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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784433635091
感想・レビュー・書評
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暗号資産に関する会計・税務に焦点を絞ったQ&A書籍。暗号資産についての法規制や投資に関する書籍はよく見かけるが会計・税務本はまだ少ない。若手税理士たちによる研究成果を公表したような内容だが、国税から出ている情報をただまとめただけでなく自分たちの意見も多数書かれていて意欲的な書籍だ。暗号資産の会計・税務について基礎から学びたいという人にもお勧めの書籍だ。
P6
貨幣にその価値を与えるのは 「わたし」ではなく「あなた」 であり、「わたし」は、「あなた」がこの1万円札を1万円の価値があるものと交換してくれると思っているからこそ1万円の価値があると思い、その「あなた」にとってもほかの誰かが1万円札を1万円の価値があるものと交換してくれると思っているから1万円の価値があるだけである。 これは「自己循環論法」と言え、すべての人が「ほかの誰かが価値があると思っている」と思っているから価値があるだけである。すなわち、貨幣が貨幣として使われ続けることに対する人々の間での相互の信頼が、 その価値を支えているにすぎない一。
この岩井克人氏の貨幣の本質論は、現在の法定通貨と暗号資産との関係をよく表していると思います。国家経済が安定し法定通貨が国民から信頼されている国では、通貨としての暗号資産の利用は進まず、国家経済が不安定なため法定通貨に対する国民の信頼度が低い国ほど、暗号資産が普及しています。
先に紹介したエクアドルの例では、法定通貨の破たんにより、米ドルがその機能を代替しましたが、これからは暗号資産が代替することになるかもしれません。
P147
ご質問と似たケースで、外貨預金を同一通貨のまま他の銀行へ資金移動した際に為替差損益を認識するか否かにつき、所得税法施行令第167条の6第2項において次のように定められています。
「外国通貨で表示された頂貯金を受け入れる銀行その他の金融機関(以下この項において「金融機関」という。)を相手方とする当該預貯金に関する契約に基づき預入が行われる当該預貯金の元本に係る金銭により引き続き同一の金融機関に同一の外国通貨で行われる預貯金の預入は、所得税法第57条の3第1項に規定する外貨建取引に該当しないものとする。」
つまり、同一の金融機関に同一の外国通貨で行われる預貯金の預入は為替差損益を認識しないということです。
さらに、国税庁が公表している質疑応答事例において、上記の所得税法施行令第167条の6第2項について「外貨建預貯金(筆者加筆)の預入及び払出は、他の金融機関へ預け入れる場合であるとしても、同一の外国通貨で行われる限り、その預入·払出は所得税法施行令167条の6第2項でいう外国通貨で行われる預貯金の預入に類するものと解され、所得税法第57条の3第1項の外貨建取引に該当しない、すなわち、為替差損益を認識しないとすることが相当と考えられます。」と回答されています。
つまり、同一の外国通貨で預け入れや払い出しがされる場合には、同一の金融機関に限らず、他の金融機関への移動時であっても為替差損益は認識しない(所得を認識しない)ということになります。
以上のことから、ご質問の場合においては、その対象が外国通貨ではなく暗号資産であるイーサリアムではあるものの、上記の国税庁質疑応答事例の文中における外国通貨をイーサリアムと読み替えることにより、同一のイーサリアムのまま、ご自身のウォレットや他の取引所へ移動したとしても、含み益や含み損を認識する必要はなく、所得税法上の所得は認識しないものと思われます。
P191
本書執筆時現在の他の暗号資産の税務関連書籍や解説記事などによれば、マイニングによる暗号資産の取得は、消費税法上不課税売上(課税対象外·不課税取引)であるとするものがほとんどです。
その理由は、マイニングによる暗号資産の取得が消費税法上の 「資産の譲渡等」に該当しないためと解説され、現段階ではこの判断が妥当であると考えます。
ここで課税仕入の3区分の論点に立ち返ってみると、暗号資産マイニング用の設備投資に係る課税仕入は、不課税売上(課税対象外·不課税取引)に対応するものということになります。不課税売上 (課税対象外·不課税取引)対応の課税仕入は、消費税法基本通達にもあるとおり、 “課税売上のみ”でも“非課税売上のみ”でもないので、“課税売上と非課税売上に共通して要するもの”、つまり共通対応に分類されることが一般的です。
このことから、暗号資産マイニング用の設備投資に係る課税仕入は共通対応の課税仕入であると結論付けられそうです。しかし、本書執筆時において今回の論点についての他の書籍や解説記事は少ない現状であり散見される程度ですが、そのほとんどが “非課税売上のみに要するもの”、つまり非課税売上対応であると結論付けています。
これは、今日の暗号資産の現況が多分に影響しているものと思われます。法定通貨のように使うもの、支払手段として使用される通貨を趣旨として当初設計された暗号資産ですが、今日の日本においては “投機目的·投資目的"がメインであり、支払手段としての使用がまだまだごく少数といった実状です。
このような現状から、マイニングにより取得した暗号資産を売却(譲渡)し、その売却益(譲渡益)を目的とするケースが大方であることから、マイニングによる暗号資産の取得自体は不課税売上(課税対象外· 不課税取引)であっても、その最終目的である暗号資産の譲度や売却との対応関係を重視し、非課税売上対応である“非課税売上のみに要するもの”と判定されるに到ることとなります。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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