日本語の論理: 言葉に現れる思想

著者 :
  • 大修館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784469221626

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  • フィンランド語と上海遠征の為の中国語・英語を必死に勉強中なんだけど、もうこの年になると「文法」の勉強が中心になる。
    その上で、外国語の文法を学ぶと、日本語の文法とか格変化が知りたくなる、と、そういう論理でたどり着いてみた。

    非常にミクロな視点で日本語の論理、つまり、言葉の意味と使い分けに筆者独自の見解を与えている本。
    例えば、「は」と「が」には、どういった違いがあるのか、と言ったこと。

    他にも、「峠」という感じの意味や、「ある」と「いる」、過去の「つ」など、具体的なテーマが並んでいる。
    面白いのはどれも、「日本人ってこういう考え方をしていたんじゃないかな」という大きな話に結びついていること。
    例えば、日本人は主観的なものの捉え方をしていた、など。
    これが全編通して一定の一貫性があるから、納得できる部分も大きい。

    難しそうな本だけど、文章の展開が巧みで、流れるように読めちゃうのが良いです。
    テーマになる言葉を選び出して、「同じ意味だよね?」って確認して、
    でも、<同じ意味を別の言葉で表すのは非効率的ではないか>というテーゼを投げて、
    実はこうなんだよ、という謎解きをする。
    しかも、十分に余裕を持って着いていける範囲で、順々と。

    ちょっと触れたけど、
    <同じ意味を別の言葉で表すのは非効率的ではないか>というテーゼは凄い。
    ものすごい納得感があるし、反面、思い至ることも無かった。
    個々のテーマも凄く面白かったけど、まずこの一言に、「学べた」なんて思えた1冊でした。

    ・・・古文の引用が多くて、そこが読んでてちょっと辛いけど。

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