天体力学のパイオニアたち―カオスと安定性をめぐる人物史〈上〉 (シュプリンガー数学クラブ)

  • シュプリンガーフェアラーク東京
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784431711148

作品紹介・あらすじ

天体力学とは、太陽系内の惑星の運動に代表される、ニュートンの万有引力を及ぼし合う物体の運動を論じる学問である。なかでも太陽系の安定性の問題には、数多くの数学者がエネルギーを費やしてきた。フランスのポアンカレ、ロシアのコルモゴロフ、アーノルド、米国のバーコフ、スメールなど、煌星のごとくである。本書は、カオスや安定性の概念が天体力学の問題からいかに発生したかを、生身の人間の営みを通して生き生きと描いた大河ドラマである。

感想・レビュー・書評

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  • 1995円購入2010-07-08

  • 天体力学といえば、有名な三体問題(多体問題)であるが本書はまさに三体問題を起点としてカオスを導入するという王道といえば王道の書籍。

    数式こそあまりないが、内容はかなり専門的。
    といいつつ、この手の書籍を読む人は三体問題やカオスをまったく聞いたこともない、という人は手に触れないと考えられるので導入書という観点からは良いと思います。

    工学部では三体問題は初等関数で解析的に解くことができない問題であり、従って、数値的に解かざるを得ない。その過程でカオスが創発される、という程度しか講義で学ばない。
    ということもあり、三体問題は実は非常に難問なのだということを改めて知った。
    Wikiの英語版の「Three body problem」を読めば事足りるような気がするが、歴史的な経緯を考慮すると本書の方をおすすめする。

  • ハミルトン力学系の研究の発展を書いた本。すばらしい。

    登場する人物は、

    カオスを発見し力学系の研究を切り開いたポアンカレ

    馬蹄形写像の発明とその記号力学系による解明、さらにホモクリニック点と横断的な安定多様体と不安定多様体の交わりの存在がホモクリニックタングルの存在を示すことを証明したスメール

    ミッタク・レフラー

    不動点定理のバーコフ

    ニュートン

    ライプニッツ

    ダランベール

    ラプラス

    ラグランジュ

    ポアソン

    ナポレオン

    オスカー2世

    ワイエルシュトラウス

    コワレフスカヤ

    ハミルトン

    パンルヴェ

    安定性を定義したリアプノフ


    コルモゴロフ

    アーノルド

    モーザー


    太陽系の動きを考えるためにいかに多くの努力がなされてきたかが書かれている。数学的には記述が詳しくないため、これだけを読んでフォローするのは難しいのではないか…という感じはする。例えば、パンルヴェの研究あたりの、特異点の存在に関する議論とか、KAM理論だとかアーノルド拡散だとか。

    しかし、ポアンカレが発見したところの、無限回に交わる安定多様体と不安定多様体の交点のなす様子はなんと美しいことか!!!

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