ウィトゲンシュタイン全集 補巻 1 心理学の哲学1

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  • / ISBN・EAN: 9784469110265

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  • ウィトゲンシュタイン全集 (補巻 1)
    (和書)2010年01月12日 18:05
    1985 大修館書店 ウィトゲンシュタイン


    10巻までと重複する部分が結構ある。言語ゲームにおける心理の作用がどう関わっているのか簡潔に繊細に書かれている部分は良かった。心理学とはほとんど関係がないらしい。

  • この「心理学の哲学」は、どうやら「哲学探究」第2部を書いていた辺りに書きためられたノートから選出して、ウィトゲンシュタインがタイピストに口述して作成した「タイプ原稿」を編集したものらしい。
    それは書物の体裁を得たものではなく、実際にこれを読んでみると、非常に混沌としており、まとまりがない。明らかに連続する断章が続いたかと思うといきなり全然別の話題に移り、やがてまた戻ったりする。
    そもそも、ここに書かれたテーマは「心理学」と呼びうるものだろうか? もちろんウィトゲンシュタインは心理学そのものに専門的に取り組むつもりなど毛頭なかったのだろう。ただし、彼が愛読したらしいウィリアム・ジェイムズと、ゲシュタルト心理学のケーラーについてはたびたび引き合いに出され、批判的に言及される。
    確かにここでは知覚、感覚、意志、行動の随意/不随意などといった問題が扱われてはいるが、根本的には常に、いつもの「言語についての哲学」に戻ってゆくように見える。
    知覚に関して彼が言うことは、モーリス・メルロ=ポンティを愛読してきた私たちから見れば、どうも誤っている部分があるようだし、現在の脳科学の知見からすると、いかにも古くて「遅れた」知の基盤に基づいているように思える。
    しかし、そのように批判するよりも、まずはウィトゲンシュタインの独特な批判的知の展開の醍醐味を味わってみよう。
    ケーラーに関して彼が言っていることはなかなか鋭いし、何故か音楽に関連して語っていることも適切である。
    だが相変わらず、やたら疑問文を並べ、はっきりとした明言をしない彼の文章は難解である。難解だけれど、不思議と面白い。
    このようなまとまりの悪い書物も、ときどき拾い読みし直してみると、再発見があるかもしれない。
    私はもう少し、ウィトゲンシュタインの姿を追いかけてみるつもりだ。

  •  友達になれそうな気がする。マジ嬉しい。泣きそう。

     ──「今、腕を曲げている」という感覚を人に伝えることができるだろうか。──きゃー何それくだらねー、わかるよそれ。問いたいよ、問いたいよなあ。そうそう。チャットで飲もうぜ。モーフィアスじゃないがこう言いたい " I know exactly what you mean."

     「何でそんなに難しく考えるの?」とよく言われる訳なんだが、そういう人にとっては世の中は直感的に良く分かるんだろうな。何も好き好んでリソースの無駄遣いしてるんじゃないんだ。腑に落ちない事に出逢うたび、しかも直感的には真相が分からず途方に暮れて、考えるしかないわけなんだよ。で、あまりに考えたあまり彼は哲学者と呼ばれてしまったんだが誤解のような気がする。

     難しいなんて言わないで。素朴な疑問なんだから聞いてお願い。という点で『論理哲学論考』とかとはだいぶ趣が違う。生前に出版しなかったのは良く分かる。だって日記だもん。

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