとしたのだなということでした。
    五合庵などゆかりの地には何回も行っていますが、ここしばらくはご無沙汰しています。良寛さんは晩年、三条大地震に遭っています。この疫病の時代を見たらなんと言われるだろう。そんなことを想いながら、コロナ禍が終息したらまた訪れたいと思います。

  • 良寛さま関連の本に触れていると、
    後から迫ってくる追手がフイ、といなくなる。

    『早くせよ』
    『早くせよ』と、私の背中をぐいぐいと押してくるイヤな輩が忽然と消えていなくなってしまう。

    私はその瞬間、
    辺りも一緒に真っ白になってしまうような感覚に怯える。
    今まで
    足元にあった矢印が消え、行き先がわからなくなってしまった事に不安を覚えるのだ。

    『心月輪』

    >心は満月そのものです…

    月が出ていた。

    暗闇の空に、そういえばいつも月は変らず浮かんでいた。

    あの満ちた月を見て

    (自分の心の様だな)と、良寛さまは一人思っている。

    ちっぽけな五合庵にて一人静かに思っている。

    >世の中にまじらぬとにはあらねども
    ひとり遊びぞわれはまされる

    世間の事に関係しないわけではありませんが、
    孤高の精神世界に遊ぶ事が自分には一番の喜びなのです。

    月明かりはやがて、不安定な私も足元まで静かに照らし始める。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1939年静岡県生まれ。駒澤大学大学院修士課程修了。曹洞宗教化研修所研修所員、同所講師、主事、曹洞宗総合研究センター教化研修部門講師等を務める一方、大正大学、武蔵野大学等の非常勤講師(死生学、生命倫理等)、「南無の会」副総務、可睡斎僧堂後堂、京都市・龍宝寺住職等を歴任。

「2017年 『縁を生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野東禅の作品

ツイートする
×