蛟堂報復録 6

著者 :
  • アルファポリス
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本棚登録 : 74
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434152375

作品紹介・あらすじ

祖父から継いだ報復屋稼業を巡り対立している、辰史と丑雄。二人の仲を決定的に分かつ原因となった、祖父が受けた報復依頼とは……。子を想う親が引き起こした、あまりに悲しすぎる事件「安達ヶ原」他、計2編を収録。大好評天才陰陽師シリーズ第6弾!

感想・レビュー・書評

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  • 「宗教とは心の拠り所だ。何かを信じることにより、人が幸福を得ることに他人が否を唱えるべきではない。金や物も確かに幸福を与えてくれるが、感情は外部から与えられるものではなく自らの心の内に生じるものだ。幸福を得る為に地位や金、力を求める人間はいるが、それらを得るために幸福を求める人間はいない。即ち、金を求めるのも宗教を信じるのも目的は同じ――幸福を得るためである、と私は思っている」

    『蛟堂報復録』シリーズ第六弾。

    内容紹介です。

    連続する宝石店強盗。その最中、蛟堂に当の強盗団から報復依頼が入った。怪しすぎるその内容は、過去に祖父・尊が受けた案件と奇妙に重なって(『罪人は誰か』)。幼い我が子の死には、なにか裏がある…。疑いを持った両親が真相を知るべく持ち込んだ報復依頼。それが、悲劇のはじまりだった(『安達ヶ原』)。報復にかかわる妖しく哀しい人間模様を描いた怪異物語。


    丑雄と辰史の決裂の理由が少しずつ明らかになってます。
    少しずつ、ですよね?まさかあれだけが原因で決裂したとか言いませんよね?

    「罪人は誰か」
    辰史の以来と祖父である尊翁の依頼が交互に(辰史の回想として)書かれているんですが…。
    辰史の方は無理やりにでも納得は出来る。
    依頼者も被害者(?)も犯罪者ですから。
    けど、尊翁の方は被害者ってなんか問題あったっけ…?
    「無関心は罪」ってやつかしら?

    「安達ヶ原」
    太郎ちゃんの成長物語(違う!)
    辰史と丑雄の決裂の契機の一つ(だよね?)のお話。
    なんつーか救われない。
    そしてこんなに若い時から丑雄の身勝手な正義が腹立つ。
    元々の「安達ヶ原」の方が数倍報われなくて辛いですけどね。

    少しずつ太郎ちゃんも変わって行くんでしょう。
    これから先太郎ちゃんが触れた辰史と丑雄の二人によって何を思い、どういった決断をするのか。
    少し、楽しみです。

    最後に

    丑雄の掲げる正義が、時に誰かを傷付ける刃となり得るなどとは考えもしなかった。

    とあるんですけど、「考えもしなかった」っておい!
    よっぽど人の悪意とかに鈍感に過ごして来たんですかね、この子。
    正義はあくまで一方のものでしかない、なんて誰もが子供から大人になるときに知ることじゃないですか。
    万人に通用する正義なんてこの世の中にないって。
    「正義」を掲げる人間はただの「恥知らず」だと、私なんかは思いますけどね。
    (私性格悪い?)

  • 突然太郎が覚醒?

  • 罪人は誰か 読みやすかったけど辰史が語る「罪人は誰か」の話は理解しづらかった。

  • 1罪人は誰か 仲間のうちから無理に罪びとをひとり選び、排除しようとすると、残った側が裁かれる。祖父の仕事(新興宗教の派閥による教祖謀殺)と辰史の請け負った強盗一味の報復が類似している。はじかれた一人、はじいた仲間、どちらの言い分が正しいのか。この強盗犯人の場合もはじいた仲間が裁かれる。
    2安達が原 祖父の仕事を手伝っていた頃の辰史と丑雄が決裂に至った事件。植物状態の息子が知らぬ間に臓器提供者にされ、死亡する。
    事件の真相を探りだした丑雄と辰史だったが、心臓移植してもらった女の子の容体が急変し、乱心した母親は傷心した息子の両親の前で自殺する。自分たちが面白半分に事にあたり、その結果誰も救われなかったことで、丑雄は報復の仕事から去る。

  • 丑雄とは仲悪いくせによく会ってるんだな

  • 久しぶりに太郎が出て来た!
    だんだん暗くなるなあ。

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著者プロフィール

1985年、静岡県生まれ。
2007年にwebサイト「Nosferatu」を開設。創作小説を書き始める。『蛟堂報復録』でアルファポリスミステリー小説大賞を受賞し、書籍刊行へと至る。他の著書に『呪症骨董屋 石川鷹人』(アルファポリス)、『ペットショップ夢幻楼の事件帳』(角川書店)、『宵闇の王国 路地裏の吸血鬼と俺の事件録』(TOブックス)などがある。

「2018年 『蛟堂報復録9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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