愛と家事

  • 創元社 (2018年1月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784422930770

作品紹介・あらすじ

「家族をつくることに失敗した。」こんな書き出しではじまるエッセイ集。ZINEとして2016年8月に発行し、好評を博した広い意味での「家族」をテーマとする自伝的作品『愛と家事』。その増補再編集版。虐待までされてないし、愛されている。けれど、お母さんとなんかしっくりいかない。形は違えども、多くの女性が抱える、母親の「愛情が重たい」という苦悩や、一度目の結婚の失敗と挫折からの回復などを赤裸々に綴り、共感を呼んだエッセイ集。新たに、30歳頃に遅れてやってきた母への反抗期や、淡路島の農家で共に暮らした祖父母の話などを加えた、小さいけれど切実な話をつづった可憐な小品集。★本書を推薦します。愛に関する正解は、全部「自分」が決めていい。―植本一子(写真家)

感想・レビュー・書評

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  • 読書メーターの方をひさしぶりに開いたら、「読みたい本」に登録されていたので読んでみた。
    どうして読みたいと思ったのかさえすっかり忘れてて、あらすじも予備知識もなかったので、勝手に料理研究家的な方が家事について書いたエッセイだと思い込んでいたんだけど、違いましたね。
    とても個人的な内容で、たまたまたどり着いた見知らぬ方のブログを読んでいる気持ち。
    生まれ育った家族や元夫さんに対する恨みつらみが続くじめっとした感じが、ちょっと怖くて不安になった。
    結婚生活は夫婦それぞれどのような捉え方があっても納得だけど、母親としては娘から将来こんなふうに思われ書かれ本にされたらと思うと不憫でしかたない。母娘関係も単に相性の問題なのかな。愛情とは難しい。
    再婚されて、新たな形の家族を模索していく中でいろいろと気づきを得られたようで、なによりです。

  • 元夫や母親、家族や生まれ育った環境など自分の心に深く潜って書かれた本
    自分はこんなに辛かったんだ、というのをまざまざと見せられ続けて少し読み疲れてしまった
    家族も人間同士だから相性はあるだろうなと改めて思った
    愛、って難しい
    タイトルになってる愛と家事について書かれたところは少し分かる気がする
    あとがきに植本一子さんの「かなわない」に触発されて書いたとあって、妙に納得してしまった
    自主制作されたZINEが元になっているそうなのでページ数は少ないです

  • 1982年生まれの30代の女性が書いた文章だとは思わなかった。いや、文章が大人びてるというわけではなく、赤裸々な半生とそれをものすごく淡々と冷静に見てるように思ったから。でも時々見せるあどけなさ、不安定さを感じ、そこでやっと著者の年齢が気になった。
    30代って、強がってたい年頃なんじゃないかと思う。でも、弱さとものすごく向き合ってるというのかなぁ、弱いのは悪いことじゃない!って思わせてくれた。
    そして、私は悪くなかった。良くもなかったけど、不器用に生きるのが人間なんだ。だから、私は私のままでいいのだ、と思えた。
    図書室で借りて読んだけど、手元に置いておきたいと思う。

  • こういう、わたしも悪いのよ、悪いんだけど、といいながら人の文句ばっかりゆう人きらいです。すみません。60ページくらい読んで不愉快すぎて一度本閉じました。最後に、自分の人生を人のせいにして文句ばかりゆうのはやめたい、と、自らおっしゃっていたので星1つだけつけます。

  • 「愛と家事を切り離したい」という言葉はとても刺さる。

    「逃げ恥」もそうかもしれないし、植本一子さんの「かなわない」もそうかもしれないけど、愛と家事の関係を切り離したくて、でもうまく切り離せなくて、模索している。

    日本にいると、そうしたことはとてもウェットな感情で語られるし、そうした感情は嫌いじゃない。でも、あたらしい家族のかたちを探して築こうとしている人も増えていると思う。一人でも、二人でも、パートナーどうしそれぞれ恋人を作っていたとしても、全くの他人と住んでいても、いろんな状況でそれを「家族」と呼ぶことはできるし、いろんな形があっていい。
    愛と家事を切り離した先にある「自由」に、皆あこがれを抱いていて、でもまだそこまで吹っ切れない感じが今の世の中じゃないだろうか?
    淡々としながらもどこか後ろめたいようなそんな感情も相まみえる文章を読んでいて、そんなことを思った。

  • ものすごくよくわかる。母から離れてどんどん遠くに行きたい、そうしないと自分の人生を生きられない、という気持ち。わたしもそうだった。母はわたしを縛りつけようとしていた。わたしは自由になりたかった。

    フェミニストのことが出てくる。わたしは大学生のころ相当なフェミニストかぶれで、その後就職してからは、男と女は同じでなければならないという考え方は間違っていたかなと思うようにもなったのだけど(まったく違う生き物という面もあるので)、誰もが生きやすい社会を求める考え方だとするならば、やっぱりわたしはフェミニストだなと思う。
    離婚して再婚して、今はカナダに住んでおられるそうで、カナダの恋愛や結婚、家族のことも書かれていて興味深かった。離婚率が50%くらいで、ゆえに変な目で見られるようなことは全くないことなど。
    非常に個人的だけど、家族や愛のことについて考えるきっかけを与えてくれる良い本。

  • 80冊目(12-4)

  • 重たくて苦しい気持ちになるのは自分に思い出すところがあるからだろうなと思った。

  • 言葉がしっかり歩いている。止まらず、浮足立たず。アメリカではなく、カナダを見た人。凝視するのではなく、目をそらすのでもなく、向き合って、でも決めつけない。現在進行形の。
    背筋が伸びているというのとも違う、現実感。地に足がついた言葉。

  • 母親って何だろう。親って何だろう。
    子供の役割はなんだろうと考えながら、私は逃げた。落ち着いた場所へ。
    けど、そこについても逃げてきたという罪悪感は捨てられなかった。親と子。家族という形や望まれるもの。
    私が体験したものや考えたものはまだ消化できずに心の中でくすぶって言葉にできない。
    けど、子供にだけは同じ思いやしがらみを与えたくない。律していかなければと改めて思った。

  • 育った環境、親の思いなどで作られた理想の鋳型にはめ込もうとするから、期待したり、うまく行かないと悔やんだりする。
    互いの輪郭は違って当たり前、その輪郭を日々伸びたりのりさせて、夫婦の形を作っていく
    好きなことを毎日楽しく良いことばかりが愛ではない。
    憎んだり慈しみあったり、すでにいない人の記憶を心の中にいっぱいになるのも、一時の熱情で結び付くのも愛のひとつの形
    家族の概念は自分達で更新する
    周りとは違う基準だっていい
    伝統、常識、過去のやり方ではなく
    これから

  • 367.3

  • 好意的なレビューが多いけど、私は読んでいてとても不愉快だった。何が不愉快なのかわからないけど、好きではなかったです。

  • 真摯な文章はそれだけで刺さるものがある。

  • 愛と家事の矛盾。胸がつまったり、スーッとしたり。家族も結局は自分とは違う他人だ。自分という輪郭は必要に応じて変化する。

  • こういった本が
    出版される世の中であることが嬉しい。

    自由なんだなーと思う。
    みんな、言いたいことは言えばいい。

    この作品を生み出してくださって
    ありがとうございます。

  • ーーー血と愛以外の何かでつながれるものがあるとしたらなんだろう。ーーー

    語弊を恐れず一言で本書を表現すると、とても個人的な本(良くも悪くも)。
    あっという間に読んでしまった。
    おかあさん、好きな人、元夫、家族になれなかった人たち、家族だった人たち、今の夫、家族って何、新しい家族の形を模索した一冊だった。
    家族に苦しむひとはきっとたくさんいる。
    本書はその気持にそっと寄り添ってくれる。
    誰かと生活をしながら幸せになりたい。
    その希望が書かれている。

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著者プロフィール

編集者、ライター。
淡路島出身。
奈良女子大学卒、同大学院人間文化研究科を終了。
2011年よりフリーランス。
書籍を中心に編集、校正などで活動。
手に取った人に何か発見がある本をつくっていきたい。
企画編集に「戦争社会学ブックガイド 現代社会を読み解く132冊」(野上元、福間良明編著 創元社)がある。

「2013年 『福祉施設発!こんなにかわいい雑貨本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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