- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784434129582
感想・レビュー・書評
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できる限り歯は残すべきで、さらに言えば治療が必要になる前のメンテナンスが大事、という歯科医の主張。
文章が簡潔で読みやすい。
繰り返しが多いが軽く読み飛ばしても中身が頭に入ると思えばそんなに気にならない。
著者が提唱する「つまようじ法」とは別につまようじを使うわけではなく、つまようじでシーハーするようなイメージで歯間・歯肉をマッサージするブラッシング法。
タイトルにでかでかと書いてある割につまようじ法自体の説明はあっさり。
大部分はどのように虫歯ができるのか、なぜ歯を削ってはいけないのか、いかにつまようじ法が有効か、という説明に費やされる。
色んな分野で起こりがちなことだけれど、歯科の分野もご他聞に漏れず論理が先行して結果を重視しないような状態が続いていた(いる)らしい。
「病(虫歯)を無くすことだけを考えていたら肝心の健康(歯)を失ってしまった」では意味がない。
病がない状態ではなく、健康がある状態を目指しましょう、というのがだいたいの内容。
でも現在の日本の保険診療では、抜いたり削ったりすれば点数になるけれど、保健指導をしても点数にならない(→儲けにならない)。
だから必然的に歯をいじる治療にかたむいてしまう。
という制度の問題もあるらしい。
「事実をもとに論理を組み立てる」「効果を確かめる」「よく生きるための医療」といった根本思想が一貫している。
「なってから治すよりなる前に気をつけたほうがいい」とか当たり前のことを言っているだけなんだけど、当たり前のことをいう人は案外希少だ。
あいまのコラムで語られる医は仁術を地で行く恩師の話なんかの書き方にまっとうな人柄が感じられる。
母性幻想をひきずってるのが少々気になるけれど、70歳としてはかなり良いほうかな。
この本を見つけた歯科関係の本の棚はうさんくさい広告みたいな本が溢れていた。こえぇ。
この本はつまようじ法いいよ!と猛烈におすすめしているけれど、CM臭がない。
一応つまようじ法に最適のブラシを作ったよとは書いてあるけれど、写真がボケボケだった。
もうちょっとアピールしてもいいんじゃないかと思ってしまった。
実際されたら嫌だけどちょっとなごんだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
むし歯、歯周病についての論文みたいなもの。
歯科医療の現状、削る抜く切る治療によって起こる取り返しのつかない悪影響や、むし歯と歯周病の原因考察と対策など、多少のバイアスがかかってることは否めないが、一読する価値大ありな本です。