好きなことを仕事にできたら、どんなに楽しく幸せだろう。
みんな一度は考えたことがあると思う。
本作の主人公・大石くんは、就職活動に連敗し、仕方なく介護職に就いた青年。
人のお世話をするのも、お年寄りが好きなわけでもない。ただ、仕事だから、やらないといけないからやっているだけで、半年後には辞めてやると思いながら働いている。
同じ施設で働く先輩たちは、信念を持ったり、やりがいを感じながら働いている人たちが多い。
一方で、「キツい、汚い、給料少ない」の3Kで、底辺の仕事だとぼやく同僚もいる。
ぼやく同僚に同意しつつも、利用者をモノみたいに扱うその姿にモヤモヤしたものを感じる大石くん。でも、心情的には共感できる部分もある。
そんな大石くんの良いところは、先輩たちの仕事ぶりを「すごい」と尊敬し、介護職に対する想いを質問するところ。そして自分の悩み(辞めたいと思いながら働いていること)を素直に話せること。
先輩・同僚や利用者との対話を通して、少しずつ介護の仕事を尊いものだと考えるようになる大石くんの変化は、見ていて頼もしい。
「仕事だから」と割り切ることも必要だと先輩の田沼さんは言う。
「続けていくうちに、誰かに必要とされる時が来る」とナースの野島さんは言う。
そして、最初はギスギスしていた利用者の村上さんは「辞めんな。この仕事を続けて、わしらを助けてやってくれ」と言う。
そんな人たちの言葉を聞いて、大石くんは「辞めることを止める」決断をする。
好きでもない仕事を続けていくと言う選択をするのは、転職を選ぶことと同じくらいの勇気が必要だ。
けれど、そんな決断をしながら働いている人の方が、好きを仕事にしている人よりも、きっとずっと多い。
そんな人たちに、「一緒にがんばろうな」と思わせてくれる、未熟で素直で健気な青年の物語だった。
私はお年寄りも好きだしこの仕事は自分に向いていると思いますが、でもふとも。このままこの仕事を続けていてよいのかと...
私はお年寄りも好きだしこの仕事は自分に向いていると思いますが、でもふとも。このままこの仕事を続けていてよいのかと生き詰まるときもあり、このコメントを読んで、読んでみたくなりました。
同業者の方が読むとまた違ったものを受け取れ...
同業者の方が読むとまた違ったものを受け取れると思うので、ぜひ読んでみてください☺️