日本人が知ってはならない歴史 戦後篇

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  • 朱鳥社
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434134685

感想・レビュー・書評

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  • 先日図書館で若狭氏がこのシリーズで書かれた1部作目を読みました。タイトルを読んで最初に私は誤解していたのですが、支配者(当時のGHQ)にとって「日本人が知ってはならない歴史」という意味でした。

    そのひとつに、この本で取り上げられている「東京裁判」もあると思います、最初に映画化されたのが私が大学1年のとき(1983年頃?)で、大変長い映画で、しかも深夜に見たこともあり、殆ど覚えていなかった(寝ていた)のですが、数年前にDVDを借りてきて全編を見て大変衝撃を受けたのを覚えています。

    この本は若狭氏が書かれてきたこのシリーズの3部作目で完結とのことですが、残りの第二部作も読んでみたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・昭和23年11月12日に東京裁判の理由は、同12月10日に国連総会が予定されていて、事後法の禁止を含む「世界人権宣言」が採択されることになっていた(p17)

    ・インドのパル判事の行った被告者全員と日本は無罪との判決の公表は禁じられていたので、日本人全体は昭和28年の講話発効まで知らなかったが、それでも東条英機は「インドの判事には尊敬の念を感じている」と記している(p25)

    ・東京裁判の当時、イギリスはインドやビルマで、オランダはインドネシアで、ブランスはベトナムで、アメリカは中国で共産党軍を支援していた、彼らこそ「平和に対する罪」の現行犯であった(p27)

    ・日本にはホロコーストがなかったので彼らは困り果てて「南京大虐殺」を企てた、逆にアメリカ人のブレイクニー弁護士が「原爆こそホロコーストそのものだ」と裁判中に弁論した途端に、同時通訳の電源が切られた(このシーンを映画にあり衝撃でした)(p27)

    ・日本は昭和11年12月6日の五相会議で日本とドイツは防共協定は締結するがユダヤ人迫害には関与しないと閣議決定している(p27)

    ・東京裁判で裁かれたのは、英文起訴状にあるようにa,b,cの各項戦犯である、A級、B級、C級はのちに作られた言葉、a,b,c各項に分類されている訴因に従って審理されたのが東京裁判、マッカーサー達はニュールンベルグ法定の「国際軍事裁判所条例」を持ち込んで調査することに困り果てた(p33)

    ・ニュールンベルグ裁判ではc項(人道に対する罪)が最も重く、a項が最も軽い、困り果てたGHQは、a項を一番に重いA級、以下順に、B,C級とした(p34)

    ・A,B,Cの定義は、A:政治的な指導者、B:捕虜の殺害、虐待、奴隷化に責任のある軍事指導者、C:Bに対する実行者、とした(p38)

    ・1903年12月21日に、日本軍は統一司令部(政略と戦略の一体化をしていた部署)を失った、これが日本の運命の日であった(p46、47)

    ・ハワイ空襲は決戦ではない、インド洋こそが決戦海面であった、イギリスがドイツとエジプトで決戦を展開していてインド洋経由の補給が重要、ソ連の死命もインド洋に懸かっていた、アメリカの物資はすべてインド洋経由、マレー沖でイギリス東洋艦隊が壊滅したとき米英は真っ青になった(p50)

    ・日本は長い歴史にあって年老いた親の面倒を朝廷や幕府に依存した例を知らない、年をとれば隠居しながら家族が一体となって生存してきた(p67)

    ・日本列島の住人の合計は5~6億人、30代前の先祖な14億人余、天皇は125代(p68)

    ・東京裁判の判決結果でA級への判決は、(イ)(ロ):9名、(イ):15名、(ロ):1名、(ハ):0名である、(イ):平和に対する罪、(ロ):通常の戦争犯罪、(ハ):人道に対する罪、である(p79)

    ・ニュルンベルク裁判で裁かれたのは、4つの犯罪団体(ナチス、ゲシュタポ、ナチ親衛隊、保安隊)である、しかし東京裁判では日本国家の戦争が犯罪という論理(p81)

    ・侵略戦争という言葉の国際的な定義の承認は、1974年の国連決議(侵略の定義に関する決議)を待つしか無い、通商の断絶への対抗は自衛として認めていた(p90)

    ・ドイツ降伏と言うが、降服したのはドイツ軍、ドイツ帝国は消滅しているとされて参謀総長のカイテルが署名した、日本帝国はポツダム宣言を受諾して日本国家が降服した(p107)

    ・マッカーサーは厚木に到着するなり、a項で350人、b,c項で5千人が投獄、東南アジア各地では1068人が処刑、公職追放された日本人は21万人、密告も併用されたので自主的にやめた人を含めると90万人(p123、130)

    ・塩害は畑作農業の宿命、地下水脈との毛細管現象で地中の塩分が地面に堆積される、今アメリカ農業は塩害と戦っている、日本が大丈夫なのは水田なので(p189)

    ・大人であれば五千程度の言葉を習得するので、世界の何語でも日本語訳が可能(p210)

    2010/11/28作成

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著者プロフィール

昭和17(1942)年福岡市生まれ。九州大学法学部卒。昭和40(1965)年、岐阜県下の県立高校の社会科教師となり、38年間教鞭を執る。日本の学校教育、とりわけ歴史教育への積年の義憤を動機として著作活動に入る。現在、発言集団「シューレ」代表。著書多数。

「2015年 『日本人よ、歴史戦争に勝利せよ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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