子どものライフスタイル (アドラー・セレクション)

  • アルテ
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434180323

作品紹介・あらすじ

人生の課題から逃れようとする子どもをいかに勇気づけることができるのか?活動の拠点を新天地アメリカへと移したアドラーがニューヨークで行った症例検討と公開カウンセリングの記録!勇気づけの具体的な方法が明らかにされる。

感想・レビュー・書評

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  • ”アドラー氏が、ニューヨークの新社会学校で実施した公開カウンセリングの速記録をもとに書き起こされたのが本書。原題は "The Pattern of Life"(邦題はどこからきた?)。

    冒頭から個別具体的な相談ケースの解説が始まるので面食らったが、学生たちを前にしながら、親の話を聞き入れ、子どもと向き合う緊張感が読んでいるこちらにも伝わってきた。

    初めは、あくまでも他人のケースだと思いながら読んでいたが、途中から自分の中に存在する「問題をもった子ども」をイメージしながら読んだ。その結果、気になったのは「第十章 神経症の基礎」のレイチェルのケース。

    突き詰めていえば、周りの人からの愛や信頼をしっかりと確信し、劣等コンプレックスに訴えることをなくすよう勇気づけする、ということ。

    <抜き書き>
    ・病気のためにどんな気まぐれも許されたのである。そして、この幸福な状態を永続させるために、彼女の不健康を利用するようになった。(略)市電には命令できないので、彼女はいらいらし、このいらだちを彼女の劣等器官によって、つまり消化管によって表現する。(p.157)
     ※弱いところにでる。むむむ。

    ・あなたはどこにいても自分のしたいようにするのが少し好きすぎるのだと思う。皆の注目を得ることが確信できない場所があれば、そこへ行かない口実を作る。(p.161)

    ★でもあなたが友好的で親切であれば、皆があなたのことを好きになるだろう。(略) 私があなたなら、お父さんと友達になるだろう。(略) ご両親があなたが二人に関心があることがわかれば、家族の中でもっとも重要な成員であることを見せるためにあらゆるトリックを使うよりも、あなたのことをずっと好きになるだろう。(p.161)

    ・レイチェルに近い誰かが彼女に彼女のトリックをもっと完全に説明し、それを断念するよう勇気づけてほしい。(略)教師の協力があれば、このケースはよくなるだろう。(p.162)

    ・どんな子どもも最初から問題を起こすはずはない。親が子どもに適切に関わらなければ子どもが自分や世界について誤った見方(ライフスタイル)を持つことになる。本書によって、どうすれば子どもが健全なライフスタイルを身につけ、人生の課題を前にして怯むことなく立ち向かっていけるように援助することができるか、勇気づけの具体的な方法を学んでほしい。(p.190:解説 by 岸見一郎さん)

    <きっかけ>
     人間塾 2015年2月の課題本。”

  • 訳者の著書「アドラー心理学入門」を読んで、実際のアドラーに触れようと購入(神田の大型書店・心理学コーナー)。「入門」でも触れられていたが、アドラーは臨床と講演が中心で、著書が少ない。本書も公開カウンセリングの速記録だ。そのためか、欧米風の言い回しをそのまま訳してしまったような感が否めず、日本語的に洗練されていない。時として意味を掴むのに苦労した。また、それぞれのケースが個別具体的過ぎるために、本書の内容を普遍的な心理学にまで昇華させるのが難しい。

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著者プロフィール

1870年‐1937年。
オーストラリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイトおよびユングとともに現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立し、個人心理学を創始した。実践的な心理学は、多くの人々の共感を呼び、アドラーリバイバルともいうべき流行を生んでいる。

「2022年 『人間の意味』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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