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Amazon.co.jp ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784434349379
作品紹介・あらすじ
【第2回ハナショウブ小説賞 テーマ部門大賞受賞作】
君の「普通」が羨ましい。
少年少女の心の叫びを描く青春小説。
吃音に悩む中学生・加瀬真中は、いじめが原因で不登校となったまま、中学三年生になった。そんな真中のもとに、車椅子に乗ったクラスメイト・明石京子が訪れる。
ピエロのように作り笑顔を浮かべて不都合なことをやり過ごしてきた真中と、自身のことを歩けないカカシだと皮肉る京子。互いを見下し合う関係でいることで、心穏やかな学校生活を送らないかと京子に提案され、奇妙な関係を築いていく二人だが……。
友達でも恋人でもないふたりの関係を、人はなんと呼ぶのだろう。
みんなの感想まとめ
吃音に悩む中学生の加瀬真中と、車椅子の同級生明石京子の物語は、彼らが抱える苦悩や孤独を丁寧に描き出しています。二人は互いに助け合いながら、学校生活の中でのいじめや差別に立ち向かう姿が印象的で、時には心...
感想・レビュー・書評
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吃音で虐められ不登校になった加瀬真中は、車椅子の同級生・明石京子が家に進路調査のプリントを持って来たことがきっかけで2年ぶりに登校する。
だが明石京子も虐めにあっていた。
車椅子で苦労する京子に手を貸したことで、必要とされたり、口を聞いてもらえなくなったり、の微妙な距離を行ったり来たりだった。
泣き虫で気の弱い真中といつも強気の京子だが、彼らの悩みをわかってくれる人は、クラスには誰もいなくて生徒指導の教師すら現状をわかっていないというとんでもない学校内で、よく卒業まで過ごせたなと拍手したい気分だった。
卒業式に言いたいことを言った2人に凄いと思った。
それよりも障害者にとってこんなにも苦痛な学生生活を過ごさなければならないという現状になんとも言えない複雑な気持ちになった。
理解できる人が少ないということは、けっして未来があるとは言えない気がする。
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吃音男子と車いす女子のボーイミーツガール。導入部は、阿部暁子さんの『カラフル』を思い出した。親切でも急に車椅子を押すのはやめましょう。
こちらが違うのは男子も吃音を抱えていること、そして2人が表だって壮絶なイジメと差別を受けること。同級生からも酷いが、教師(芳賀!)からうける差別は本当に気分が悪くなるので注意。
いじめた人達、差別した人達の罪は改心して謝罪したとしても消えない、一生背負え!と言い切ったのは良かったです。イジメが如何にくだらなくて取り返しがつかないということを感じる上で、特に若い学生がこの本を読むことは価値があるのでは。
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ブクログの抽選で当選したものの……。
あらすじが辛そうで、しばらく積読にしていました。
読むのに体力が必要そうな本って、元気がないと本にのまれてしまうんですよね。
でも、そこそこ元気があったので何の気なしに読み始めたら――気づけば一気に読了。
一言で言うと、素晴らしかったです。
登場人物は、吃音の少年と車いすの少女。
二人の絆と、彼らを取り巻くクラスメイトからのいじめが描かれています。
いじめの描写は本当にきつく、あまりにリアル。
先が気になるのに、何度も本を閉じてしまうほど。
「この二人は必ず報われてほしい」と祈るような気持ちでページをめくりました。
何よりも、この小説から自分の知らない世界を教えてもらえたことに感謝しています。
吃音に関しては映画『英国王のスピーチ』で多少のイメージはありましたが、
思春期の少年が学校という閉ざされた環境で受ける苦しみは想像をはるかに超えていました。
しかも、教師までもがいじめに加担するという現実。
少年へのいじめは、教師の行動によって助長されていたのだと感じました。
また、車いす生活を送る少女を通して、ハンデを持つ人が抱える繊細な感情を知ることができました。
健常者にとって「良かれ」と思った行為が、当事者にとっては迷惑や恐怖になることもある。
印象的だったのは、吃音の少年が少女の車いすをスロープで押そうとして、
少女に激怒されるシーン。
なぜ怒ったのか――読んでいてハッとしました。
突然後ろから押されると、体のバランスが崩れて支えられなくなる危険があるそうです。
健常者が歩いているときに、いきなり後ろから「ワッ!」と驚かされるようなもの。
「おそうか?」のひと言だけでも相手を安心させることができる。
思いやりとは、そういう一言から生まれるのかもしれません。
この小説を読んでいるとき、ふとYouTubeで見た
シークエンス・はやともさんの「性格が悪いとは?」という話を思い出しました。
彼はこう言っていました。(ざっくり下記のような事を言っていたと記憶している)
性格が悪いとは、視野が狭くて想像力がないということ。
狭い世界で作った自分の基準を正しいと思い込み、他人にそれを強要すること。
まさに、いじめる側の人間に当てはまる言葉だと思いました。
結局、人を傷つける人は精神的に成長できていないのだと。
読みながら、登場人物の金田(いじめっ子)にその言葉を重ねていました。
ラストでは、一皮むけた二人の姿が見られて本当に感動しました。
つらい物語だけれど、読後には温かい光が差し込むような余韻が残ります。
思いのほか、たくさんのことを考えさせられる一冊でした。 -
危ない!数ヶ月、積読していました!1人でいいから、ちょっとした味方がいるだけで救われます。本作品には、たくさんいる。だからか、クソ教師の場面も耐えながら読み進めることができます。
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ダントツ、今年のベスト1です。
(ブクログにて当選した本ですが(笑))
ダイバーシティ、ジェンダーフリーの世の流れで、この物語はいろんな人に読んでもらいたい小説です。
私はリハビリ関係の仕事をしてますが、障がい者やその周りの方の気持ちをここまで記述・描写、出来ている小説は素晴らしいの一言です。
ここに出てくるクラスメイトや教師など今のご時世あってはならない登場人物ですが、未だに何処かにはいそうだと考えています…
障がいを持った方々とその家族に寄り添うことがどれほど尊いことか、どれほど難しいことか、どれほど理解出来ていないか、身に染みて感じることができます。
もう一度言いますが、老若男女、全ての人に読んでもらいたいです。 -
ブクログさんの企画で当選していただきました。
ありがとうございました。
間違えて電子書籍で登録して感想を書いてしまっていました…。
淡い優しげな表紙からは想像できないくらい過酷ないじめと明白な差別が次々に起こります。
途中で休憩が必要で、読み終わるまで時間がかかりました。
想像力や寛容の無さがこんなに人を残酷にさせるんですね。
でも最後まで読めて良かったです。
主人公の真中くんと京子さんが悩んで答えを出す姿は思わず応援していましたし、年相応な場面にはつい笑顔になっていました。
ラストもとてもスカッとして良かったです。
主人公と同じ世代の中学生は勿論読んでいただきたいですが、すっかり大人になった方々にも読んでいただきたいです。
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「介護・医療・福祉」がテーマの作品。 吃音に悩み不登校だった加瀬君がイヤイヤ行くようになった学校で車いすで通う明石さんと二人で分かり合える周りからの視線と息苦しさ、偏見を 二人なりに捉え乗り越えていってた。 乗り越えるというか自分たちの考え方を自分たちなりに変えて受け止め方を変換し生きて行く方法を模索し進んでいく感じがした。卒業式の答辞がサイコウ!! 【26.12】
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Amazonの紹介より
君の「普通」が羨ましい。
少年少女の心の叫びを描く青春小説。
吃音に悩む中学生・加瀬真中は、いじめが原因で不登校となったまま、中学三年生になった。そんな真中のもとに、車椅子に乗ったクラスメイト・明石京子が訪れる。
ピエロのように作り笑顔を浮かべて不都合なことをやり過ごしてきた真中と、自身のことを歩けないカカシだと皮肉る京子。互いを見下し合う関係でいることで、心穏やかな学校生活を送らないかと京子に提案され、奇妙な関係を築いていく二人だが……。友達でも恋人でもないふたりの関係を、人はなんと呼ぶのだろう。
第2回ハナショウブ小説賞 テーマ部門大賞受賞作
いじめという理不尽な状況に心苦しかったですが、それでも懸命に学校生活をおくる2人に勇気づけられました。
もうとにかく見ていて、いじめっ子達にイライラしてしまいました。
自分とは違う存在だからと貶すいじめっ子。吃音で言葉がたどたどしいから笑うならまだしも、それがエスカレートしていく描写に、イライラするばかりでした。
さらに先生のキャラもイラっとしてしまいました。
吃音だからと、みんなの前で矯正しようと音読させたり、きちっとした学生にさせようと言葉で押し付けたりと、昭和の先生を象徴するような存在と対応にも、イラっとさせられました。
車椅子としては、あるきっかけで車椅子生活を送ることになってしまったのですが、クラスメートとの確執や車椅子ならではの悩みには、心が痛かったです。
そんな人達が集まった学校にめげずに登校する2人に、凄いなと思ってしまいました。一人だけだとなかなか頑張れないと思いますが、「仲間」がいることで、もしかしたら頑張れるかもしれません。
仲間がいることの大切さや相手を理解することの大切さ、痛みを知ることの大切さなど、色々な大切さを学ばされました。
時にはぶつかり、時には離れたりと2人の関係は変化していくのですが、卒業までに頑張る姿が印象的でした。
卒業しちゃえば終わりなんだから。卒業までに目標を立てたり、あともう少しの我慢だと思って、いじめに耐えたりと、とにかく登校していることが凄いなと思いました。
そんなこんなでの卒業式。もうスカッとしました。今迄の鬱憤が爆発したかのように、2人の心の叫びが放った瞬間は、読んでいて爽快感がありました。現実だと、その後の展開がどうなるか、恐くて知りたくはありませんが、とにかく2人の行動に、スカッとしてしまいました。
今後の2人の人生にも応援したくなる作品でした。 -
いじめをされた側は何年経っても忘れない!忘れたくても頭にふとよぎる瞬間があって、許す心が大切と言われるけど、その狭間とで苦しむという悪循環に陥る。
ただそれを少しでも和らげるために、自分の大切な手札を増やすことが一番だと思って生きている。だからこの本の少年の叫びはもっともだと思った。 -
点訳のために読んだ本ですが、意外と言っては失礼ですが、面白かったです。吃音症の男子中学生と友人とのトラブルがきっかけで車いす生活になった女子中学生とのストーリー。2人ともいじめに遭っていて、それを契機に友達に。中学生の淡い青春ストーリーですが、やはり車いすであることの辛さや吃音症であることの辛さが上手く描かれていました。特に車いすの人との接し方は、接してみないとわからないことが多いのですが、その辺りのことも丁寧に描かれていた印象です。吃音症の男子中学生は、あまり好きにはなれませんでしたが、最後はスカッと楽しく読めました。
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ブクログの抽選で本が当たった。
ありがとうございました。
吃音症の男の子と下半身付随で車椅子の女の子のお話。
中学生で、思春期だとこういう低俗ないじめがあって本当に心が傷つくと思う。
その中でもお互いを支え合う「ハロハロ」の中になれてほんとうによかった。
タイトルのハローハローってどういう意味だろ?と思って読み始めたけど、お互いだけの挨拶っていうのがすごく素敵。
卒業式後の川原での加瀬くんと明石さんのやりとりに涙が出た。
離れてもこの関係はずっと大切にしてほしい。
心が温かくなる話だった。
元々医療系で働いていたので、そういう視点でも考えさせられた。
ただ私はやっぱりミステリ小説が好きかなとも思った。。
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