この心が死ぬ前にあの海で君と (アルファポリス文庫)

  • アルファポリス (2024年6月12日発売)
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本 ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784434337437

作品紹介・あらすじ

アルファポリス第6回ライト文芸大賞「青春賞」受賞作! 母親との関係がうまくいかず、函館にある祖父の家に引っ越してきた少女、理都。周りに遠慮して気持ちを偽ることに疲れた彼女は、ある日遺書を残して海で自殺を試みる。それを止めたのは、東京から転校してきた少年、朝陽だった。言いくるめられる形で友達になった二人は、過ぎゆく季節を通して互いに惹かれ合っていく。しかし、朝陽には誰にも言えず心の奥底に抱えたままの悩みがあった。さらに、理都は自分の生い立ちにある秘密が隠されていることに気づき──

感想・レビュー・書評

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  • 理都が一体どんな悪いことをしたのか。そう言いたくなるくらい、辛い環境にいる理都。大切なともだちはいるけれど、大切だからこそ家族のことは話せない。そんな理都が悲しかった。朝陽という何でも話せる相手を得た理都。同じ学校に行くようになってから、すれ違ったり誤解を生んだりすることはあったけれど、それでもお互いに必要不可欠な存在なことが伝わってきて嬉しくなった。傷ついた、乗り越えられていない過去を持つ2人だからこそ、お互いに寄り添えるのだと思うから。お互いに素直に相談し合える2人には、ずっと一緒にいて欲しいな。と思った。

  • 感情を押し殺して、取り繕って生きてきた主人公が、ある男の子との出会によって救われ、成長していく。甘酸っぱい青春ドラマにキュンキュンしながら、後半は張り巡らされた伏線が見事に回収されてて、じんわりと切なくも心温まりました。
    感動のあまり涙腺崩壊でした。
    北海道は函館が舞台。
    四季を感じながら、函館を楽しめる、函館愛を感じる作品でした♡本当に素敵!お勧めです!!!

  • 冒頭の厳しく冷たい海の描写に心をぎゅっと掴まれ、理都という少女の抱える孤独と哀しみに思いを馳せずにはいられませんでした。
    リアリティをもって描き出される函館の情景やじっちゃんとのささやかな暮らしには、著者の函館とキャラクターへの愛情とあたたかい眼差しが満ちていて、自分もそこにいるかのような感覚を覚えます。
    周囲の人々に支えられ、自分の抱える痛みと勇気を持って向き合い、今度は大切に思う人のために立ち上がる理都の姿は、瑞々しく愛おしく、目頭が熱くなる場面がいくつも......。
    一瞬ですべてを癒す魔法はないけれど、迷いながら、真摯に、愛情を持って歩み続けることで、変えられることがある。そう強く感じました。
    瑞々しく繊細な筆致と、骨太な人間描写も素晴らしく、理都や朝陽たちの清々しい姿がいつまでも心に残る物語でした。珠玉の青春小説、オススメです!!
    (そして、理都がとにかく可愛らしい!と付け加えておきたい☆)

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