カルチュラル・スタディーズへの招待

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  • 大修館書店
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感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784469212709

作品紹介・あらすじ

言語、メディア、都市、スポーツ、ジェンダー、民族、歴史など、現代的分野で論点となっているテーマをコンパクトにまとめた、カルチュラル・スタディーズの「教科書」。「キーワード」+「図書紹介」+「練習問題」など一連の記述を通して、文化理解のポイントを立体的に提示する。自ら取り組む際の手がかりも満載。

感想・レビュー・書評

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  • まあ、入門にはいいのだろうけど。

  • 本橋哲也さんはお会いしたことありませんが,東京都立大学助教授から東京経済大学教授へと,私との関係性は近い。そして,東京経済大学はコミュニケーション学部を設立したのがかなり早い時期だったが,カルチュラル・スタディーズという名称での教授職は本橋氏が日本で1番らしい。しかし,日本でカルチュラル・スタディーズ第一人者といえばやっぱり東京大学の吉見俊哉。他にも毛利嘉孝とか,上野俊哉が思い浮かぶが,かれらは皆社会学出身。
    でも,そもそもカルチュラル・スタディーズは英国の文学研究から生まれたようなものだから,英文学出身の本橋氏の存在は重要かもしれない。そんなこともあってか,私は本橋氏の文章にはあまり接してこなかった。カルチュラル・スタディーズというよりもポストコロニアル研究の方が専門なような気もする。

    さて,ということもあって,吉見氏や毛利氏のカルチュラル・スタディーズ入門書と比べて本書はかなり変わっているのかもしれない。といっても,私は吉見氏や毛利氏の入門書は読んでいないし,違う立場で同じような内容を書いても仕方がありませんが。もちろん,序章には通り一遍のことは書いてありますが,ウィリアムズやホガート,バーミンガム文化研究センター,ステュアート・ホール,構造主義,記号論のような誰がどうした,ということはまったく書かず,カルチュラル・スタディーズとは何を問題とすべきかということがまとめられている。そういえば,メディア研究やオーディエンス研究にも全く言及ありません。

    ところで,本書がある種の教科書であるということのこだわりが,本書で紹介する参考文献の多くが日本語で読めるということを基準としていること。そして,なんといっても,独特なのが,1章以降は1章1編の論文を読み解きながら解説していくという構成をとっていることです。登場する著者は,岡 真理,酒井直樹,太田昌国,小谷真理,吉見俊哉,今福龍太,若桑みどり,田崎英明,徐 京植,高橋哲哉,といった面々。まさにカルチュラル・スタディーズが学問分野の垣根を越えた営為であることを示すように,哲学者,文学研究者,人類学者,社会学者,美術史家,歴史家,とそのもともとの所属は多岐にわたる。でも,それが故に読み進むたびに,本書がカルチュラル・スタディーズの入門書であることはすっかり忘れてしまう。そんな言葉すら使われなくなってしまうのだ。
    そして,初めは比較的親しみやすいテーマだが,徐々に重たく大きい問題へとシフトしていき,非常に読みづらい。学部生レベルでどこまで着いてこれるのだろうか。まあ,院生レベルでも。非常に高度な教科書だ。

  • 政治とは何か、文化とは何か。
    アンソロジーなので読みやすい。

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著者プロフィール

本橋哲也(もとはし・てつや)
1955年東京生まれ。東京大学文学部卒業,イギリス・ヨーク大学大学院英文科博士課程修了。D. Phil。
現在,東京経済大学教授。カルチュラル・スタディーズ専攻。
主な著訳書に『映画で入門 カルチュラル・スタディーズ』『カルチュラル・スタディーズへの招待』『ほんとうの「ゲド戦記」』(大修館書店),『本当はこわいシェイクスピア』(講談社選書メチエ),『ポストコロニアリズム』(岩波新書),ガヤトリ・スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』(共訳,月曜社),ホミ・バーバ『文化の場所』(共訳,法政大学出版局),ロバート・ヤング『ポストコロニアリズム』(岩波書店)がある。


「2021年 『『愛の不時着』論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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