時間島 (アルファポリス文庫)

著者 :
  • アルファポリス
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本棚登録 : 80
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434147241

作品紹介・あらすじ

「お前たちは島から生きて出られない」—廃墟の島『矢郷島』でのロケ中、突如送られてきた動画メール。『5年後の未来』にいるという『ミイラ男』が、ロケ参加者9名が皆殺しにされると予言する。やがてその言葉通り、出演者、スタッフが次々と殺されていく。誰が殺しているのか。なぜ殺されるのか。一体この島で何が起きているのか。息つく暇もない展開、予想だにしない衝撃の結末!「THE CHAT」「THE QUIZ」の鬼才・椙本孝思が放つ異色ホラーミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 廃墟紹介のテレビ番組のロケで、タレントを含む九人が無人島を訪れた。
    採掘で栄えた島には住民達が無尽蔵に改築を繰り返した集合団地が廃墟と化し残されていた。
    行程は順調だったが「お前達は島から生きて出られない」ADの携帯に突然謎の人物から動画メールが届き…。

    迎えの船は翌日の夜まで来ない。無人島に閉じ込められた九人は生き延びる事が出来るのか?
    よくある設定でしょうが、だからこそ期待値も高まります。クローズド・サークルものだと思いっきり分かりやすくベタな方が好きなので、そういった面では少し残念に感じました。
    テレビ局のクルーということで、絵的に映える残酷かつ美しい場面があっても良かったかな。

  • 『時間島』の舞台は廃墟と化してしまった島である。
    「日本にそんな島があるのか?」と思うが、実際に存在するのだから驚きだ。
    この小説に限らず、「廃墟島」を舞台にした小説やコミックは案外に多い。
    理不尽な死、意味不明なメール。
    追い詰められたとき、人はいったい何を考え何を選ぶのか。
    未来を変えるために、佐倉の取った行動や思いは結局のところ無駄になってしまう。
    たった一人の身勝手な思惑のために。
    結末に納得はしつつも、わずかな後味の悪さを感じた。
    ライトホラーとでも言ったらいいのか。
    あまり深みのある作品ではないので、読みやすい反面後々まで深い印象は残らないかもしれない。

  • いわくつきの「出られない島」で、1人また1人と死んでいく。死の恐怖と互いへの疑心暗鬼に苛まれるメンバーたち。猜疑。狂乱。嘘。裏切り。涙。思惑。絶望。エゴ。
    テンプレどおりのクローズド・サークルである。だがこの「テンプレどおり」が、いかに稀少であることか。

    謎解き部分はしょせん小ネタの繋ぎ合わせだし、それらを繋いでいる大ネタが、人によっては始球式ものの反則ワザ。そこがどうしても許せない、という人がいるのもわかる。
    だが、ギスギス系37564クローズド・サークルに飢えているなら、騙されたと思って読んでみるのも悪くない。本格的なトリック&ロジックなど、閉鎖空間で人死にが出る「だけ」の他作品に任せておけばよいのだから。

    37564は見たいがラノベも勘弁、という向きにお薦めしたい。ものすごい名作傑作ではないが、最低線はクリアしている。厨二的な「デスゲーム小説」ではなく「クローズド・サークルもののミステリ」と呼んで、いちおう差し支えはないだろう。

    2016/6/30〜7/1読了

  • 5年後の未来にいる包帯でぐるぐる巻きの人物から「ロケ参加者9名が皆殺しにされる」と予測メールが送られてくる、というSF的な要素はありますが、基本は『そして誰もいなくなった』をベースにしたようなオーソドックスなクローズド・サークルもの。軍艦島のような舞台設定と息つく暇もない展開で楽しめました。
    しかし、連続殺人事件の犯人は意外でしたが、その動機がありえないものですし、タイムパラドックス的にも無理がある気がしました。辻褄の合う細かいルール設定と、納得出来る動機付けをしっかりして欲しかったです。

  • この人の作品は以前、QUIZというのを立ち読みしたことがある。

    立ち読み?と聞き返されるかもしれないが、その通り。
    立ち読みで読み切れるほど、の、作品だったということで。

    途中までは悪くないんだよね、引っ張られて謎があって。
    ヒントを述べると、スティーブンキングの「ニードフル・シングス」のオチの、
    非常に質の悪いぺらぺら版ですか。

    いくらなんでもそりゃないぜ、って感じだったので残念。

  • ストーリーが面白そうだったから読んでみたが、それだけだった。
    「時間島」だけに時間の無駄だった。

  • はるおすすめの椙本さん。
    カンボジアの空港で熟読してしまった。

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著者プロフィール

1977年、奈良県生まれ。大阪国際大学経営情報学部卒。2002年「やがて世界は詩に至る」で出版デビュー。「THE CHAT」「THE QUIZ」などで異色ホラーミステリー作家として注目を浴びる。著書は他に「時間島」「タイムカプセル」「庵谷高校の死神 閉ざされた校舎と見知らぬクラスメイト」(ここまですべてアルファポリス)、「天空高事件」「幻双城事件」(角川文庫)、「へたれ探偵 観察日記」シリーズ(幻冬舎文庫)などがある。

「2017年 『君が何度死んでも』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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