街の公共サインを点検する 外国人にはどう見えるか

  • 大修館書店 (2017年7月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784469213652

みんなの感想まとめ

公共サインのデザインとその課題について深く掘り下げた内容が印象的で、多言語表記やピクトグラムの使い方に関する考察が豊富に展開されています。特に、外国人向けのサインの問題点や日本の固有名詞の翻訳方法につ...

感想・レビュー・書評

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  • 大学院時代の研究テーマ(ターミナル駅の乗り換えサイン)に関連して。
    2017年の刊行直後からチェックしていたが、就職してから読むタイミングがなかったため後回しになっていた。

    内容は当初の期待とはやや異なり、多言語表記など言語領域からのアプローチが多かった(自身の関心は「サイン自体がどのように掲示されているか」のような建築空間系だった)。
    とはいえ第8章はまさしく「駅のサイン」の話であったし、ピクトグラムなども面白かった。
    デジタルサイネージについては先日もSNSで話題があったことだし、改めて考えてみたい。
    しかし

  • 外国人向けの英語関係のサインを中心に、日本の街の看板やサインの問題点を指摘する。

    日本の固有名詞の翻訳の仕方やピクトグラムの使い方など、非常に深く考察されていて勉強になった。利用者への聞き取りを行ったり、国などがきちんと表示形式を統一することが急務だろう。

  • 2022.9.18市立図書館
    言語学の専門家の立場で、外国人(非日本語母語話者)にどう見えるかという視点から、街で見かけるさまざまなサイン(案内、指示、手順書などのピクトグラムや言葉・翻訳)を点検しながら、誤解なく過不足なくより多くの人によく伝わる方法を考える本。
    非日本語母語話者とひとくくりにいっても、日本語を学びながら暮らしている人とわかるのは口頭の挨拶程度の短期訪問者ではニーズも違うが、多言語対応が進む欧州のケースと比較対照しながら、国際語としての英語を過大評価しすぎずになるべくピクトグラムを活用すること、次善の方法として「やさしい日本語」や「シンプルイングリッシュ」を活用し、ノイズや冗長さを減らすことを主に提案している。
    サインの大きさ、目立ちやすさという要素にとどまらず、「たとえば「トイレは通路の奥まったところにある」という構造が日本では普通でも海外ではそうでもないというような、サインそのもの以外の「無意識の当たり前」を意識することも大事なのだと気付かされた。タッチパネル式の券売機やトイレの非常ボタンの位置など、失敗や間違いが生じやすいものはアルゴリズムや配置の改良が必要だというのも、もっと作る側が自覚したほうがよさそう。
    公共デザインに携わる人、役所などで働く人なら一通りは知っておいたほうがいいと思うし、公共のサイン以外のあらゆる場面で参考になる話は多い。作る側だけでなく、ふだん見る側利用する側からのフィードバックがあればどんどん洗練されていくと思うので、こういう視点で街を観察できる人が増えるといいかもしれない(刊行から5年経って、実際に進化・改善している部分もけっこうある)。

    日英語のバイリンガルや標準モデル(日英中韓の4言語表示)よりピクトグラムやひらがなのほうが在住外国人にも観光客にも親切ではないかという提言は、信頼できそうなデータに基づいているものだが、これからの言語政策を考えるためにも、国勢調査などに(国籍に関わらず)母語(第一言語)と理解言語を問う項目をもりこんでもいいのではないかと思う。

  • イメージと違った。

    アイコンが多数あり、それを比較するものだと
    思っていた。


    考察が多い。説明文が多く、イメージに時間を要する。

  • 意味のないサイン、ムダな注意書きのいかに多いことか!
    「視覚汚染」ほんとそのとおり。
    無くても困らないものは無くしていきたいと思った。

    掲示物を作る全ての人に読んで欲しい!
    すごく勉強になった。
    ---
    ・「サインは少なめに」「大切なことを一言で」p.14,15
    ・禁止や忠告を表すサインを掲出する際はPleaseを使わない。助言や依頼をする場合にはPleaseを使えばいい。p.22
    ・注意喚起が多すぎませんか---注意喚起を全部並べてみて、全体の中からより重要なものだけ残すという方針で選ぶp.74 
    ・視覚汚染p.77 注意喚起とはそれが目立つときにだけ存在価値があるp.80
    ・言っても無駄なこと、言わなくても当たり前のことはサインにしない。p.94
    ・サインの目的を1つに絞り、間接的な言い回し(標語形式、くどい表現、あいまいな表現)は避ける。p.94
    ・公共サインと商業サインの区別する掲示方法を考える。p.106
    ・公共サインを「派手」にしてはいけない。p.106
    ・世界中から不特定多数の人が訪れる場所のサインには、ピクトグラムを採用すべき。p.106
    ・標準モデル(日本語+英語+中国語+ハングル)より言語を多くしたり、少なくしたりはしない。p.142
    ・日本語と外国語でメッセージを変えてはいけない。p.142
    ・標準モデルの言語の順番は変えない。p.142
    ・ピクトグラムは「言語」であって、「挿絵」「イラスト」ではない。p.155
    ---
    ピクトグラムのイラスト化も、違和感を覚えていたので
    「そうそう、こういうこと!」とハラオチ。

  • ふむ

  • 街の公共サイン…
    あまり意識したことはなかったが、
    日本の街に溢れる注意喚起や標語、スローガン
    やたらに街で見かける!
    筆者の言う「視覚汚染」
    この言葉はぴったりだと思った。
    各章ごとにまとめと提案がなされ、
    当たり前に思っていた街の公共サインの
    見方が変わる。

    変な英語のサインや
    固有名詞の可笑しな英訳などは
    例示も多く、なんじゃこりゃ?と
    唸った笑
    街で見かけてもちゃんと読んでないだけで
    身近におかしなサイン沢山あるのかも。

    ピクトグラムの世界的な普及のきっかけは、
    1964年の東京オリンピック、
    組織的にデザインが行われたとのこと、
    非常口を表すピクトグラムをデザインしたのが
    日本人の太田幸夫さんであること、
    もっと日本はピクトグラムに誇りを持ち、
    積極的に推進してほしい!
    という筆者の意見に大賛成。

  • 読了。豊富な実例で、街中の公共サイン(施設の位置や規制内容、案内などの表示)の問題点を指摘している。とてもわかりやすいし、こうあるべきだという提案まで書かれているのが良い。普段から周囲に「ノイズサイン」や「挿絵化したピクトグラム」などわかりにくい実例を目にしているだけに、それの何が問題で、どうするべきかが今回よくわかったし、共感する部分が多かった。シンプル化しすぎたせいでテプラを貼られてしまう例をツイッターなどでよく見かけるが、シンプルなことが悪いのではなくて、適切なピクトグラムを配置できなかったことに問題があるのだろう。自分も広い意味で「表示によって何らかの案内をする」ことを生業としているので、今後の参考にしたい。

  • カテゴリ:教員著作物
    日本語日本文学科:岩田一成准教授の著作物

  • 日常的に街で見るさまざまな「サイン」を取り上げて、サインを見る人に的確に内容が伝わるかどうか点検する図書。外国人の視点から書かれている。
    在住外国人にとっては英語よりも「やさしい日本語」、ローマ字よりもひらがなの方が伝わりやすいというのは盲点だった。また地名を全て英訳すると日本人が道を聞かれたとき、わからなくなるなども知った。あと怖いのが警告等のサインを一言語だけにすると、特定の国の人を不快にさせる可能性があるよう。
    いろいろ発見があった一冊。

  •  著者も日本人なので「運休」「休館」のような重要な情報はもっと大きく目立つように掲示すべきだろうと考えてしまいますが、「緊急かつ重要な情報があるときに限って手作りサインを使用する(ことがある)」というルール自体は、理にかなっていると思います。(p.125)

     ピクトラグムは「言語」であり「挿絵」ではない、つまり、文字によるサインを補完・装飾するために使うものではない。しかし、実際にピクトグラムが使われている現場を観察すると、多くの場所でピクトグラムが文字を飾るためのイラスト代わりに使われてしまっています。筆者たちは、このような現象を「ピクトグラムの挿絵化」と呼んでいます。(p.171?)

    ・避難所を表すピクトグラムや用語は順次統一していく。
    ・津波避難のサインは緊急時にも対応できるよう逃げる方法を示す。
    ・海抜表示は危険エリアを対象に想定浸水深情報を付加する。
    ・外国人をお客様扱いせず消化活動で共に協力する相手としてみる。(p.172)

  • 日本国内に住む外国籍の人、訪日客にもやさしい街頭での掲示の在り方を考察する本。
    一般読者向けなので、割とくだけた文体で、軽妙に書かれているし、じつれいとなる写真も多数あり、読みやすい。

    日本に住む人には平仮名表記の方が伝わるというのは、「やさしい日本語」についての本でも述べられている。
    本書ではそれに加え、不要な掲示があまりにも多く、コミュニケーションに支障をきたしていることや、ピクトグラムを「言語」ととらえ、画面を彩るだけのイラストとは区別すべきことが指摘されていて、興味深かった。

    公共サインと商業サインの区別の方法として、筆者は公共サインは地味なデザインに統一することを推奨する。
    その一節で、海外の例で、高い位置にあるのは公共サイン、低い位置は商業サインと、空間どりで区分けする空港の話も面白い。
    ついでながら、ベルンの空港のトイレのピクトグラムの「切羽詰まってる感」は衝撃的である。
    ぜひ一度現地に行って見てくるかしてみたい。

  • 【新着図書ピックアップ!】
    外国の方に「プリフェクチュアオフィスマエステーションはどこですか?」と聞かれて、どうですか?
    実はこれ、実在するとある鉄道の駅の看板。「県庁前駅」の下に「Pref. Office-Mae Sta.」と書かれているのです。日本人には、ちょっとわかりにくいですよね。著者曰く、「もはやルー大柴」。

    「正しい英語が使われているのか?」「ピクトグラムがただの挿絵になっていないか?」この本は、日本人、外国人問わず、誰にでもわかりやすく、意思疎通が可能な公共サイン作りを提案しています。国内外の実際の公共サインの画像も豊富で、ある意味「おもしろ画像集」の感覚で楽しめます。公共サインを見る目が変わりますよ。

    【New Book!】
    Imagine that a tourist asked you, "Where is the prefecture mae station?" Do you understand what he said?
    Actually, this is the public sign of a station. "Pref. Office-Mae Sta." is the translation of "県庁前駅." The author says, "That's like Lou-Oshiba (Japanese actor, comedian)."

    The author proposes that we have to make easy understanding public signs for everyone. Since this book includes a lot of image of the "strange" public signs, you can enjoy it as if it's "funny image collection."

  • 『街の公共サインを点検する――外国人にはどう見えるか』

    【書誌情報】
    著者:本田弘之  日本語教育学、社会言語学、言語政策。
    著者:岩田一成  日本語学、日本語教育学。
    著者:倉林秀男  言語学、文体論、英語教育。
    装丁:下川雅敏 
    ジャンル 書籍 > 言語・言語学 > 関連領域
    出版年月日 2017/08/10
    ISBN 9784469213652
    判型・ページ数 四六・216ページ
    定価 本体1,800円+税

    自治体関係者、観光関係者は必携!
    駅や空港、街路などにある公共サイン(案内標識や看板など)を検証し、望ましいあり方を考える。実際の写真を多数収録(約160点)。世界各地の事例との比較をもとに、普通の日本人の目からは見過ごされがちな、改善を要する点を多く指摘し、対策を提案する。
    https://www.taishukan.co.jp/book/?book_no=308360

    【目次】
    はじめに:この本について [iii-v]
    目次 [vii-ix]
    本書で使用した写真について [x]

    1 なぜ「街の公共サインを点検する」のか? 003
    「コミュニケーション」は会話に限らない/日本語を「読む」ことは難しい/本書で取りあげる「サイン」について/基本的な用語について

    2 変な英語のサイン 011
    街にあふれる変な英語サイン/駅構内の変な英語/「サインは少なめに」/「~してください」は、please?/変な英語を書かないために

    3 日本に暮らす外国人・日本への観光客 029
    日本に暮らす外国人が使う言葉は?/日本に暮らす外国人が読める文字は?/日本への観光客/「やさしい日本語」の可能性/これからさらに観光客が増えると…/在住外国人と訪日観光客の違いを意識する

    4 道路の公共サイン:英語化を考える 043
    道路標識の英語/英語が必要だって言うけれど…/日本人とは意思疎通できません/英単語が難解すぎます

    5 ローマ字表記を考える:地名や施設名の表し方 055
    道路標識とローマ字/ローマ字表記のルールについて/短縮表記は通じるのか/日本語と英語の重複表示

    6 注意喚起が多すぎませんか 071
    通勤で使う駅を観察すると…/あんまりガミガミ言わないで…/多ければいいってもんじゃないんです/視覚汚染?

    7 注意喚起の内容と伝え方 081
    街にあふれる標語とスローガン/言ってもしかたがないことってありますよね/英語との比較/注意喚起文の作り方

    8 駅でサイン掲示を考える 095
    公共サインと商業サインの区別/多言語サインは珍しい/ピクトグラムの使用

    9 トイレはどこにあるか 109
    外国でトイレを探すとき/ピクトグラムの「方言」/トイレの場所はどこですか?

    10 混乱を招くノイズサイン 123
    「手づくりサイン」は要注意/混乱を招く「ノイズ」/増殖する「ノイズサイン」

    11 防犯に関するサイン:差別を考える 133
    標準は2言語か4言語/標準モデルと異なる言語/日本語と翻訳で内容が異なる/言語順序が意味するもの/防犯メッセージは慎重に

    12 ピクトグラムはイラストではない 143
    「ピクトグラムの挿絵化」とは?/「ピクトグラム風に描かれたイラスト」は混乱を招く/ピクトグラムが挿絵化してしまうとき

    13 防災のための公共サイン 159
    避難場所のピクトグラム/避難所をどう示すか/津波関連のサイン/海抜表示/在住外国人をお客様扱いしないためには

    14 デジタルサイネージの可能性 173
    コインロッカーは旅人の必需品/新しいタイプのコインロッカー/デジタルサイネージの課題/ピクトグラムの限界を克服?

    15 案内マップの近未来:デジタルサイネージからスマートサインへ 185
    「案内マップ」の特異性/役にたつ案内マップと役にたたない案内マップ/案内マップが必要な場合/案内サインの近未来

    コラム① 動物進入禁止 027
    コラム② 国会前の表記をめぐって 052
    コラム③ 訓令式とヘボン式 068
    コラム④ 障碍者のためのサイン 107
    コラム⑤ 方言や歴史用語のサイン 121
    コラム⑥ はじめの1枚 156

    参考文献 [199-202]
    おわりに [203-204]

  •  日本が本当に観光立国を進めるのであれば今何をしなければならないのかという事がよくわかる一冊。

     表向きにきれいごとを言ってもこの本の指摘通り本当に外国観光者が望むところまでには行ってないだろう。

     観光者が望むことは日本人がそして日本のあらゆる標識が外国語になることではないという事に気が付かなければならない。

     外国人、特に在日外国人にとって一番必要なことは英語表記でもローマ字表記でもないという事はまさに目から鱗、一番必要な表示がひらがなだという事に行きついたのには脱帽だ。

     それとなく気になっていたのが警察のパトカーなぜ英語表記になっているのか理解に苦しんでいる。この本の言っていることを考えれば目の前のかっこよさだけではなくわかりやすさを求めるべきだろう。そう表記はひらがなにするべきだとけ・い・さ・つとね。

  • 「注意喚起のメッセージは、あくまで数が少ないときにその効果を発揮する」という指摘、まったくそのとおりと思う。

  • 東2法経図・開架 801.9A/H84m//K

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著者プロフィール

早稲田大学教育学部地理歴史専修を卒業後、高校教諭を経て青年海外協力隊に参加、日本語教育の世界に入る。早稲田大学大学院日本語教育研究科博士後期課程修了。博士(日本語教育学)。現在、北陸先端科学技術大学院大学教授。専門分野は、日本語教育をめぐる社会言語学、言語政策論および異文化理解とコミュニケーション。

「2019年 『[改訂版]日本語教育学の歩き方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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