かならず成功する読みきかせの本

著者 :
  • 自由国民社
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  • / ISBN・EAN: 9784426104962

感想・レビュー・書評

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  • 最後のQ&Aは面白かったな。
    本の紹介と読み聞かせのコツ?が順不同に出てくるからなんだか分かりにくい本だった。
    タイトルも「かならず」って…やってみないとわからない、そう、科学実験で!って違った。でも読み手それぞれのキャラクターがあるんだから、「必ず」はない訳で。私は成功しても他の人にとっては成功しない物も多々あるし。

  • 赤木さんの読み聞かせについての言動には、
    いつもなんだかもやもやしたものを感じていました。

    なんなのだろう、と常々思っていたのですが、
    これを読んでなんとなく見えてきたようなきがします。

    赤木さんは子どもを単なる消費者に育てようとしているように思えるのです。

    「ウケる本」、このいい方も品がなくて好きではありませんが、
    ウケる本しか読まなくて良い。
    子どもが喜ぶものだけ読んであげること。
    もちろん子どもを本嫌いにしたくない一心で
    下手な読み聞かせを戒める意味もあると思います。

    けれども、やはりこの子どもに喜ぶものだけというのは、
    一見子どもを尊重しているように見えて、
    実は損なっているのではないかと思えて仕方ありません。

    確かに子どもの自分に必要なものに対する嗅覚は驚異的です。
    それを侮るつもりは毛頭ありません。
    しかしながら、それは万能ではありません。

    小腹の空いた時に、コーンスナックを目の前におき、
    同時に、もしあと3時間待てば北海道産のとれたてトウモロコシが届くよ、
    どっちが食べたい?と聞かれて、
    子どもは必ず3時間待ってトウモロコシを選ぶとは限りません。
    それは我慢することへの耐性がついていないこと、
    穫れたてトウモロコシの美味しさをしらないこと、
    栄養価の知識の不足、などいろいろな原因があります。
    ですから、この場合、コーンスナックを目の届かないところへ置き、
    3時間をなんとか気を紛らわせてやり過ごさせ、
    美味しい焼きトウモロコシを作ってあげるのが
    大人の責任というものではないでしょうか。

    たとえがあまり適切ではなかったかしら(笑)

    つまり多少の困難を乗りこえさせ、
    本質的に良い本にふれる機会をつくる、ということです。
    (この「良い本」というのも胡散臭いと思われてしまうかもしれませんが)

    私を含めて多くの人たちは本が子どもたちの糧となり、
    新たに何かを生み出す創造的な人間に育っていくのが見たいはずです。
    大量消費時代の社会をなぞるように、
    次から次へとそこそこ楽しめる本を消費するだけの人になって欲しいわけではありません。

    学校の図書の時間はほとんどが自由読書で
    指導が行き届かないことも多いのが現状です。
    その場合、読んでおいてほしい本と巡り会う機会のないまま、
    その時期を通り過ぎてしまうことが往々にしてあります。
    少しでもその穴埋めになるような読み聞かせをするというのは
    決して間違った試みではありません。

    下手な読み聞かせが子どもに苦痛を与えるのは大変遺憾ですが、
    しょせんボランティアの読み聞かせであれば、
    失敗はあっても不思議はありませんし、
    断罪するべきことではありません。

    それよりも影響力の高い立場の方が書籍の中で、
    子どもが喜ぶものだけ読みましょう、
    などということの方がどれほど大きな害悪に相当するのか、
    1度きちんと考える必要があるのではないでしょうか。
    司書など、本にたずさわるプロフェッショナルですら、
    (嘆かわしくも)この本を手引きにする可能性があることを考えれば、
    このような読み聞かせについて指南する本は、
    いかに子どもにきちんと優れた本を手渡すか、
    という工夫について書かれるのが順当ではありますまいか。

    また「きちんと優れた本」というものの定義についても
    多くの議論があることと思います。
    赤木さんが良いと思う本、もう必要ないと切り捨てる本、
    いわゆる本の取捨選択についても私には疑問が多くのこります。
    どのような本こそが読まれるべきなのか、
    そこのあたりは赤木さんだけでなく
    我々子どもにたずさわる大人全員が
    もう少し真剣に考える必要があろうかと思います。

    なんとも長くなってしまいましたが、
    最後まで読んで下さった方には御礼申し上げます。

    言い尽くせていないところや、
    言葉足らずで誤解を招く部分もあるかと思います。
    気分を害した方がいらしたら、申し訳ありません。

    • nejidonさん
      四月猫荒らしさん、こんにちは♪
      読み終えるまで50回くらい頷いてしまいました(笑)
      まさに、まさにそのとおりです。とうもろこしのたとえも...
      四月猫荒らしさん、こんにちは♪
      読み終えるまで50回くらい頷いてしまいました(笑)
      まさに、まさにそのとおりです。とうもろこしのたとえも分かりやすいです。
      必ず成功する、という表現からしていやらしいです。
      ウケたかウケないかで成功か失敗かを分けるなら、ウケルって何なのでしょう?
      子どもたちが喜ぶといいますが、では喜ぶとはどんなことなのでしょう。
      僅か12名しかいない読書ボランティア仲間にも「ウケる手遊びを教えて」とか「ウケる絵本を教えて」という声がたえません。
      その場限りの楽しさを求めるなら、お話会の必要などありません。
      小さくても小さいなりに、その年齢にふさわしい選書というのがあるはずです。
      この、選書というのが本当に難しい・・私だってそんなに自信はありません。
      ただ、何十年もの歳月にたえた作品は、価値があると思っています。昔話など特にそうですよね。
      ただ、地味で読みにくいという理由で好まれません。
      素話も、子どもたちが理解できないからと、敬遠されているが現状です。
      理解できるとは、では何なのでしょうね。

      かん子さんの著書がある意味バイブル的扱いなのがどうも納得がいかなかったので、わが意を得たりでございます。
      ただ、私はこれを言い出す勇気がありませんでした。素人なので。
      四月猫荒らしさんのレビューで思いがけず読むことが出来て、嬉しく思います。
      2014/03/14
    • april-catさん
      ううう、恥ずかしい。

      なんともまだ論理的に整理されきっていない批判であったという反省もあるのですが、
      思いがけずnejidonさんの...
      ううう、恥ずかしい。

      なんともまだ論理的に整理されきっていない批判であったという反省もあるのですが、
      思いがけずnejidonさんのご賛同をいただけて、心強く、ありがたく思いました。

      結局この方は子どもを楽しませるエンターテナー(これ自体は悪くありませんが!)であり
      決して、子どもの伸びる力を尊重し、それを最大限伸ばしていこうとする教育者ではありません。
      子どもを「お客さん」、ただの「消費者」として扱っているだけなのです。
      これで自分は子どもの味方を気取っているのですから始末に負えません。

      どうしても納得いかないことに対しては
      素人、玄人関係なく、きちんと声を上げていかなくては
      悪貨が良貨を駆逐してしまうと思います。

      子どもと本の関わりに多少なりとも責任を感じる大人の1人として、
      この本を強い反面教師にして、自戒していこうと思いました。

      nejidonさん、わたくしが肉食系司書だと自称している理由が
      少しおわかりいただけたでしょうか?
      時々噛みつかないと、歯がかゆくなるのです(笑)
      2014/03/14
    • nejidonさん
      四月猫荒らしさん、お返事を読んで気持ちが引き締まる思いです。
      私の所属するボランティアは、単なる有志の集まりではありません。
      市の生涯学...
      四月猫荒らしさん、お返事を読んで気持ちが引き締まる思いです。
      私の所属するボランティアは、単なる有志の集まりではありません。
      市の生涯学習課が企画する研修に、共に3年間学んだものたちなのです。
      それでも、活動が始まればこうも個々に変わっていくのです。
      いかに人が、易きに流れるかということですね。
      もちろん、そこにはそれなりの努力も工夫もあることと思いますが、目指していた方向とは違っていることは明白です。
      初めの頃は私も強く反発し、意見も言っていましたが、「和をもって尊し」としたために言わなくなりました。猛省しています。
      フリースクールのお話会で目指す道を真摯に模索中ですが、組織全体としての流れはまことに心もとないです。

      年度があらたまった時点で、もう一度所信表明ですね。やってみます。
      はい、「肉食系」さんに感謝です!
      2014/03/15
  • 小学校で、読み聞かせを頼まれたけど困った!どうしたらいいの?!
    という読み聞かせ初心者さんにおすすめ。

    子供に読み聞かせをする時のジャンル別セレクト本など、具体的に紹介されています。


    【勉強になったポイント】
    ・後ろから読もうが、前から読もうがかまわない。
    ・”自分が読んでやりたい本”を選ばない。
    ・子供達が途中で飽きてしまったら「ごめんね~」で別の本にする。
    ・ヘルプについた大人は、子供をひざに乗せて一緒に聞く。
    ・子供は、花や神社などの季節の写真は好まない。ヘビなどの変温動物が好き。

  • 読みきかせをはじめようと考えていたり、取り組んでいたりする人に最適な入門書。読みきかせをするうえで役立つ具体的なアドバイスや、色々なテーマに関する絵本が紹介されていて実践に役立ちます。(2008.10.24)

  • 少し前の絵本を知るにはとてもよい
    また声の出し方の項目はとてもよかった。普段行っている方法を言語化してもらった印象。

    いちばんつよいのはオレだ
    ウラパン・オコサ
    ありとすいか
    みずまき
    ながーいおはなのぶたくん
    あかがいちばん
    ガンバレ!!まけるな!!ナメクジくん
    ストライプたいへん!しまもようになっちゃった
    ぼく、ムシになっちゃった

  • 図書館本。この本を読んでから、自分は読み聞かせのセミプロになるのか、と初めてプロ根性を認識しました。特に、読み聞かせのためのボイトレと巻末の読みきかせQ&Aが勉強になりました。

  • 読み聞かせボランティア(小学生)を始める人におすすめの本。読み聞かせにおすすめな本とその理由が明け透けに書かれている。こちらに載っている本、読んでみたいと思います。

  • 読み聞かせをしてもらう子どもの目線、ボランティアやおうちで読み聞かせをする人も視野に入れた実用的な本。30年経った本は殿堂入りするから、プロの領域だというのが心に残った。子どもは今を生きている。今をつかまえるのがオトナには難しい。また改訂版も出していただけたら。のせてる本を新しくしてもらって

  • 978-4-426-10496-2
    C0037\1500E. 一般/単行本/教育
    著者:赤木かん子
    発行所:(株)自由国民社
    2008年9月10日 初版第1刷発行

    目次より 抜粋---

    はじめに
    本を読む目的はなんですか
    本読みには三つのタイプがある
    アマチュアの読み手の方々へ 子どもを幸福に、それがすべて
    セミプロの方の為のコツのコツ
    読み聞かせの為のボイストレーニング
    絵本とは何か?の答え ハンダのビックリプレゼント
    大人も子どもも大喜びの大道芸絵本
    人食うふと遊び心でおおうけ
    繰り返し読みの時期は朗読マシーンに
    読まなくても見せるだけでOK 絶品の自然科学本
    ちょっとの演出で効果抜群  本の魔法を味わえます
    成長がテーマの本 3冊
    きゃらくたー本生まれついての芸人さんは是非
    いつも静かに力づけてくれる「赤いおおかみ」
    年齢不問、本好きの方たちへ
    だれでもできて必ずうける「我が家のおはなし」

    読み聞かせのためのコラム
    効果抜群の秘密兵器 男性 と 絨毯
    人の声には二つのタイプがあります
    読み手にも子どもたちにも効果抜群の指人形
    子どもたちだけに許された幸福になるための能力
    昔話に付いて もう、プロの領域

    悩み解決、速攻!
    読み聞かせのHOWTOについて
    子どもたちに集中してもらうには
    読む本に付いて
    先生/学校との関係について
    その他
    あとがき
    索引
    -------

    最初に本を読む目的は何ですか?って え?考えたこと無かったw
    次に読む人と読んでもらう人についての関係で三つに分けられる。
    アマチュアであってもセミプロであっても参考になる一冊、特にセミプロ(普段の関わりが無い人たちに対して読む人)にとってはとっても参考になる。
    小学校や幼児対象に読む機会を得た人は是非一読してみるときっと助けになる一冊。
    うまくいかない時の対応や工夫のあの手この手まで、きっと本を通じて関わったお互いが幸せになれるはず。

    この本も、漠然とした事をピシッと答えが見えて、その理由に納得しちゃう魔法の一冊でした。

    あとがきがやっぱりステキ。
    この人の書いたものを読めて幸せです。
    --------------
    子どもに本を読む目的は子どもに幸せになってもらいたいから。

    お薦め本は 緑色のノートに書き写してある。

  • 本の紹介と読み聞かせ技術の紹介はわけるベキだったかな

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著者プロフィール

松本生まれ、千葉育ち。
法政大学英文科卒。
1984年、“本の探偵”でデビュー。
現在は、子どもの本や文化の紹介、ミステリの紹介・書評に活躍中。
好きなものは、温泉と民族伝統芸能と美味しいゴハン。
著書
『こちら本の探偵です』(径書房)
『子どもの本とごちそうの話』(径書房)
『魔女のよせなべ』(径書房)
『かんこのミニミニヤング・アダルト入門1・2』(リブリオ出版)
『この本読んだ?おぼえてる?』(フェリシモ出版)
など

「1988年 『魔女のよせなべ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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