- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784434084423
作品紹介・あらすじ
高校生の悟はある日、隣のクラスの裕子の心の声を聞くという不思議な体験をする。その後、偶然、近くの森で出会った二人はお互いの境遇を語り合ううちに惹かれあい、付き合うようになった。しかし、彼女の心の声が聞こえることが悟を苦しめてゆくことに……ベストセラー作家、市川拓司が儚く壊れやすい恋愛を描いた珠玉の青春小説。
感想・レビュー・書評
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久しぶりの市川拓司ワールド。
全開でした。
名前かぶりとかがあったからか、
すごく、すべての物語と重なったり続編感
感じたりしてしまったけど、
この人の描く世界観と表現力からなる
切なさはやっぱり素晴らしい。 -
何故か僕には、彼女の心の声が聞こえた――。
恋人の心の声が聞こえてしまうが故の苦しみ。自分に自信が持てず、身を引いてしまう気持ち。
主人公の男性にすごく共感しました。
そんなに中身のあるお話しではないのですが、悲しい最後がなぜかずっと心に残っています。 -
不思議な感じ。離れ離れになってもなお相手の生活が分かったり、声が聞こえたりしてしまうのは辛い。切ない物語で涙が出ました。
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もし好きな人の心の声が聞こえたら…
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群れるのが苦手で、そもそも人と関わるのが苦手な少年。彼はある日突然少女の心の声を聞く、「ここから連れ出して」
人の気持ちが分かれば、人間関係なんて楽だと思ったことがある。相手が何を考えているか分からないから、気を使う。時に空回りしたり、疲れたりしながらも、少しずつ何となく察せるようになっていく。心の声が聞こえれば、そんな苦労もないのに・・・と、思うのだが、それはそれで別の苦悩が存在する。心の声は、望むと望まざるに関わらず容赦なく聞こえてくるから。
市川拓司さんの作品は、「そのときは彼によろしく」「恋愛写真」と読んできたが、どれも登場人物の心情がとても丁寧に書かれていて、スっと登場人物と自分を重ねる事ができる。その分、焦燥感や絶望感も痛い程共有する。それども、読み終わった時に登場人物が得たものを自分も一緒に得た気持ちになれるのが、この人の良さなのではないかと思う。 -
終始、悲しみや不安で構成されている小説であったと思う。お互い想っているのに結ばれないという、なんとも言葉にならない気持ちになった。この世界の基調が、喜びや期待で満ちあふれているものであることを望みたい。まぁ、実際はそうでないのだろうけど…
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「もどかしい「切ない」「悲しい」
どれも合っているんだけれど、どれも違うように感じる。
救いようのない結果のように見えるけれど、避けようのない結果にも感じる。
主人公の心情、行動、結果。その全てが仕方のないことだったんだろうな。