注文の多い言語学

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  • 大修館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784469211337

感想・レビュー・書評

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  • 1986年刊行。
    以前から興味があった千野栄一さんの本をはじめて読んだ。

    チェコ語、ロシア語、言語学や翻訳に造詣の深い千野さんによる、ことば周辺のさまざまな話がユーモラスに語られる。
    シロウトの私にとって、やや難解だったのはエルガティーフの話やカフカス語界隈の異質性の話だけで、あとはだいたい理解できたし、面白かった。

    新たに知ったことは、チェコの人名(姓)は鳥の名前に由来するものが多いということ。※チャペックも
    可愛いなあ。

    和田誠の『倫敦巴里』という本についての章はインパクトがあった。
    和田がいろんな人の文体や口調で、『雪国』のパロをやっている本について書かれている。
    和田がまだ有名になりつつあるころらしい。
    一応和田氏の経歴の説明があったり、多方面に活躍している、“今では才能ある若手芸術家たちのアイドルの一人”とある。
    また、和田氏のパロの話で、作者本人の弁ではないが、引用で“じゃねぇのか、思いだせねえ、など、社会的に層の低い人が使う言葉なので…”とあり、いろんな意味でビックリさせられる…。

    米原万里のエッセイにもよくある、翻訳の難しさや、言語とは何か、の最終章は特に楽しんで読めた。

    イーグルトンとか大学でやった(やらされた)当時、言語学そのものは嫌いではなかったが、たくさんはやらなかった。
    いま再び、この本で、これらを学ぶ機会に恵まれたことを嬉しいと思った。
    私も、チェコという国や文化に惹かれるところがあり、またそれらの物語を読みたいと思う。

  • 読了日覚えていないが読んでいる。
    『言語学の散歩』『言語学の楽しみ』

  • ≪内容≫
    月刊「言語」での同名の連載をまとめた、言語学に関連するエッセイ。

    ≪感想≫
     著名な言語学者である千野栄一氏の言語エッセイ三部作の最終巻。豊富な知識と視点の鋭さにユーモアを添えた文章で、言語学の面白さがよくわかる一冊。
     最低限の用語などについては言語学の基礎知識が必要となるが、とにかく平易に、面白く読めるように、という筆者の努力がひしひしと伝わってくる。翻訳について、よいレポートについて、格について、カフカス諸語について、など扱うテーマも多岐にわたり、言語学という学問の間口の広さ、深さを再認識させられた。

  • 最近(2008年秋)のマイブームは、千野先生の言語学関係のエッセーです。
    何で今頃、自分の中でブームが来ているのかわかりませんが、図書館で借りていろいろ読んでます。

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著者プロフィール

千野 栄一(ちの・えいいち):1932-2002年。東京大学言語学科、プラハ・カレル大学スラヴ語学科卒。東京教育大学助教授、東京外国語大学教授、和光大学教授・学長を歴任。主な編著書に『言語学大辞典』(全6巻、共編)『世界文字辞典』(共編)『言語学の散歩』『プラハの古本屋』『外国語上達法』、主な訳書にチャペック『ロボット』、クンデラ『存在の耐えられない軽さ』などがある。

「2022年 『言語学を学ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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