どんなかんじかなあ

著者 :
  • 自由国民社
4.22
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本棚登録 : 976
感想 : 104
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  • Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784426875060

作品紹介・あらすじ

ともだちのまりちゃんはめがみえない。それでかんがえたんだ。みえないってどんなかんじかなあって。

感想・レビュー・書評

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  • 目の見えない人、耳の聞こえない人…色んな人達の世界がどんな感じなのかを目をつむったり耳栓で耳をふさいだりしながら想像体験するひろくん。
    見えない、聞こえない、だからこそ、の豊かな世界に気づける素敵な男の子。
    そうか!そういう発想はなかった!
    どうしても想像できない世界もあるところも、こどもならでは、だとも思いました。
    そしてひろくんが想像できなかった世界に暮らすきみちゃんも、ある世界を想像体験し、その世界に暮らす人だからこその素敵な発想に気づくのです。

    多くの人が自分の世界をスタンダードと認識しがちで、境遇の違いを受け入れられないのも、その裏まで想像することをしていない事が多いのかな、と、この絵本を読んで考えさせられました。
    そしてもう一つ、その世界に身を置く人たちは案外、その日常が当たり前で、気づかないこともあるものだなとも思いました。
    お互いの世界の素敵なところに気づき、認め合えることは大切なことで、尚かつ素敵なことですね。

  • 2023.3.1 4-3新
    2023.2.15 4-1新
    2023.2.9 4-1
    4分半

  • 中山千夏 子役の時から見てました
    政治家だったり 
    詩がいいなあって思います
    和田誠さんのすっきりしたイラストと相まって
    共感できる絵本に
    ラストは!
    そうだったのかって

    ≪ じっとして 想ってごらん その感じ ≫

  • 目が見えないまりちゃんや、耳が聞こえないさのくんのことを想像してみたひろくん。
    目が見えないってすごいんだ!耳が聴こえないってすごいんだ!
    いろいろなことに気づきます。

    そんなひろくんは実は――。



    見たことのある本だったので、てっきり読んだことがあると思っていたら、まさかの初読でした。

    以下ネタバレを含みます。
    読んだことがない人は、ぜひこの本を読んでみてから御覧ください。


    目が見えないまりちゃんの、耳が聞こえないさのくんの、感覚や気持ちを想像してみるひろくん。震災で両親を亡くした子の気持ちを想像してみるひろくんは、実は車椅子の少年。
    ひろくんは車椅子に乗っているのだけれど、手話が出来ない、動けないという描写から、足が不自由なだけではなく、四肢不全麻痺なのかなと思いました。
    ひろくんの車椅子は最初の方では明確に描かれず、読み返してみると、ひろくんのうしろに影が描かれています。これは、車椅子に座っているひろくんと車椅子の間に生じる影なんですね。
    ひろくんは手話が出来ないというけれど、私も手話は出来ないので、ただ手話を知らないだけだと思ってスルーしてしまいます。
    目が見えないや、耳が聞こえない、は一時的にその状態を試してみることができるけれど(それでも一時的に、だけど)、両親がいないということを試してみることは出来ない。真理だなぁと思いました。
    ひろくんは、障害を持った友だちの感覚や気持ちを色々考えてみます。
    そして、率直な感想を彼らに伝えます。
    ひろくんが耳栓をして気づいた、「お母さんの顔ってほくろが7つもある!!」は楽しかった。

    そしてひろくんは最後に、両親のいない少女に言われます。
    「動けないってすごいんだね。いろいろ考えられるもの。だからひろくんは考えるのが得意なんだね」

    ひろくんは自分自身に思いを巡らします。
    そして、「うごけない自分ってすごいのかもしれない!」という結論に達します。
    歴史のこと、科学のこと、地球のこと、哲学的思考…
    ひろくんの世界は広がっていきます。


    明確にどうとは言えないけれど、なんだかすごいなぁと思った本です。
    ひろくん自身の持っているものに気づいた時の驚き。
    どうしてか、そこから見え方が変わってくるのです。
    実は、ひろくんを健常者と捉えた時、ひろくんの発言は失礼じゃないのかなぁと思った部分がありました。
    ひろくんは見えないってすごいっていうけれど、見える方がいいに決まってるじゃん、という思いが、自分の中にあったからだと思うのです。
    健常者であるひろくんが、見えない少女にすごいって言うのってどうなんだろう?と思ってしまっていた。それって結局、自分の中の固定観念なんだろうなぁ。
    どうしても、健常者である方が上だと思っているからなんだろうなぁ。
    だってひろくんが健常者でないとわかった途端、別に失礼じゃなかったんだってなるだなんて、それこそおかしい話な気がする。
    これはひろくんがどうのということではなく、自分の中の固定観念や差別心に気づいて、向き合う本なのかなぁと思いました。というか、私にとってはそうでした。
    しかし、向き合うのは難しいなぁ。今回は気づいただけでも良しとしようかな。

    …と思っていたけれど、続けてヨシタケシンスケさんの『みえるとかみえないとか』を読んでみると、意外と答えは簡単なのかもしれないと思えました。
    つまり私は、しなくていい同情をしているということかな?

  • 主人公の男の子が、目が見えないお友達、耳が聞こえないお友達と順々に相手の立場を想像して、お話が進んでいく。目が見えないって凄いね!色んな音が聞こえる!耳が聞こえないって凄いね!色んなものが良く見える!
    ラストの展開に衝撃を受ける。祖母の事を思い出して、涙が出た。相手の事を慮るのはとても大切だ。自分もその立場になる日が来ることもある。人生色々だな。

  • なくてもそれ以上のことを得ることができる❣️
    第11回日本絵本賞受賞

  • 相手の立場を考える絵本。

    目の見えない友達、耳の聞こえない友達、両親を亡くしてしまった友達、その友達のことを考えて、目を閉じて、耳栓をして、両親がいない事を考えてみるひろくん。
    目を閉じたら、音が聞こえて、耳を閉じたら、いろんなものが見えた。でも、両親がいないのはわからなかった。

    そして主人公ひろくんは体が動かない。それをお友達は体験してみたと伝えてくれる。


    立場というか、感覚だろうか……。でも、その感覚を『考えてみる』だけでもすごいなと思う。主人公が『身体が動かない』というのが最後に明かされるのではっとさせられてしまった。

    ふっと『相手の事を考えるとは』を知りたいときにいいかもしれない。

  • 主人公の男の子のまねをして、目を閉じたり、耳をふさいでみたりしたくなる本です。そして、自分が男の子の立場だったらどんなかんじだろうかと考えさせられる本でもあります。

  • 初めて読んだ時の衝撃が忘れられない。
    中学年くらいからかな。
    4分半

  • どんなかんじ。

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著者プロフィール

1948年熊本県生まれ。子役で舞台デビューし、その後俳優・司会者・歌手・声優として幅広く活躍。1980年「きれいな未来を子供たちに手わたしたいから」と訴えて参議院議員に当選し、一期務めた。現在も市民運動にかかわりながら文筆活動を続けている。絵本『どんなかんじかなあ』(自由国民社)で日本絵本賞受賞。

「2019年 『主人公はきみだ ライツのランプをともそうよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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