座卓と草鞋と桜の枝と

著者 : 会川いち
  • アルファポリス (2015年2月26日発売)
3.42
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  • レビュー :12
  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434203510

作品紹介

真面目で融通がきかない検地方小役人、江藤仁三郎。
小役人の家の出で、容姿も平凡な小夜。
見合いで出会った二人の日常は、淡々としていて、
けれど確かな夫婦の絆がそこにある――
ただただ真面目で朴訥とした夫婦のやりとり。
飾らない言葉の端々に滲む互いへの想い。
涙が滲む感動時代小説。
第4回アルファポリス「ドリーム小説大賞」大賞受賞作品。

座卓と草鞋と桜の枝との感想・レビュー・書評

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  • 『居酒屋ぼったくり』の後ページの広告より
    見知って読む

    話が短いので、あっという間
    もっと細かいエピソードや細かい描写があれば
    物語の、心情の、本の
    厚みがでたと思う

    ちょっとサックリしすぎ

  • 字が大きくて、ページ数も少ないので、なんとなく、手に持った感じが物足りない。表題作と、「笛の音」の二編。「座卓と〜」は、外回りをする役人と、その妻の話。桜の枝が根付いて良かった。「笛の音」は、藩主代理の鷹光と、側仕えの江藤の話。下手な笛の音で、鼠が逃げて行く…。

  • 表題作と「笛の音」の中編2作.
    ある藩の国家老の家格の江藤家の三男を主人公にした1編.妻との慎ましい情の通い合いが(悲しい結果ではあるが)心に染み入るようだった.また次男と藩主代理の1編もぎこちない二人の交わりが掛け替えのない関係になっていくのが面白かった.そしてどちらにも登場する黒幕的な長兄がなかなか良くて,彼の物語も読んで見たいと思った.

  • 「居酒屋ぼったくり」をきっかけに、アルファポリスの単行本を片っ端から攻めております。笑
    おしなべて、さくさく読めるのがいいね。
    文庫のほうが持ち運びやすいんやけど、内容や雰囲気が、単行本でこのフォント、およびフォントサイズがぴったりやと思う。

    (どこがどうと具体的にはよういわれへんけど・・・)

    こういうところも踏まえて、読書やんねえ。
    基本的に挿絵は不要派なんやけど、装丁ってすごい大事やと思う。


    さて、この本は、藩主家老家の三兄弟の話なんやけど、めちゃくちゃ面白かった!!
    「感動時代小説」と、帯には書かれてるけど、そこまで構えて読まなくてもいいな。

    でもバックグラウンドはしっかりしてるし、登場人物のしゃべり方が丁寧なのがいいな。
    藩主や小役人、上士が舞台の話ってなかなか読まないので、そういう意味でも新鮮でした。

    そして、三男の仁三郎よりも、次男の信次郎の話のほうがグイグイ読んじゃったのはもう・・・。仕方ないよね・・・(笑)。

    ちゅうか、表題作と信次郎の話とではテンションと方向性が違いすぎる・・・!


    表題作は、初めて読む作家、初めて読むような設定なので若干手探りで読んでいたのだけど、小夜との突然の別れに
    「エッ」
    と、二度見。出先で読んでいたので、うっかりフリーズするくらいにはびっくりした。

    その後、仁三郎が倒れたときも
    「またか・・・!」
    と、フリーズ。

    全然、「淡々とした二人の日常」じゃないよ~、と、思ったけど、そうか、今よりももっと人の「死」が身近にある時代なんやな・・・。

    江藤家三兄弟はさぞ男前なんやろうな。
    小夜は幸せやったに違いない・・・、とは思うけど、この時代の妻って
    「お母さんか!」
    と、スでツッこみたくなった。

    小夜の生き様も幸せなんやろうけど、個人的にはもうちょっと違う幸せを願いたいかな・・・。笑
    私には女子力がないからネ・・・

    著者の本を他にも読んでみたいけど、既刊本はないのかなあ。

    端的な文章がつらつら並ぶのは違和感があるといえばあるかもしれへんけど、この世界観にはピッタリやと思う。

    (2016.07.30)

  • 2編の物語。どちらも私にとって結末が分かりにくかった。何故、仁三郎は義理姉に妻の形見の簪と和服を託したのか。

  • 座卓が3
    後半の「笛の音」が4
    図らずも、藩の後継者となった前藩主の弟鷹光。鷹光を支える用人・信次郎との奇妙な関係。

  • アルファポリスも、この小説家の会川いち氏も、初めて出会う本であった。

    表紙の可愛さと、真面目で、気の利かないような武士と、濡れ縁の方から、庭を見つめるふっくらとした女性、、、本を広げると、活字も大きく、読みやすい。

    江藤家の長男、次男、三男にまつわる話で、あるが、、、三男の妻との何とも言えない位、絆の深さと、お互いに想いやる優しさ、、、、
    見合いの席も、話の筋が、出来てから、、、書かれており、、、余計に、2人の関係が、自然と周りをほんわかしてくれる。
    桜が、根付いてくれて、薄紅の花を付けてくれるのを、夫婦2人で、空から見ているだろうか?と、思わずには居られなかった。

    「笛の音」も、お家の後継ぎ問題と、武士の信念とは、、、、と、江藤家の次男の優秀さと、世間の流れをも、把握出来て、番代の殿様とのつながりが、又、格別言葉が、少ないのに、其の中に、優しさの感じられる話であった。

    大きな活字、そして、本の枚数からして、あっと、言う間に読めてしまったが、心優しくなれる本であった。

  • 江藤家の三男と次男の話。長男はどちらの話にも登場する。淡々といい話。淡々とだから、ゆっくりと心にしみる。

  • 表題作と「笛の音」の2編。
    字も大きくページ数も少ないので、短い時間で読める。表題作は江藤家の三男、もう1作は次男が主人公。思いもしない展開だったけど、夫婦間の何気ない日常の空気感が心地いい。
    どちらのお話も良かったけど、短かったからかちょっと物足りなかった。長男が主人公の話も読んでみたい。

  • 表題の方の話も良かったけど、もう一つの笛の音が好み過ぎた。

    江藤三兄弟は三者三様だな。
    長男は長男らしく、次男は癖のある神童、三男は男前だが誠実で実直。
    個人的に、非常に美味しい設定だ。

    先に収録されている表題の話は、三男の話だ。
    まさか主人公とその妻両方が死ぬとは思わなかったので意外過ぎる展開ながらも、それはそれで楽しめた。哀しくもとても良い話だ。

    仁三郎は男ぶりが密かに評判である程なのに、小夜を妻に選ぶ、中身もイケメンな男だ。良いなぁ。小夜が羨ましい。
    朴念仁なのはご愛嬌。
    仁三郎、小夜が死んでも泣かなかったが、心の中では物凄い衝撃だったのだな。
    受け止めきれず、結局後を追う形になってしまったが、それはそれで仁三郎らしい。
    仁三郎がいかに衝撃を受けたかは、長兄が思ったようにあの日記で分かる。
    日頃仕事のことを詳細に書いているのに、小夜が死んだときだけは仕事のことなど一切書かずただ「妻が死んだ」とだけ書いてあるのはとても異様で、それ程衝撃だったのだと分かる。
    涙を流せないくらいの衝撃だったんだな。
    あの老人の話で、仁三郎も自分が受け止めきれない衝撃を自覚したんだよな。
    哀しいけど、本当に良い話だった。
    構成が非常に良く出来ていると思った。

    笛の音は、次男の信次郎とその主の話。
    この次男ほんと良いキャラしてる(笑)
    ちょいちょい出てくる長兄とのやり取りが面白すぎて凄い好き。
    特に笑ったのは、長兄に阿呆の相手は嫌ですのあたり。
    頭が緩い、どこかに脳みそを落としてきた、容赦無い言葉に爆笑した。
    そんな信次郎に返した長兄の「成長途中と言え」でリアルに噴き出して笑った。
    この兄弟良いなぁ。
    長兄はさぞ頭を悩ませ痛かっただろうが(笑)
    祖父と信次郎のやり取りとその仲介をした長兄は、苦労してるなぁとまた笑いが。
    あと手紙の件も笑わせてもらった。
    意味不明って、それを信次郎が言うのか(笑)
    信次郎、いい理解者を持てて良かったな。若い内に芽を潰されなかったのは長兄のおかげだな。
    小さい頃にこういう理解者が得られなかったら、信次郎みたいな神童は潰れていたと思う。

    そんな癖のある信次郎と鷹光は本当にピッタリの組み合わせだと思った。
    鷹光は器が大きいよな。そして、人をちゃんと見ている。
    信次郎は勤勉と言われたの本当に嬉しかっただろうなぁ。
    神童と謳われ続けてきたから、こんなにちゃんと中身を見てもらった賞賛は胸に響くものがあるはず。
    鷹光は天然タラシだな(笑)

    薬草園のために両替商のところに行ったところは良かったな。
    あそこで本当に主従関係になったといっても良い気がする。
    主に信次郎の心境の変化。
    鷹光が戦っている様に見えた、主君の面子を立て直す、立派な家臣の心だ。
    それにしても両替商との交渉は見事だった。そして容赦無い。
    あの交渉で一番信次郎の本来の能力が発揮され、間違いなく全開だった瞬間だな。
    途中で両替商が可哀想になるくらいには凄かった。翌日に持ち越すと言われた時は両替商の心情お察しするわ。
    冷や汗ダラダラで逃げ出したかったのにな。

    信次郎と鷹光の20年の間の話を見たいなぁ。
    すごく気になる。絶対面白い。

    最後、鷹光がお役御免になったとき信次郎もやっぱり辞した。
    あの私塾に信次郎も一緒にいるのだろうなぁ。

    信次郎の不器用で遠回しな褒め言葉をちゃんと察する鷹光凄い。
    それを聞かされた長兄の反応が可哀想ではあったけど面白かった。
    花火、見せてあげる約束したんだな。
    名前を呼ばせるところで信次郎のクーデレの真価を見た。あれは萌える。

    信次郎と鷹光の話がもっと読みたい。

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