大漢和辞典 全15巻セット 別巻『語彙索引』付

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  • / ISBN・EAN: 9784469031584

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  • おすすめ資料 第15回世界最大の漢和辞典『諸橋大漢和』(2007.3.9)
     
    【1.『諸橋大漢和』とは?】
     全15巻計2万頁に、親文字5万字と熟語53万語を収録した、世界最大の漢和辞典(字典)です。諸説ありますが全部で5万数千字あると言われる、漢字のほぼ全てを調べることができる辞典と言えます。
     又、索引が完備されていて、部首・総画数・字音・字訓の各索引の他に、語彙索引がありますので、熟語(四字熟語など)での検索ができます。 尚、正式な書名は『大漢和辞典』ですが、著者である諸橋博士の名をとって『諸橋大漢和』あるいは『諸橋漢和』と呼ばれることが多くあります。
     この『諸橋大漢和』は、ほとんどの都道府県立・市町村立の図書館が所蔵しています。又、同じくほとんどの大学図書館が所蔵しています。 漢字や熟語で、お手持ちの漢和字典・国語辞典に載っていないものがありましたら、是非、最寄りの図書館や通われている大学の図書館で、この『諸橋大漢和』を引いてみてください。

    【2.『諸橋大漢和』の収録内容】
     収録数は前述の通り、親文字5万字と熟語53万語です。他の辞典と比較すると、その漢字・熟語の収録数の多さは、群を抜いています。 電子辞書の漢和辞典や1冊ものの漢和辞典は、親文字1万字前後で熟語3~5万語が一般的ですので、まさに桁違いです。掲載語彙数を比較しても、『広辞苑』が23万語(第5 版,1998年)、"OED(Oxford English Dictionary)"が30万語(2005年時点)ですので、こちらも世界最大級です。
     漢字については、正字だけでなく、俗字・国字・略字も掲載されています。但し、略字についてはよく使われるものでも掲載が少ないようです。例えば、「くにがまえ"囗"の中に"丶"」="国"、「"日"偏に"玉"」=曜日の"曜"、などは『諸橋大漢和』には掲載されていません。熟語については、一般的な語句の他、成語・成句・格言・固有名詞(主要な人名と地名)・漢籍の書名・学術用語・中国語・仏教用語等が掲載されています。
     尚、漢字は伝統的な中国語の辞典から採録しています。具体的には、<<康煕字典>>を中心として、<<説文解字>>・<<玉篇>>・<<廣韻>>・<<集韻>>などです。熟語は、中国の古典籍・辞書・字典の他、一般的な語句も掲載するために、公文書・研究書・新聞・雑誌からも採録しています。

    【3.版ごと(5種)の相違点】
     『諸橋大漢和』には、次の5種類の版(A.~E.)が存在していますので、一覧を挙げておきます。
    [A.戦前版]
    刊行: 昭和18年(1943年)
    内容: 巻1のみ
    備考: 巻2の印刷作業の途中で、戦災により原版等を消失したため、巻2以降は刊行されていません。戦後刊行の『初版』(=次項のB.初版)は、諸橋博士が不慮に備えて疎開させていた、校正刷り3部を元に作成されました。
    [B.初版]
    刊行: 昭和30年~昭和35年(1955年~1960年)
    内容: 全13巻 (本文:巻1~巻12、索引:巻13)
    備考: 『戦前版』の校正刷りを元に、全面改稿したものです。
    [C.縮刷版]
    刊行: 昭和41年~昭和43年(1966年~1968年)
    内容: 全13巻 (本文:巻1~巻12、索引:巻13)
    備考: 親文字の解説等が修正されています。
    [D.修訂版]
    刊行: 昭和59年~昭和61年(1984年~1986年)
    内容: 全13巻 (本文:巻1~巻12、索引:巻13)
    備考: 全面的に修訂が加えられています。 修訂者は、諸橋轍次博士、鎌田正博士、米山寅太郎氏です
    [E.修訂2版]
    刊行: 平成元年~平成12年(1989年~2000年)
    内容: 全15巻 (本文:巻1~巻12、索引:巻13、語彙索引1巻、補巻1巻)
    備考: 修訂者は、鎌田正博士、米山寅太郎氏です。

    【3-2.本学図書館の所蔵】
     本学(=神戸外大)図書館では、『諸橋大漢和』のうち、次の版を所蔵しています。

    閲覧室: 『修訂版全13巻』『修訂2版語彙索引』 (N813.2-R=10=1~14)
    書庫1F: 『戦前版巻1』 (823-26-1)
    書庫1F: 『初版全13巻』 (N813.2-R=9=1~13)

    【4.『諸橋大漢和』をコンピュータ上で扱う方法】
     最後に、『諸橋大漢和』をコンピュータ上で扱う(=デジタルデータとして扱う)方法をいくつかご紹介しておきます。これらの方法で、例えば、『諸橋大漢和』にある漢字をワープロソフトで入力・印刷すること等が可能になります。コンピュータ上で扱える文字の種類が格段に増えることになりますので、必要な方にとっては利便性が高いかと思います。尚、どのOSで使えるのか等の詳細は、各社サイト等をご覧ください。

    [a.「今昔文字鏡」(こんじゃくもじきょう)をインストールする。]
    『諸橋大漢和』の漢字を含めて、全部で10万種以上の文字をコンピュータ上で扱うことができるようになるソフトウェアです。
    [b.「超漢字ver.5」(ちょうかんじ)をインストールする。]
    次項のTRONの一種です。本来はOSですが、他OS上にソフトウェアとしてインストールして、その機能を使うことができます。独自の文字コード体系で、『諸橋大漢和』の漢字を含め、17万(最大150万)種の文字を扱うことができます。
    [c.「TRON」(とろん)系のOSを使用する。]
    OSの一種です。独自の文字コード体系で、『諸橋大漢和』の漢字を含め、17万(最大150万)種の文字を扱うことができます。ITRON・eTRON・ BTRON・超漢字(ver.1~4)、等々いくつかの種類があります。ちなみに、ITRONは携帯電話等のデジタル家電で、eTRONはICカードで、それぞれ広く実用化されているOSです。但し、プレインストールされたコンピュータを入手する、あるいはOSごと変更する等が必要となりますので、上記 a~.b.の方が手段としては容易と言えます。

     尚、『諸橋大漢和』そのもののデジタルデータ化は行われていません(2007年2月現在)。その理由としては、原版が最近の辞書のようにデジタルデータ化されたものでないこと、総データ量が巨大すぎること、扱われている漢字の種類(数)が多いこと、等が挙げられます。

  •  
    ── 諸橋 轍次《大漢和辞典 19551103-19600525 大修館書店》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4469031585
     
    …… さて今度は何をしたものか。梃子をかえて、そしてシシュフォス
    の石をいま一度転がし直すことにしよう。あかねの大桶が私に拒むもの
    を、インク壷から取り出すよう努めよう。Laboremus !「我ら働かんかな」
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003392000
    ──  山田 吉彦/林 達夫・訳《ファーブル昆虫記(十) 199931018 岩波文庫》
     
    …… 大空襲で、ほとんどの印刷資材を失ったが、戦後に再起した。
     著者は白内障で、右目九年間も失明後、再手術に成功したという。
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4569587321
     
    (20131228)(20200301)
     

  • 漢和辞典の決定版と言われた諸橋大漢和。
    文字鏡研究会の文字鏡によって、電子化したフォントによって、文字の重複、異同の一部が確認された。それでも、金字塔であることに変わりはない。
    すべての日本の漢和辞典の原点といえる。

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