株式会社ドバイ―メディアが伝えない商業国家の真実 (柏艪舎ネプチューンノンフィクションシリーズ)

著者 : 斎藤憲二

• 柏艪舎 (2010年9月30日発売)

感想・レビュー・書評

[黒猫デル太さんの感想 · 2010年12月4日]

ドバイの歴史や経済、文化などを知るための案内本・入門書としてはかなりいいです。
間違っても観光ガイドではないので「リゾートの穴場スポットを知りたい！」的な人には向いておらず、ドバイに仕事で行く人・移住を考えている人向け。
著者さんが在ドバイ領事さまということで、きわめて中立的に、かつ冷静にドバイを見つめており、実体験に基づく現場感覚を盛り込んだ良書です。

ドバイ人（アラブ人）の習慣や民族性にも触れているのがGood.
さらに、日本文化との差異を踏まえた上、日本人（企業）がドバイでビジネス展開するためには、まで踏み込んでいます（ただし、その内容は「イスラム向けの農作物や富裕層向けの医療ツアー」など他国に向けても言われていることなので、新規性はないかも）
なにより、現時点でドバイをここまで分析した（かつ最新のデータが揃った）本は見当たりませんし、ドバイをゆっくり旅する人にもかなりオススメです。

著者プロフィール

1961年生まれ。群馬県出身。1986年外務省入省。本省勤務のほか、マレーシア、アメリカ（アトランタ）、アフガニスタン、UAE（ドバイ）の駐在を経て、2016年12月から2021年7月まで在重慶日本国総領事館に次席（副総領事）として勤務。現在、外務省中国・モンゴル第一課地域調整官。著書に『アフガニスタンから見た支援』『株式会社ドバイ』（いずれも柏艪舎）。

「2021年 『中国を感じる』 で使われていた紹介文から引用しています。」