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- 本 ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784425911011
感想・レビュー・書評
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著者がこれまで参加した主要な水中考古学の現場、つまり発掘プロジェクトを回想する形で、水中考古学という学問の思想や方法を分かりやすく紹介する。水中考古学は水没した遺跡・遺構、あるいは沈没船など、水中にある物が研究・発掘の対象である。地上での発掘・調査と共通する部分もあるが、多くは水中(海中)という特殊な環境にさらされており、それ故の様々な理論や方法論――堆積物の除去、潜水中の地上との連絡、資料の保存や復元など――が、現在も探求され続けている。
本書は地中海やカリブ、東アフリカ、九州での沈没船探索や遺跡探索のプロジェクトが紹介されている。おそらく高校生くらいを読者対象と想定しているのだろう、著者一人称による語りの形式で、肩のこらない雑談風に読みやすく書き起こしている。沈没船という言葉には何かロマンのようなものがあるが、そのロマンを追い求める現場の様子が伺える好著である。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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