日本語の論理―言葉に現れる思想

著者 : 山口明穂
  • 大修館書店 (2004年1月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784469221626

作品紹介

日本語の「が」は主格の表示とすべきではない。「が」という形式に載る論理が何かを、日本語の中から帰納すべきであるのに、それを西欧から主格(主語)という概念を取り入れ、「が」にあてはめたことが、日本語を考える時の間違いの基になっている。-日本語独自の発想を日本語の内心に分け入って考察した珠玉の論考集。

日本語の論理―言葉に現れる思想の感想・レビュー・書評

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  • 日本語の単数・複数がないということについては数学の世界ではNumbersを「数字たち」と訳すようになったとか。昔は考えられなかったことです。また「が」「の」「を」などの助詞についての万葉、源氏、平家物語などに遡っての分析が非常に興味深いです。「水が欲しい」というときの水は主語でないとすれば・・・「を」と書くべきであるという時代もあれば、今は「が」をむしろ自然なものとして受け入れているということなど、非常に格調高く、難解な中にも面白い分析でした。「峠」という日本で成立した漢字を中国人ならばどのように読むのか、「頂上」
    と受け止める中国人の話には納得で、この峠という字がいつ日本において成立したのかという研究も面白いです。「ある」と「ない」がなぜ動詞と形容詞でありながら反対語になるのか、日本語のむしろ正しい考え方がその中にあるというのも全く納得できました。「あり」「をり」「はべり」「いまそがり」という4つの「り」で終わるラ変動詞の存在(いずれも存在を表す)もその中で語られると説得力がありました。昔、古文で習った懐かしい言葉です。

  • 本来の日本語に西洋の要素が加わってきているんじゃ、もう変化は当たり前だし、更に変化していくしかないだろうなぁと思いつつ、比較の近代・古典を読んで…。もう関係なく変化してるじゃないとか思うのだけど(ただ他人本位か自分本位かは変わってないけど。これから変わってしまいそうな気がするのはちょっと寂しい)そもそも正しい日本語の基準って何?!頭ごんがらがせながら、頑張って読んだ一冊でした。関連本も読みたいよ。

  • フィンランド語と上海遠征の為の中国語・英語を必死に勉強中なんだけど、もうこの年になると「文法」の勉強が中心になる。
    その上で、外国語の文法を学ぶと、日本語の文法とか格変化が知りたくなる、と、そういう論理でたどり着いてみた。

    非常にミクロな視点で日本語の論理、つまり、言葉の意味と使い分けに筆者独自の見解を与えている本。
    例えば、「は」と「が」には、どういった違いがあるのか、と言ったこと。

    他にも、「峠」という感じの意味や、「ある」と「いる」、過去の「つ」など、具体的なテーマが並んでいる。
    面白いのはどれも、「日本人ってこういう考え方をしていたんじゃないかな」という大きな話に結びついていること。
    例えば、日本人は主観的なものの捉え方をしていた、など。
    これが全編通して一定の一貫性があるから、納得できる部分も大きい。

    難しそうな本だけど、文章の展開が巧みで、流れるように読めちゃうのが良いです。
    テーマになる言葉を選び出して、「同じ意味だよね?」って確認して、
    でも、<同じ意味を別の言葉で表すのは非効率的ではないか>というテーゼを投げて、
    実はこうなんだよ、という謎解きをする。
    しかも、十分に余裕を持って着いていける範囲で、順々と。

    ちょっと触れたけど、
    <同じ意味を別の言葉で表すのは非効率的ではないか>というテーゼは凄い。
    ものすごい納得感があるし、反面、思い至ることも無かった。
    個々のテーマも凄く面白かったけど、まずこの一言に、「学べた」なんて思えた1冊でした。

    ・・・古文の引用が多くて、そこが読んでてちょっと辛いけど。

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