- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784423710562
作品紹介・あらすじ
「法の支配」という視点から平和構築活動に迫った本書は、第1部において国連文書等の分析を通じ基本概念の説明を行い、さらに思想的・歴史的背景を描出することで全体像を浮き彫りにする。第2部では和平合意・選挙活動・法執行活動・司法活動など問題領域ごとに各地の平和活動の実情を具体的に検討し、実践の要請に応え得る戦略的モデル「法の支配アプーチ」を提示する。日本の国際貢献を巡る議論に確固たる視座を与え、多くの人の夢-戦争のない世界-実現に向けて放たれる、国際政治の最前線を踏まえた鮮烈なメッセージ。
感想・レビュー・書評
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平和構築とは何か、法の支配とは何か、平和構築の法の支配アプローチ、そして、和平合意、選挙、法執行活動、司法活動それぞれの、平和構築における意義を論じる。
平和構築について大局的な視点から考えることができる良書。
紛争地域への民主主義の普及、法の支配の精神の注入が、なぜ欧米的価値観の押し付けでないと言えるのか、はたしてどのように平和構築において不可欠であるのか説明がなされているのが最も興味深く感じられる点だった。
平和構築について、あくまで法支配という側面だけではあるが、概念を捉えるには申し分ない出来。これを入門として、個別具体的な法律や制度、実際の活動内容などに入っていくのも良いだろう。
これまではなんとなく、紛争が終わったら、和平合意して、新しい選挙をして、戦争犯罪者は逮捕して裁判にかけるという流れを、そういうものだと聞き流してた感じだったけど、この本を読んで、それが法の支配として、平和構築においてどのように意義づけられるかを考えることができた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
概念的な法律論だけで終わらず、実際に法律が紛争地域において果たしうる役割が事細かに分析されている。名著。
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平和学で使用。