蛟堂報復録 (5) (アルファポリス文庫)

著者 :
  • アルファポリス
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本棚登録 : 124
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434170898

作品紹介・あらすじ

報復屋・三輪辰史が、あなたの恨みをはらします。業を背負う覚悟と莫大な金があるのなら、その恨み、蛟堂に預けてみませんか……。累計25万部突破の大人気シリーズ、文庫化第五弾!

感想・レビュー・書評

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  • 確かに鍾馗の言うことは間違ってはいないし、信太郎の言い分も分からなくはないと思うからこそ複雑な問題なんだと思う。
    身に覚えがないとは言い難いので気を付けたい「姥捨て山」。

    一部を切り取ればハッピエンドだが、文香にしたら救いがない気がする。
    権力のある酒乱は厄介という教訓を残した「打金磚」。

    いっそ彼のように自由気儘に生きることができたらベストではなくともベターな人生であったとか思いながら死ぬことができるのかもしれない。
    自分は嫌いじゃないし、このようなキャラクターは創作物の中にいるのであれば、むしろ好きと言えるのかもしれない。
    彼女があそこまで彼を憎んだのは、遊びだと割り切ることもできないくらい彼のことを愛していたからだと思うと、陳腐な言い方だが、何て罪な男なのだろう。
    元となった作品の方も、とても印象的なものだった「ドン・ジュアン」。

    ちなみにドン・ジュアンというのは英語読みであり、伝説の色事師の出身地であるスペイン語での読みはドン・ファンで、英語のwomanizerと同じ意味らしい。

  • 今回は「ドン・ジュアン」が良いかな。自らの生い立ちや悪意を肯定して死に向かう諦感がイヤミなく描かれていると思います。

  • シリーズ5作目 3編収録
    5作目ともなればお約束感が否めないのも仕方ないですが、今回は少し変えてきましたね。 読後感の悪さはなくなりましたが、なんか切ない。特に「姥捨て山」は、切なくてやりきれない。  誰にでも起こりうる、と言うか何処にでもある、と言うか。 けれど、何があっても何処まで行っても親は親なんですね。 
    本作では「ドン・ジュアン」が好み。 と言うより、安心して(?)読めた。 
    今後の進展が気になる所なんですが、うーん。 続編読むか迷い中。 (今月新刊出ましたよね?) まぁ、何だかんだ言っても結構好きなシリーズなので、とりあえず読むんだろうな。

  • 気に入った一節
    --
    ああ、何て不確かで頼りない感情だ。裏切られたかと分かった瞬間に、激しい憎悪に変わるのだ。実に恐ろしい感情ではないか。
    --
    その裏側に激しい愛情があるからこそ、裏切られた相手は深く傷付き悲しむのだ。自分が壊れてしまわないように相手を恨むのだ。共に過ごした幸福な日々が偽りであったなどと信じたくはなくて、執着し、仕返しをしたいと思うのだ。
    どれだけ自分が傷ついたか。どれだけ自分が愛していたのか。
    それを相手が分かってくれたのなら、また、もしかしたらやり直すことができるのではないかと。後悔と謝罪を口にしながら許しを請うて、再びその唇で愛を紡いでくれるのではないかと―――淡い期待を抱くのだ。

  • 陰陽師、報復、本といったキーワードにそそられ
    読み始めた「蛟堂報復録」も文庫で5巻まできた。
    一番最初は、「はずしたか...」と思ったけれど、
    けっこうはまってます。
    恋人の比奈さん、ドン・ジュアンでは、とっても
    いい感じです。

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著者プロフィール

1985年、静岡県生まれ。
2007年にwebサイト「Nosferatu」を開設。創作小説を書き始める。『蛟堂報復録』でアルファポリスミステリー小説大賞を受賞し、書籍刊行へと至る。他の著書に『呪症骨董屋 石川鷹人』(アルファポリス)、『ペットショップ夢幻楼の事件帳』(角川書店)、『宵闇の王国 路地裏の吸血鬼と俺の事件録』(TOブックス)などがある。

「2018年 『蛟堂報復録9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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