個人心理学講義―生きることの科学 (アドラー・セレクション)

  • アルテ
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レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434163869

作品紹介・あらすじ

アドラー心理学入門の決定版!ウィーンからニューヨークへと活動の拠点を移したアドラーが初めて英語で出版したアドラー心理学全体を俯瞰できる重要著作。過去と自己への執着から離れ、仲間である他者に貢献することを目指す共同体感覚をいかに育成するべきかを人生の諸相の考察を通じて明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • アドラーセレクションの、子供の教育を読み終えた後に、この個人心理学講義を読み始めた。

    気づいたことは、アドラーは子供の頃(4〜5歳の頃)に起こった出来事などが、後の原型を形成していると考えているということ
    アドラーが患者を見る時には、まずその原型にまで遡り、ライフスタイルを見て判断している

    劣等感は、人間の努力と成功の基礎であるが、個人が適切で具体的な目標を見出せない時、劣等コンプレックスが結果としてひき起こる、それは逃避の欲求を引き起こし、優越コンプレックスの中に表現される。
    優越コンプレックスは人生を有用ではない無益な面での目標にしか過ぎない。
    これを生じさせないためには、子供達を社会の秩序に調和させるよう教育するしかないのである。


    他にも結婚についてのことが書いてあり、例にあったケースが、今の自分たちと少し重なって見え、改善しないといけない部分が分かり、良かったと思う

  • ”“人生の有用な面で目標を達成できないと感じるのは、劣等コンプレックスの表れなのである”

    アドラー心理学に関する本はこれで5冊目。初めてアドラー自身の著作に挑戦。

    本書には共同体感覚やライフスタイルの記述もあるのだが、読後に強く印象に残ったのは、結論に書かれている「劣等コンプレックス」と「優越性の追求」について。ライフスタイルの核となる原型が、子ども時代に形成されており、大人になっても大きくは変わらない、というのは納得。

    読みながら、自分のこと、周りの人のこと、色んな関係が頭に浮かんできた。
    勇気づけによって、すこしずつでも共同体感覚が開いてくるといいな。

    (追記)
     『修身教授録』の前半後半で1講をつかって解説されていたペスタロッチが、本書にも登場。ようやく購入した。


    <抜き書き>
    ・子どもは目標を選択する時、具体的なシンボルを選ぶ。子どもが目標として何を選ぶかは、実際、共同体感覚(を持っているか)の指標となる。(p.12)
     #大人も同じかな。

    ★一番最初から共同体感覚を理解することが必要である。なぜなら、共同体感覚は、われわれの教育や治療の中のもっとも重要な部分だからである。勇気があり、自信があり、リラックスしている人だけが、人生の有利な面からだけでなく、困難からも益を受けることができる。(p.16)
     #この考え方、マズローっぽい!ユーサイキアン・マネジメント。

    ・この感情の動きが、夢の動きを進めることになる。われわれは、行動したいと思うように夢を見る。夢は、目覚めている時の行動の計画と態度との感情を使ったリハーサルである。(p.21)
     #感情と夢の関係。うまい表現!

    ★闘うことを避けることで、自分が実際そうであるよりも、ずっと強くて賢いと感じるのである。(p.42)
     #うげ! これは子供の頃から今に至るまで根底にありそうだな。「優越性の追求」(=負けず嫌いが変な方向に出る)

    ・好ましくない、あるいは、困難な状況に置かれたら、誰の目にもその人のライフスタイルは明らかになる。(p.55)
     #今の俺は? 抱えきれなくなると無反応、あるいは、攻撃的になる?

    ★タイプや分類を重視する人は、一度、人を(タイプ別に)一定の整理棚に置いてしまえば、次に別の分類にその人を入れようとしてもできない。(p.57)
     #これ、けっこう周りの人に対して感じる。ヒトとコトを分けずに「○○さんはXXな人だから…」とレッテルを貼る。話してみるとそんなにヒドくもないのに、何もかも信じられない的な…。
     #→アドラーの言うように「あらゆる人間は、固有のライフスタイルを持っている」のだから「人間のタイプを重視しない」のがいいな。

    ・彼のライフスタイルを調べるために、子ども時代を見てみよう。彼は非常に感じやすく、けんか早く、いつも自分の苦痛と弱さを強調して、兄や姉を支配していた。(略)
     これが彼のライフスタイルである。即ち、いつもいかに自分が弱いか、いかに自分が苦しんでいるか不平をいうことでいつも他の人を支配しようとするライフスタイルである。(p.64)
     #あー、そういうことか。むむむ…。ではどうする?

    ★子供時代を振り返ってその頃のことを思い起こすことで、他のどんな方法よりも、原型、即ち、ライフスタイルの核を明らかにすることができる。(p.67)
     #これが、早期回想という方法。
     #置いてかれる景色、スキップ事件、ゴロ&にゃあ、グランド紙飛行機、泥だんご勝負、三振バッター、ねずみうらホームラン…。どんな原型?

    ・夢を見ない人は、自分を欺きたくない。動きと論理にあまりに関わっており、問題に直面したいと思っているのである。このような人は、夢を見ても、すぐに忘れてしまう。あまりに速やかに忘れてしまうので、夢を見なかったと信じてしまう。(p.101-102)
     #いまはあんまりみないなぁ。あ、でも昔はよく見た夢がある。高所の平均台から落ちる夢、なぜかジャンプ力がすごくなってダンクシュートを決める夢…。これが、自分の優位性の目標(劣等コンプレックスのもとだったのか?)

    ★教育の近代精神は、ヨーロッパでは、ペスタロッチの時代に始まった。ペスタロッチは、鞭と罰以外の教育の方法を見出した最初の教師だった。(略)方法が正しければ、どんな子どもも、読んだり、書いたり、歌ったり、計算できるようになる。(p.106)
     #森信三先生、アドラーも触れているヨハン・ハインリッヒ・ペスタロッチ!
     #読んでみるべし!

    ・家庭でも学校でも問題のある子どもがいる。家庭も学校も文句をいい、その結果、子どもの誤りは、そのことによって強化される。多くの子どもは、家庭でも学校でもだらしなくなる。どんな場合も、子どもの問題を判断するために、家庭と学校の両方での行動をいつも考慮に入れなければならない。子どものライフスタイルと、子どもが目指している方向を正しく理解しようとするならば、あらゆる部分が重要になるのである。(p.116)

    ・このような人を助けようとするのであれば、彼[女]らの勇気を再構築する方法を見出さなければならない。このようなケースは非常にむずかしいが、治癒可能である。(p.117)
     #このような人=社会に対して、勇気と希望を失って、立ち尽くし、対人関係の障害、愛と結婚における障害にぶつかる人

    ・一人っ子も悲劇を覚悟しなければならない。なぜなら、子供時代にずっと注目の中心にいて、人生の目標は、常に、注目の中心にいることだからである。[人はこのように]論理の線に沿って思考せず、自分自身のライフスタイルの線に沿って思考する。(p.120)
     #むむむ? 家族布置は強く影響する。

    ・後に精神病になるかもしれない神経症を持つ問題のある大人もいる。このようなケースは、成人に達するまでに、原型が有利な状況によって覆い隠されてきたので、誰も理解できないのである。(p.128)

    ・怠惰であることは、実際には、人生の重要な問題を避けることであり、コンプレックスの表れなのである。(p.136)
     #劣等コンプレックスについて。

    ★個人心理学によれば、「あらゆる人があらゆることを成し遂げることができる」のであり、少年や少女がこの格律にはついていけない、と絶望し人生の有用な面で目標を達成できないと感じるのは、劣等コンプレックスの表れなのである。(p.142)
     #自分には特別な能力がない、という嘆きの裏にあるもの。

    ・個人心理学の方法は、劣等感の問題に始まり、劣等感の問題に終わると私達はためらうことなく認める。(p.166:結論にて)
     #結論に登場するのは「劣等感」。たしかにこの本の主題かな。

    ★共感ができるためには、相手と自分を同一視し、この人ならこの場合どうするだろうと、いわば相手の関心に関心を持たなければならない。(p.181:解説)
     #人の行動は、その人の視点から理解しなければならない。これが、共同体感覚の基礎。

    ・未来は必ず変えることができる。必ずしも意識されていない行動や症状の目的を知り、今していることはその目的の達成のために有効化、もしも有効でなければ、どうすればいいのかと考えることができる。多くの人は、目的を達成する手段の選択を誤るのである。(p.183:解説)

    ★アドラーは、自分の理論を個人心理学と呼ぶようになったことを見たが、今まで述べたことに関連づけて説明すれば、個人への独自性への強い関心が、この名称を選ばせたということができる。
     他方、アドラーには、この名称の選択にあたって、もう一つの考え方があった。それは人間は統一されたものであるということである。(略)
     個人心理学という場合の indivisual は、ラテン語の「分割できない」に由来するのである。(p.186:解説)

    ・やがて一般的な目標追求性の概念を提唱し、優越性の追求を、より根源的なものとして捉え、劣等感はその副産物と考えるようになった。(p.187:解説)


    <きっかけ>
     人間塾 2014年4月の課題図書として購入。”

  • 個人心理学の方法は、劣等感の問題に始まり、
    劣等感の問題に終わる。
    早期回想の事例が印象に残る。

  • 人生の意味の心理学上・下巻のプチ版と言える内容だった。

    目次を見た時に人生の意味の心理学と同じだ!と感じて、嫌な一冊を買ってしまった… と感じたけど、そうでもなかった。

    むしろ、人生の意味の心理学は発展形で、こっちを先に読んだ方が人生の意味の心理学が分かりやすいとも感じた。

    共同体感覚に関する記述は本書でも止まらない。

    一人では生きていけない。それを小さい頃は他者から援助を受けて育っている。自分が大きく成長した時、それを恩として返そうとする人がある意味正常であり、そうでない人は共同体感覚が欠けているとも言える。

    アドラー自身が他の心理学者の本とも見比べるべきだと言っている事から、他のものと比較してどの理論が自分に合うのかを探ってみたいと思った。

  •  自分と他人の比較においてギャップを感じ、それが劣等感となったり、極端な優越感となって生じる症状を誤ったライフスタイル(無意識のうちに定めた目標)に原因を求め、治療方針を示している。ライフスタイルというアイデアは現在の一般的な意味合いからは外れているが、患者を悩ませる「何か」による行動(症状)について本質を捉えているうまいキーワードのように思える。一方、治療方針も個性と社会性の折り合いをつけつつ、自信をつけさせるというものである。これは病院での治療ではなく家庭内で行われるべきものであるように思える。実際、子供時代の家庭環境によって作られてしまったライフスタイルによって大人になって症状が現れている例が繰り返し述べられ、家庭内での教育が重要であることが説かれている。「教育」「個性」「家庭」「社会性」というキーワードが読み取れるが、これらは現代においてもよく見かけるものであり、近年のアドラー心理学ブームはこれらのキーワードについてアドラーが包括的な見解を示していることにあるのかもしれないと感じた。
     ところで、書店では解説書ばかりで本人の著作が見当たらない。たしかに独特の用語の使い方をしていて読みづらいところもあるが注意深く読み進めていけば難しいことは何も言っていないし、例も具体的であり、また変な寄り道もなく素直に書かれているので、はたして解説が必要なのか疑問に思える。安易に解説書に飛びつくのではなく、まずは著者本人の書いた本を読むべきだと思う。

  • 読みやすい。

  • アドラー心理学入門の決定版。仲間である他者に貢献することを目指す共同体感覚をいかに育成するべきか。教育界に大きな影響を与えた重要著作です。OPAC → http://t.co/vnDqjPT8ox

  • 生き方が変わる一冊。
    「嫌われる勇気」→「アドラー心理学入門」→「個人心理学講義」

  • 1929年出版、アドラーの個人心理学の二番目の著作と初期の作であり、入門として適当とのことだが、断定的な記述に触れると、つい「本当に?」とか「なぜ?」という感覚が出てきて、素直に読んでみることが難しく、また、内容も何が言いたいのか整理できていないように感じられた。つまり、きちんと読み取れなかったということだが、ライフスタイル、共同体感覚、劣等コンプレックスと優越コンプレックスなどの記述、社会との望ましい関係を形成する目標への勇気づけあたりが、何となく印象に残った。
    全面的に支持したいとは感じられないが、それも一理あるというアプローチだとは感じるので、さらに勉強してみたい。
    14-121

  • 「子どものおいたちと心のなりたち」の改稿?

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著者プロフィール

1870-1937。オーストリア生まれの精神科医、精神分析医、心理学者。劣等コンプレックス、パーソナリティ理論、心理療法を研究し、独自の「個人心理学」を確立した。

「2021年 『人間をかんがえる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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