科学史からキリスト教をみる (長崎純心レクチャーズ 第 5回)

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  • 創文社出版販売
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784423301142

作品紹介・あらすじ

1543年、コペルニクスは地動説を発表したためにカトリック教会によって弾圧されたのか、それとも褒められたのか?ガリレオ裁判をはじめ、われわれは「宗教と科学の対立」という見方で捉えがちであるが、ホーリー・デザインの解明を求めた16〜17世紀の「科学」は教皇庁の推奨をうけたものであり、近現代の科学とは大きく異なるものであった。学問体系からキリスト教的枠組が取り払われる18世紀以降を近代と位置づけて、聖俗革命という概念を提唱してきた著者は、常識にとらわれず異文化として歴史に向き合うことの意義と面白さをとく。さらに、環境破壊はキリスト教が元凶かという問題に踏み込んで、環境問題が提起する人間の欲望充足の限界を論じる。平易な語り口で自然科学の歴史のみならず近代学問の歩みを辿るとともに、現代われわれが直面する近代科学技術文明の弊害の根を問い、新しい倫理を展望する講演。

感想・レビュー・書評

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  • 【選書者コメント】科学史、キリスト教、一見共通性の見られないテーマが歴史を通じて関係しあう様を見る。
    [請求記号]4000:628

  • 科学とキリスト教はどのように折り合いをつけてきたのか、以前から気になっていたので非常に興味深かった。

    whig史観的な二元論、今日の様々な事柄に当てはまる問題なのだろうと思う。
    神学によって統一されていた学問大系から、自由思想家たちが人間理性を最高位に置いた信仰解釈を経て、啓蒙時代には神からは自由な細分化された学問になっていった、「脱キリスト教」の流れは本当におもしろい。

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著者プロフィール

1936年東京生まれ。科学史家、科学哲学者。東京大学教養学部卒業、同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。東京大学教養学部教授、同先端科学技術研究センター長、国際基督教大学教養学部教授、東洋英和女学院大学学長などを歴任。東京大学名誉教授、国際基督教大学名誉教授。『ペスト大流行』『コロナ後の世界を生きる』(ともに岩波新書)、『科学の現代を問う』(講談社現代新書)、『あらためて教養とは』(新潮文庫)、『人間にとって科学とは何か』(新潮選書)、『死ねない時代の哲学』(文春新書)など著書多数。

「2022年 『「専門家」とは誰か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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