なぜ日本人は日本語が話せるのか―「ことば学」20話

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  • 大修館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784469221657

作品紹介・あらすじ

「フランケンシュタインが本当に手に入れたかったものは人並みの容姿などではなく、まさしく人間のことばだった。彼は人間としてことばを交わしたかったのだ」。多才な言語学者が綴った謎と驚きに満ちた"言語ワールド"。

感想・レビュー・書評

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  • 「なぜ日本人は日本語が話せるのか」、つまり、「なぜ母語学習が自然に行われるか」という問いに、「まわり中で日本語を話しているのを聞いて真似しているうちに覚えたから」という仮説は誤っていると本書は述べている。なぜなら、言い間違いや非文が日常に溢れているにも関わらず、それらを示されると、間違っていると認識できるからだ。これは、日本語習得過程で言い間違いや非文を「真似しなかった」ことを意味する。つまり、「真似しているうちに覚える」というのは母語習得の説明にはならないと筆者は言う。
    チョムスキーという言語学者が「人間には普遍分法が生まれながらに備わっている」という仮説を提唱し、今はほとんどの言語学者がこの説を受け入れているとある。論理はこうだ。たとえば、私達は皆、視覚器官を備えて生まれてくる。ただ生まれたては何も見えず、そのうち明暗の区別がつき、やがては色彩・形状・遠近などを見分ける。この過程の赤ちゃんが周囲の真似をしたり、何かを覚えたりしているはずがない。同じように、人間が「言語器官」を持って生まれてくるのであれば、母語習得が驚異的な確立で行われるのは不思議ではなくなる。

  • 日本語のもつ特性を英語との比較で解説する言語学教授による本。講演会的なリラックスした語り口でしっかりと教えてくれる。
    印象的なところは、日本語ジョークは、ひとつひとつしっかりと説明を要する構造に対して、英語ジョークは文脈を読み取る構造となっているとの箇所だ。こうしたところが物事の考え方にも大きく影響しているのだろう。

  • 図書館所蔵【804IM】

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著者プロフィール

1934年生まれ。東京都立大学名誉教授、文学博士。専門分野は音声学、統語論、語用論。主要業績:『英語の使い方』(大修館書店)、『語用論への招待』(大修館書店)、『ことばの意味とはなんだろう』(共著、岩波書店)、『語用論キーターム事典』(監訳、開拓社)

「2015年 『意味論キーターム事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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