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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784434347245
作品紹介・あらすじ
【心の奥ふかくに“想い”をくぐらせる】
「ほんとうの豊かさを味わうために」
著者の“言葉”を紡ぐ本づくりの仕事や、家族の死+子育ての体験をとおして、目に見えないものの存在を感じてきた編集者の鈴木七沖さん。なるべく不必要な情報は手放し、ほんとうに大切なものだけを厳選して、40~50代の時間を過ごしてきたと言います。
そんな七沖さんが人生の大半をかけて探求しているのが「真の豊かさ」。
時には本を編みながら、時にはドキュメンタリー映画で“場”をつくりながら、時には人と人とがつながるきっかけを創造しながら、時にはオンラインの町づくりにチャレンジしながら、ずっと昔から探求したかった「真の豊かさ」のこと。そして「魂」の存在……。
日々の暮らしや人とのふれ合いのなかから、しぼり出すように紡がれた“言葉のしずくたち”が1冊にまとまりました。ゆっくりと呼吸をするように、静かな気持ちで読んでみてください。4年ぶり待望の書き下ろし作品。
感想・レビュー・書評
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還暦という俗にいう人生を一周したからこそ身に染みる話がいっぱい
若い頃を振り返り、残りを見つめ、そんな境地に立ったからこそ気がつける詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『魂のふかいところへ』を読んで ー 意識と経験、そして自分に出会う旅
**鈴木七沖 著**
鈴木七沖さんの著書『魂のふかいところへ』を読み、私は自身の過去と現在を重ねるような深い共鳴を感じました。
冒頭で語られる「生きてきた『体感』を経験に変えていこう」という提案は、まさに自分自身が歩んできた道でもありました。ただ感じるだけでなく、それを思考と結びつけることで、はじめて「経験」として身になる。歳を重ねるごとに、その意味を実感するようになっています。
そして、私はこの「経験化」において「観察」の力を加えたいと思いました。物事をしっかりと“観て”、観察し、そこから考える——そのプロセスこそが、体験をより深く、より豊かなものにしてくれます。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚という五感を使って観察することで、私たちは日々の中から多くの気づきを得ることができます。
また、アインシュタインの相対性理論をもとにした「なぜ時間が早く過ぎると感じるのか」という話も非常に印象に残りました。現代社会において、私たちの意識は常に外部に引き寄せられています。SNS、広告、動画、情報の波にさらされ、自分の内側に意識を向ける時間は少なくなってしまいました。その結果、一日があっという間に終わってしまう感覚が生まれているのだと思います。
このテーマについて、私は「睡眠」という体験から自分なりの視点を得ています。熟睡しているとき、一晩は一瞬で過ぎてしまいますが、眠れない夜は10分がとても長く感じる。この差は、意識の有無によって生じるのではないかと考えています。これは著者の言葉ではなく、私自身の経験からくる気づきです。意識が外部から遮断されることで、時間の感覚が変わる——そんな仮説を持つようになりました。
著書の中では、「五感を意識的に使うこと」が自分の意識を取り戻す鍵であると語られており、これは非常に納得のいく考えでした。どんな景色を見て、どんな音を聴き、どんな香りを嗅ぎ、どんな味を味わい、どんな感触に触れるのか。これらを丁寧に選び取っていくことで、自分という存在と再び出会うことができるのだと思います。そして時に、「第六感」とも言えるひらめきや直感もまた、魂のふかい部分とつながっていると感じさせられました。
「出会いを通して、自分に出会う」という言葉も、心に残った一節です。年齢を重ねて初めてわかるこの感覚。どんなご縁も、結果的には自分という存在を形づくるための出会いだったのだと思えるようになりました。
最後に、著者が語る「人生とは豊かになる旅である」という言葉。そして、「魂のふかいところとは、自分の思いの総和である」という表現には、静かな感動がありました。私がいつも引用するマザー・テレサの「思考は言葉になり、言葉は行動になり、行動は習慣になり、習慣は性格になり、性格は運命になる」という言葉とも響き合います。やはり人生は、まず“思うこと”から始まるのだと、深く心に刻みました。
この本は、「今ここにある自分」を丁寧に見つめ直すための、静かで確かな導きの書でした。魂のふかいところに、そっと耳を澄ます——そんな時間を、これからも大切にしていきたいと思います。
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