ゴッホ 契約の兄弟―フィンセントとテオ・ファン・ゴッホ

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著者 : 新関公子
  • ブリュッケ (2011年11月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434161179

作品紹介

フィンセントとテオ、ゴッホ兄弟の往復書簡を丁寧に読み解いて、画家と画商の関係を明らかにする。

ゴッホ 契約の兄弟―フィンセントとテオ・ファン・ゴッホの感想・レビュー・書評

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  • 資料ID: W0166354
    請求記号: 723.3||N 72
    配架場所: 本館1F電動書架C

    ただ今、学生さんが参加してくれた
    「心を動かすアート作品」で展示中です。

    本屋さんで平積みされていたマンガ
    「さよなら、ソルシエ」を読まれた方。
    ぜひこちらの本も読んでみてください。
    専門書のため難しい部分もありますが、
    ゴッホ兄弟の通説をくつがえす書籍です。(Y)

  • ゴッホを支えたテオとヨー夫妻。仲が良かった兄と弟・義妹その裏に画商としての思惑があったにせよ、複雑な思いがあったことを改めて感じます。ゴッホが反キリスト教的な思想をもった一種の哲学者であり、それがゴッホの魅力でもある側面を感じさせる本です。美少女アドリーヌの美少女ぶりではなく、思春期の少女の繊細で危うい精神性を描き、アドリーヌが老年になってから、がっかりしたと話している話はそれを物語ります。神の否定と自然の肯定。根源的な二元性をゴッホは思索していたとのこと。それが技法においては一点消滅遠近法からの脱却であるとは凄いことです。医師ガッシュからテオ宛ての手紙は強烈です。(P334)ゴーギャンとの共同生活と競作の具体的な話では同じ対象を描いた二人の絵の特徴などの解説は大変興味深いです。二人が共同生活を始める前から競争を意識して絵を描いていたということは人間の心理として、面白いものです。ゴッホが光の国・日本に憧れ、南仏アルルに住んだということは誇らしい気持ちになります。「花咲く巴旦杏の木の枝」(1980年)は正に北斎の「鷽 垂桜」そのものです。

  • 図書館で借りなければ、研究者でもなければ買うことはなかった本だろうな、と値段見て驚いた(4600円)
    250にも及ぶ図版がついてるから?
    ともあれそのおかげでわかりやすかった。読み物としてもミステリーのようでとてもエキサイティング。特にゴッホファンではなかったけど、この本を通して理解したことで、今はゴッホが恐ろしく魅力的に思える。

    「契約の兄弟」というのは、ゴッホと弟のテオの関係について。
    作者は、往復書簡集を読み解いて「貧乏画家の兄を高給取りの弟が援助してた」という従来の説の通りではなかった、と新説を導き出した。

    具体的には「ゴッホの絵を全てテオが買い上げる」という契約。
    月々の給料をゴッホに渡す代わりに、その月に制作した全てを買い上げる、という契約だったらしい。
    買った絵を展覧会に出すなり、販売する・しないはテオが判断、ゴッホは口を挟まない、という項目もある。
    実際にはテオの画商としての計画で、ゴッホが死ぬまで売らずに手元に置いていた。
    「作品の価値は死の直前に最高に高まる」という文脈があったので、その通り実行したということか。

    しかし画家は絵を描いている最中はお給料だけで、死んでから高額で売れても本人には評価もお金も届かない、というのはそれでいいものなのか?とも思うけど。

    ともあれ、ゴッホ自身はイエスの「一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、それは一つのままである。しかし、もし死ねば、豊かな実を結ぶ」という言葉が大好きだったとのことなので、豊かな実を夢見て、意を決して死を選んだんだろうな。
    キリスト教を否定して、自然主義を肯定していたらしいけど、これは例外的。

    あと、ゴッホの技法のこともとてもわかりやすく、読んでると実物を見たくてたまらなくなった。ゴッホ展、少し前に来てたのにな…

    ゴッホの作品の特徴として、構成や主題とともに色彩についてかかれた箇所がとても印象的だった。
    要約すると、「赤×緑、黄×紫、青×橙という補色対比が画面にあれば、結果として三原色を内包するので、見る人に生理的満足と幸福の感情を呼び起こす。生きる喜びを画面に与えるために、いつもゴッホはこれを取り入れていた。」ということ。

    晩年の「不穏な空の下のはてしない麦畑」二作では、補色対比を敢えて押さえて、物足りなさを感じさせることで、『なにか蒼穹に向かって無限に求めていかなければという求道の思いに駆られる。』とも書かれているが、色彩でこんな風に心理的に働き掛けられることってあるよなぁ、と得心した。

    うーん、やっぱり見に行きたい。そしてゴッホの作品から、生きる喜びを感じたい。

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