夫はバイリンガル失語症: 日本語教師が綴る闘病と回復の五年間

  • 大修館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784469213454

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  • 母語が独語で、日本語を学習し、日本の大学で日本語で教育研究する人が失語症になった。そのリハビリ記録。妻は日本語教師。
    医師の見立てより遙かに回復するが、家族のとても職場復帰は無理という判断に反し、本人は復帰が当然と思って疑わない断絶に、脳の病気の難しさを知る。
    しかし、その「無理」な状態で立った教壇、妻が学生の質問をメールで受けて回答するという支援をするが、学生が頑張っている教授に対して好意的なところに感動した。最後のリハビリで「神経心理ピラミッド」を教えられ、妻が「それを最初に知っていれば」と思うところに共感。病態も一人一人異なり、患者の周囲もまた異なるところで、常に手探りで回復の道を探ることになるのだろうから、避け難かったと思うけれど。

  • 日本の大学で法学を、日本語で、教授するドイツ人の夫を持ち、自身ドイツ人に日本語を教える日本語教師である著者が、軽度の脳梗塞によって失語症となった夫の5年間の回復過程を記したもの。
    失われた複数の言語(独語、日本語)を同時並行的に取り戻そうとするが故の困難さや、失語症患者と生活を共にする家族の悩み、失語症とは、またそれから回復するとはどういうことなのかなど、言語の専門家ならではの合理的、分析的筆致で描かれている。
    「脳か怠けようとする」など、患者本人とその脳の振舞いを敢えて区別して書いているのは、患者の中で何が起きているのかが非常にわかりやすく、すばらしい。

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