韓国、愛と思想の旅

  • 大修館書店 (2004年12月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784469212914

感想・レビュー・書評

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  • 標題に “愛”と“旅” の語もあり、ソフトで、ロマンチックな内容かな…と思いつつ読み始めた。
    だが、内容は硬質で、歯ごたえがある。難解な部分も多い。
    東学、朱子学、陽明学、儒教思想などについて、筆者小倉氏の関心と動機から語り起し、そしてゆかりの現地を訪ねる旅。その思考の軌跡を丹念に記述してゆく。
    崔済愚、李滉(イ・ファン:李退渓)、などなど、初めて耳にする学者、思想家の名が多数登場するのだった。

    黄長燁(ファン・ジャンヨプ)についても評論される。
    小倉氏が、北韓を訪ねた際の思考を記録した章である。
    私は黄氏について、朝鮮労働党の高級幹部で、脱北した亡命者として知っていた。だが主体思想の理論家だったという。筆者小倉氏は、黄氏を哲学者と書く。私は本書の同章を読むまで知らなかった。

    というわけで、本書の内実は韓国政治思想史の趣がある。「愛と思想の旅」の“思想”こそが、実は本書の主題なのであった。 

    第3章の「海峡の木」で、小倉氏は、韓国と日本、ふたつの国のはざまで、「土地=本質」に根ざす〈地の木〉ではない、海峡という名の「王国」に立っているという想いを萌す。
    筆者はこの章で、関釜フェリーの「担ぎ屋」のアジュンマたちの姿も点描している。人の匂ひと旅情が滲み、ほっとする部分もある。そういう素朴な紀行文をもっと味わいたいと思った。

  • [ 内容 ]
    気鋭の韓国学者小倉紀蔵が、日本ととてもよく似た、でもどこか違う国・韓国を巡った果てにつかんだ“思想”とは。

    [ 目次 ]
    第1章 詩とたましい(水の中の詩人―尹東柱;鏡の中を逃げる―李箱 ほか)
    第2章 “文化”のニヒリズム(血の色の土;“理”の動く部屋 ほか)
    第3章 “本質”の傷(傷と美;少女と女 ほか)
    第4章 罪・エロティシズム・歴史(“私”という帝国主義;海峡する恋 ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 論文調の堅苦しい内容が続く「韓国、ひき裂かれるコスモス」から一転、散文詩のような流麗な文体で書かれている。「韓国語はじめの一歩」が好きな人なら楽しめると思う。但し、初めての小倉本としてはあまり勧められない。

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著者プロフィール

小倉 紀蔵(おぐら・きぞう):1959年生まれ。京都大学名誉教授。専門は東アジア哲学、比較文明学。東京大学文学部ドイツ文学科卒業、韓国ソウル大学校哲学科大学院東洋哲学専攻博士課程単位取得退学。著書に『入門 朱子学と陽明学』『新しい論語』『朝鮮思想全史』『京都思想逍遥』(以上、ちくま新書)、『弱いニーチェ』(筑摩選書)、『比較文明学の50人』(編著、筑摩選書)など。

「2025年 『日本群島文明史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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