- Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
- / ISBN・EAN: 9784426104962
感想・レビュー・書評
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赤木さんの読み聞かせについての言動には、
いつもなんだかもやもやしたものを感じていました。
なんなのだろう、と常々思っていたのですが、
これを読んでなんとなく見えてきたようなきがします。
赤木さんは子どもを単なる消費者に育てようとしているように思えるのです。
「ウケる本」、このいい方も品がなくて好きではありませんが、
ウケる本しか読まなくて良い。
子どもが喜ぶものだけ読んであげること。
もちろん子どもを本嫌いにしたくない一心で
下手な読み聞かせを戒める意味もあると思います。
けれども、やはりこの子どもに喜ぶものだけというのは、
一見子どもを尊重しているように見えて、
実は損なっているのではないかと思えて仕方ありません。
確かに子どもの自分に必要なものに対する嗅覚は驚異的です。
それを侮るつもりは毛頭ありません。
しかしながら、それは万能ではありません。
小腹の空いた時に、コーンスナックを目の前におき、
同時に、もしあと3時間待てば北海道産のとれたてトウモロコシが届くよ、
どっちが食べたい?と聞かれて、
子どもは必ず3時間待ってトウモロコシを選ぶとは限りません。
それは我慢することへの耐性がついていないこと、
穫れたてトウモロコシの美味しさをしらないこと、
栄養価の知識の不足、などいろいろな原因があります。
ですから、この場合、コーンスナックを目の届かないところへ置き、
3時間をなんとか気を紛らわせてやり過ごさせ、
美味しい焼きトウモロコシを作ってあげるのが
大人の責任というものではないでしょうか。
たとえがあまり適切ではなかったかしら(笑)
つまり多少の困難を乗りこえさせ、
本質的に良い本にふれる機会をつくる、ということです。
(この「良い本」というのも胡散臭いと思われてしまうかもしれませんが)
私を含めて多くの人たちは本が子どもたちの糧となり、
新たに何かを生み出す創造的な人間に育っていくのが見たいはずです。
大量消費時代の社会をなぞるように、
次から次へとそこそこ楽しめる本を消費するだけの人になって欲しいわけではありません。
学校の図書の時間はほとんどが自由読書で
指導が行き届かないことも多いのが現状です。
その場合、読んでおいてほしい本と巡り会う機会のないまま、
その時期を通り過ぎてしまうことが往々にしてあります。
少しでもその穴埋めになるような読み聞かせをするというのは
決して間違った試みではありません。
下手な読み聞かせが子どもに苦痛を与えるのは大変遺憾ですが、
しょせんボランティアの読み聞かせであれば、
失敗はあっても不思議はありませんし、
断罪するべきことではありません。
それよりも影響力の高い立場の方が書籍の中で、
子どもが喜ぶものだけ読みましょう、
などということの方がどれほど大きな害悪に相当するのか、
1度きちんと考える必要があるのではないでしょうか。
司書など、本にたずさわるプロフェッショナルですら、
(嘆かわしくも)この本を手引きにする可能性があることを考えれば、
このような読み聞かせについて指南する本は、
いかに子どもにきちんと優れた本を手渡すか、
という工夫について書かれるのが順当ではありますまいか。
また「きちんと優れた本」というものの定義についても
多くの議論があることと思います。
赤木さんが良いと思う本、もう必要ないと切り捨てる本、
いわゆる本の取捨選択についても私には疑問が多くのこります。
どのような本こそが読まれるべきなのか、
そこのあたりは赤木さんだけでなく
我々子どもにたずさわる大人全員が
もう少し真剣に考える必要があろうかと思います。
なんとも長くなってしまいましたが、
最後まで読んで下さった方には御礼申し上げます。
言い尽くせていないところや、
言葉足らずで誤解を招く部分もあるかと思います。
気分を害した方がいらしたら、申し訳ありません。-
四月猫荒らしさん、こんにちは♪
読み終えるまで50回くらい頷いてしまいました(笑)
まさに、まさにそのとおりです。とうもろこしのたとえも...四月猫荒らしさん、こんにちは♪
読み終えるまで50回くらい頷いてしまいました(笑)
まさに、まさにそのとおりです。とうもろこしのたとえも分かりやすいです。
必ず成功する、という表現からしていやらしいです。
ウケたかウケないかで成功か失敗かを分けるなら、ウケルって何なのでしょう?
子どもたちが喜ぶといいますが、では喜ぶとはどんなことなのでしょう。
僅か12名しかいない読書ボランティア仲間にも「ウケる手遊びを教えて」とか「ウケる絵本を教えて」という声がたえません。
その場限りの楽しさを求めるなら、お話会の必要などありません。
小さくても小さいなりに、その年齢にふさわしい選書というのがあるはずです。
この、選書というのが本当に難しい・・私だってそんなに自信はありません。
ただ、何十年もの歳月にたえた作品は、価値があると思っています。昔話など特にそうですよね。
ただ、地味で読みにくいという理由で好まれません。
素話も、子どもたちが理解できないからと、敬遠されているが現状です。
理解できるとは、では何なのでしょうね。
かん子さんの著書がある意味バイブル的扱いなのがどうも納得がいかなかったので、わが意を得たりでございます。
ただ、私はこれを言い出す勇気がありませんでした。素人なので。
四月猫荒らしさんのレビューで思いがけず読むことが出来て、嬉しく思います。2014/03/14 -
ううう、恥ずかしい。
なんともまだ論理的に整理されきっていない批判であったという反省もあるのですが、
思いがけずnejidonさんの...ううう、恥ずかしい。
なんともまだ論理的に整理されきっていない批判であったという反省もあるのですが、
思いがけずnejidonさんのご賛同をいただけて、心強く、ありがたく思いました。
結局この方は子どもを楽しませるエンターテナー(これ自体は悪くありませんが!)であり
決して、子どもの伸びる力を尊重し、それを最大限伸ばしていこうとする教育者ではありません。
子どもを「お客さん」、ただの「消費者」として扱っているだけなのです。
これで自分は子どもの味方を気取っているのですから始末に負えません。
どうしても納得いかないことに対しては
素人、玄人関係なく、きちんと声を上げていかなくては
悪貨が良貨を駆逐してしまうと思います。
子どもと本の関わりに多少なりとも責任を感じる大人の1人として、
この本を強い反面教師にして、自戒していこうと思いました。
nejidonさん、わたくしが肉食系司書だと自称している理由が
少しおわかりいただけたでしょうか?
時々噛みつかないと、歯がかゆくなるのです(笑)2014/03/14 -
四月猫荒らしさん、お返事を読んで気持ちが引き締まる思いです。
私の所属するボランティアは、単なる有志の集まりではありません。
市の生涯学...四月猫荒らしさん、お返事を読んで気持ちが引き締まる思いです。
私の所属するボランティアは、単なる有志の集まりではありません。
市の生涯学習課が企画する研修に、共に3年間学んだものたちなのです。
それでも、活動が始まればこうも個々に変わっていくのです。
いかに人が、易きに流れるかということですね。
もちろん、そこにはそれなりの努力も工夫もあることと思いますが、目指していた方向とは違っていることは明白です。
初めの頃は私も強く反発し、意見も言っていましたが、「和をもって尊し」としたために言わなくなりました。猛省しています。
フリースクールのお話会で目指す道を真摯に模索中ですが、組織全体としての流れはまことに心もとないです。
年度があらたまった時点で、もう一度所信表明ですね。やってみます。
はい、「肉食系」さんに感謝です!2014/03/15
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読みきかせをはじめようと考えていたり、取り組んでいたりする人に最適な入門書。読みきかせをするうえで役立つ具体的なアドバイスや、色々なテーマに関する絵本が紹介されていて実践に役立ちます。(2008.10.24)
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少し前の絵本を知るにはとてもよい
また声の出し方の項目はとてもよかった。普段行っている方法を言語化してもらった印象。
いちばんつよいのはオレだ
ウラパン・オコサ
ありとすいか
みずまき
ながーいおはなのぶたくん
あかがいちばん
ガンバレ!!まけるな!!ナメクジくん
ストライプたいへん!しまもようになっちゃった
ぼく、ムシになっちゃった
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図書館本。この本を読んでから、自分は読み聞かせのセミプロになるのか、と初めてプロ根性を認識しました。特に、読み聞かせのためのボイトレと巻末の読みきかせQ&Aが勉強になりました。
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読み聞かせボランティア(小学生)を始める人におすすめの本。読み聞かせにおすすめな本とその理由が明け透けに書かれている。こちらに載っている本、読んでみたいと思います。
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読み聞かせをしてもらう子どもの目線、ボランティアやおうちで読み聞かせをする人も視野に入れた実用的な本。30年経った本は殿堂入りするから、プロの領域だというのが心に残った。子どもは今を生きている。今をつかまえるのがオトナには難しい。また改訂版も出していただけたら。のせてる本を新しくしてもらって
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本の紹介と読み聞かせ技術の紹介はわけるベキだったかな
著者プロフィール
赤木かん子の作品





