- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784434294969
作品紹介・あらすじ
『砂状病』、あるいは『失踪病』。発症すると体が崩れて砂となり、消え去ってしまうこの奇妙な病気には、とある都市伝説があった。それは、『体が崩れてから24時間の間、生前と変わらない姿で好きな場所に行き、好きな人に会える』というもの。喧嘩別れした幼馴染に、ずっと一緒に生きていたかった愛する人に、充実した日々を共に過ごした親友に、未来ある見知らぬ誰かに、いつだって見守ってくれていた家族に……残された最後の24時間で、もう一度出会い命を燃やした人々の、切なく優しい物語。
感想・レビュー・書評
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わたしなら24時間で何をするかな
家族への感謝、これから家族を守ってくれる人へのご挨拶…亡くなった人の私物のお片付けって気力体力使うから、あまり苦労させたくないな、荷物の行き先できるだけ道筋を立てておこうかな…
どれだけ準備や覚悟をしても後悔しないのは無理かもしれないけれど、関わった人たちの未来に繋がる少しでもなにかいいものをのこせたらいいな
なんてことを考えた、この1冊詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
砂になって消えてしまう病に罹患してしまった人たちが紡ぐ最後の二十四時間の物語でした。短編形式で様々な人の終わりを書いているので、一冊の中で一粒も二粒も楽しめる仕掛けになっていました。友達と喧嘩したままで終わりたくないとか、人生に区切りをつけたいとか、夫が一人でも生きていけるようにしたいとか、家族の元に還りたいとか、あるゆる後悔とか未練を払拭しようと奮闘する老若男女の姿に胸が熱くなりました。最後に収録されている短編『僕と俺〜海へ還る日〜』は、一際感動しました。とても素晴らしいお話でした。