鳥 (アジア文学館)

  • 段々社 (2015年11月20日発売)
3.22
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784434210297

感想・レビュー・書評

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  • 母は出て行き、親戚をたらい回しにされ、迎えに来た父もまた失踪。
    過酷な状況で生きる幼い姉弟の話。
    読みながら、映画「誰も知らない」を思い出した。
    少しずつ追い詰められていく姿に胸が苦しくなるが、どこか滑稽。
    そうだ、生きていくというのは滑稽だ。
    姉の視点からずっと語られるのだけど、語りの幼さと早熟さのバランスが絶妙。
    文章がとても美しく(訳も非常にいい)、辛い作品ではあったけれど、作者の他の小説も読みたくなった。

  • ふむ

  • 3.14/21
    内容(「BOOK」データベースより)
    『宇宙で一番美しい娘「宇美」、一番カッコイイ男「宇一」と親に名付けてもらった姉と弟。だが、母は貧困と父の暴力に耐えかねて家を去り、父は出稼ぎに出たまま戻らない。幼いふたりはまるで荷物のように親戚をたらい回しにされ、やがて見知らぬ町の、ワケありの住人たちが暮らす長屋にたどり着く―。現代の韓国社会を舞台に、両親に置き去りにされた子供の心の叫びを、宇美の容赦ない目を通して描く。2003年ドイツの文学賞“リベラトゥル賞”受賞。韓国で初めての海外の文学賞受賞作品。独・仏・英・露語など10カ国語に翻訳』

    著者:オ ジョンヒ  
    訳者: 文 茶影
    出版社 ‏: ‎段々社
    単行本 ‏: ‎170ページ

  • 人間は、幼少の頃に見た
    平穏、喜び、哀しみ、憤り…
    数え切れない言動や行動から人格を形成していく。

    それは、仏教上の
    正道への一歩であり、邪道への一歩でもある。

    時代設定が1980年代の為、現代はまだ改善されているといっても、それは氷山の一角で、現在も劣悪な環境での生活を余儀なくされている子供達が実在しているのが現状だ。

    主人公への周囲の当たりは大前提として、特に犬に関する描写が残虐で、実際に韓国では行われていたと知っていても とても受け入れがたく、作家の腕のよさ故に気分が悪くなってしまった…

    ただ、それほど感情移入させられる言葉を紡ぐ作家さんに出会えたことに感謝して、他の著作も読んでみようかと。

  • 苦手なタイプの話。終始陰鬱。読んでいると具合が悪くなる。この感じ、村上龍の限りなく透明に近いブルーを読んだ時に近い。

  • 『鳥』(日本語訳 2015年 // 原著 1996年)

    原題:새[Sae]
    著者:오정희[オ・ジョンヒ/呉 貞姫](1947-)
    訳者:文 茶影[むん・ちゃかげ](1958-)

    ※初出は1995年、季刊誌『東西文学』。


    【書誌情報+内容紹介】
    カバー:安 智勇
    装丁:今井明子
    シリーズ:アジア文学館
    段々社(発行) 星雲社(発売)
    本体 1,800円 四六判 170頁
    発行日 2015年11月
    ISBN 978-4-434-21029-7

      親に置き去りにされた子供を描く
    宇宙で一番美しい娘「宇美(ウミ)」、一番カッコイイ男「宇一(ウイル)」と名付けられた姉と弟。だが母は貧困と父の暴力に耐えかねて家を去り、父は出稼ぎに出たまま戻らない。孤独と絶望の淵で、幼いふたりはどう生きるのか? 彼らの未来は?――宇美の容赦ない目で不安定で不条理な現代社会を浮き彫りにし、2003年リベラトゥル賞(独)受賞。独・仏・英・露語など10ヵ国語に翻訳。
    http://www.interq.or.jp/sun/yma/book/tori.html

    【目次】
    鳥 003

    訳者あとがき(二〇一五年 秋 ソウルにて 文 茶影) [164-170]

  • 親にネグレクトされた幼い姉弟を徹底的に姉視点で描いた韓国の小説。
    詩的な文章のおかげで雰囲気は幻想小説。
    設定は『誰も知らない』http://booklog.jp/item/1/B0002PPXQYに似てる。
    でもお姉ちゃんと弟だから、かなしさの質が違う。

    子供のかわいくなさがリアル。
    こんな子供が近くにいたら不気味だろうしきっと嫌悪する。
    だけどそれは子供が生き延びるためのあたりまえな歪み方で、だからそれが悲しい。
    ないがしろにされる子供たちは、予言の自己成就みたいに、言われた通り素直にひねくれていく。
    『花をうめる』の中にあった話http://booklog.jp/quote/516472を思い出した。

    周囲の大人たちのやさしくなさもリアル。
    「暗闇を追い払ってくれる誰か」のいない大人たちは、子供を暗闇から守ってあげる余裕をもたない。
    できる範囲の支援は大切だけど、「力になるよ」といいながらできる範囲でしか助けてくれない人を信じるのは無理だよな、と、大人に助けを求めるという発想のなかった子供のころを思い出した。
    いつ手を引っ込めるかわからない人の手をつかむなんてできない。

    はじめから不誠実な顔で、案外きちんと面倒をみてくれた若い女のひとが一番好き。
    ここから先は無理って先に言ってくれたほうが信用できる。


    これの直前に『テロリストの息子』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4255008957を読んだ。
    つい比較して、希望のあるノンフィクションよりも救いのないフィクションをリアルに感じてしまったのが悲しい。


    完全にフィクションとして読みたかったのに、あとがきの解説をよんだらトリイ・ヘイデンとシーラhttp://booklog.jp/item/1/4152080329を連想してしまってちょっと萎えた。
    すくってやる側の認識と半端にかかわられた側の認識にはズレがあることもあるから。
    この本のなかの相談オモニの書き方は救いがなくて好きだけど、これが贖罪なら違うと思う。

    文章はきれい。だけど、意訳すぎるのか直訳なのか、イメージが違うような気がする部分がちょこちょこある。
    たとえば「漫画喫茶」。2016年に日本語でこれを読んでいる私にとっての「漫画喫茶」と、90年代半ばとおぼしき韓国が舞台のこの物語の中の「漫画喫茶」は違う場所なんじゃないかな。


    読んだらなんとなく頭の中を相対性理論の『小学館』が流れた。
    たぶん李さんの鳥のせい。
    “今日から三週間 目覚めちゃダメだよBABY”

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